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【2/16~3/1】糸井潤 写真展「Cantos Familia」


糸井潤 写真展「Cantos Familia」

ちょこっとおつまみ!北欧情報サイト【北欧区】スタッフ日記 

フィンランドに一年間滞在し、写真制作をした糸井潤 氏。
日本とフィンランドの森と光をバックグラウンドに、写真展「Cantos Familia」が
銀座ニコンサロンで開催されています。

【写真展内容】(以下プレスリリースより)
昨年、作者の父親が死んだ。家の近所にある森の木にザイルをかけて。長いあいだ糖尿を煩っていたが、直前の鬱に、家族は気付いていなかった。準備しておいたメモ書きを、財布に差し込んで置き去り、行方をなくした。近所の森で見つけるまで、皆で五晩、四日と捜した。

この経験から、森、の存在が作者にとって大きなものとなった。フィ ンランドの光には独特の資質がある。日本の霞がかかった光や、アメリカで見られる硬質な光とも異なる。その地の森にて、地面に落ちた光を見ては、光の筋を、現世とあの世を分ける三途の川のように「隔てるもの」と重ね合わせる。それらをフィルムに焼き付けるために森の中をさまよい、地面に落ちている光を拾い歩く。

デジタル、銀塩の別なく、光と影は「写真」の要素として存在する。光と影、または生と死との狭間に存在する「何か」が、撮影という行為の中、強烈な視覚言語となって現れ、訴えかけてくる。

太陽光が月光に見えることもある森の深い中、場所によって変わる光と影の比率のせいで、昼間なのか、夜なのかという感覚が、時に交錯する。このような経験が、こちら側である現世においての、自身の存在に対する問いかけへとつながる。

「森の概念」は、自分の記憶へと通ずる。記憶への熟考は、常に制作への土台となってきた。そして今、父親の急な死によって、自身と家族との記憶が堰を切って溢れ出てくる。

作者にとって、写真とは詩である。一枚の写真は、ひとつの言葉となりうる。これらの写真は、父と作者、そして家族との対話の中にある言葉でもある。カラー12 点。

【作者プロフィール】
1971 年生まれ。アメリカで12 年間の滞在最後の年を、インディアナ大学芸術学部の客員助教授として帰国後、東京にて会社員の傍ら作品制作と発表を続けている。その活動が認められ、文化庁新進芸術家海外研修制度によりフィンランドのラップランド州にて、1 年間滞在制作を行う。これまで、海外を含めた30 以上の展覧会にて作品が発表され、ヒューストン美術館などに作品が収蔵されている。

写真作品を通して、自我や幼少時の記憶、内なるものと外世界との境界についての出来事を表現しようとしている。生まれ育った日本を離れて、人生の3 分の1 を異国で過ごした経験が、制作の大きな土台となっている。

現在取り組んでいるプロジェクトは、森の中にある光を、生と死の間にある境界線のメタファーとしてとらえようとしている。自身の父親の急な死がきっかけとなって、日本とフィンランドの、森の中にある光を撮影するようになった。

糸井潤写真展「Cantos Familia」
会期:2011年2月16 日 (水) ~ 3月1 日 (火)
時間:10:30~18:30(最終日は15:00 まで)会期中無休
会場:銀座ニコンサロン
〒104-0061東京都中央区銀座7-10-1
(STRATA GINZA (ストラータ ギンザ) 「ニコンプラザ銀座内」)
お問い合わせ:(03)5537-1469

糸井潤HP:http://www.junitoi.com

※2月26日(土)15:00-16:00は、作者によるギャラリートークがあります。
※入場無料・予約不要。当日は直接会場にお越し下さい。



(2011年06月14日更新)
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