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【4/28(土)公開】ノルウェー映画「弧島の王」


ノルウェー国民もほとんど知らない、闇に隠されていた歴史の一部
バストイ島に実在した矯正施設での実話がもとになった衝撃の話題作

孤島の王(原題:KONGEN AV BASTOY)



【ストーリー】
1915年、ノルウェーのバストイ島にある矯正施設に、エーリングという元船乗りの少年が送還されてきた。筋金入りの問題児・エーリングのお目付け役となった優等生オーラブが施設での規則を守らせようとするが、常に反抗的な態度を変えないエーリング。ことごとく重労働の懲罰を強いられ、想像を絶する理不尽な環境の中で生活していくうちに、エーリングとオーラヴの間には絆が芽生えていく。ある日、寮長ブローテンから性的虐待を受けていた内気な少年イーヴァルが溺死体で発見された。何事もなかったかのように事件をもみ消そうとする大人たちへの不信感はますます増すばかり。ついにはこの事件が引き金となり、王のごとく君臨する院長や威圧的な寮長などに対して怒りが爆発。まさに命がけの反乱へと発展していく。

【受賞歴】
ノルウェー AMANDA AWARDS 8部門ノミネート、4部門受賞(最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀助演男優賞、音楽賞)
ドイツ NORDIC FILM DAYS LUBECK 最優秀作品賞、観客賞受賞
スペイン・バレンシア国際映画祭 パルムドール(金賞)受賞
ロッテルダム国際映画祭 観客投票第4位(100以上の作品中)
スウェーデン・ヨーテボリ国際映画祭オープニング作品




ノルウェーで大ヒットを記録し、同国の権威あるアマンダ賞で最優秀作品賞など、4部門を受賞した『孤島の王』が、4月28日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開されます!

ノルウェーの首都オスロの南方に浮かぶバストイ島ってご存知でしたか?


その島に実在した少年向けの矯正施設。そこで勃発した凄まじい反乱事件がベースになった実録ドラマです。マリウス・ホルスト監督は「14年前に、その島の矯正施設で少年時代を過ごしたという男性との出会いが、本作を制作するきっかけとなった」と語っています。

1896年に「問題児たちの矯正」を目的とした制度が制定されると、政府はバストイ島に150人の少年を収容できる5つの寮を建設しました。当時ヨーロッパでは問題を起こす児童に対しては体罰よりも、彼らに合った環境下で成長させる必要があり、早期の矯正によって未来の非行を防止できるという考えが主流だったそうです。

外国からも「見習うべき模範」と見られていたバストイ島の矯正施設でしたが、現実は理想とはほど遠く、理不尽な懲罰や暴力が横行。1953年にはフォルディン教護院(少年院)と改称されましたが、1970年10月ついに閉鎖。1988年以降はバストイ刑務所となっています。

現存するバイストイ刑務所は、世界初の人間生態学的な刑務所として知られており、施設には鉄格子がなく、テレビやパソコンが利用できるほか、島内の外出も自由。社会や家族との関係が維持できるようにと休暇制度なども定められているという、人権を尊重した施設になっているそうです。

1951年5月20日に実際に起こった少年たちの反乱をもとにした映画「弧島の王」。鎮圧のために、当時総勢150名の兵士が島に上陸したということからも、その事態の大きさが伺えます。映画に登場する軍艦も当時使用されたものと同型なのだとか。

理不尽すぎる環境の中で、少年たちの表情から伺える怒りやもどかしさ、葛藤。
悲惨な現実の背景に広がる悲しいほどに美しい映像。
ノルウェーの大自然ならではともいえる圧倒的な迫力で、身も心も揺さぶられる壮絶なラストシーンは必見。


孤島の王(原題:KONGEN AV BASTOY)
監督:マリウス・ホルスト
出演:ステラン・スカルスガルド(「奇跡の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「メランコリア」「ドラゴン・タトゥーの女」ほか代表作多数)/クリストッフェル・ヨーネル/ベンヤミン・ヘールスター
2010年/ノルウェー・フランス・スウェーデン・ポーランド/117分/デジタル/カラー/ノルウェー語/シネスコ/ドルビー/原題:Kongen av Bastøy /PG12/
配給:アルシネテラン
(c)les films du losange
4/28よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開予定!

「弧島の王」公式ホームページ
http://www.alcine-terran.com/kotou/
Kongen av Bastøy Trailer
http://youtu.be/uEuxJzdERW8



(2017年06月02日更新)
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