北欧総合情報サイト【北欧区】hokuwalk.com - 【祝・監督賞受賞】アイスランド映画「馬々と人間たち」@東京国際映画祭2013
HOME > What’s New > 2013年 > 2013年10月31日

【祝・監督賞受賞】アイスランド映画「馬々と人間たち」@東京国際映画祭2013


東京国際映画祭は夏から記者会見に行き、2020年の五輪開催地にも決定したこの「東京」という街が、世界中から注目を浴びていることをひしひしと感じながら開幕を迎えた「東京国際映画祭2013」。今年は幅広い年齢層に映画を楽しんでもらいたいとのことで、バラエティ豊かなラインナップが上映され、グリーンカーペットでもイベントが行われるなど、六本木ヒルズは連日たくさんの人でにぎわっていました。

北欧区も映画祭の雰囲気を楽しむとともに、作り手の「熱」を感じるために連日ヒルズへ。

見事今年の東京国際映画祭で監督賞を受賞したアイスランド映画「馬々と人間たち」をあらためてご紹介したいと思います。

一般上映で鑑賞させていただきました。上映後には監督とディレクターによるQ&Aがありましたので、その模様もお伝えします。

開幕前の記者会見でコンペティション部門のプログラミングディレクターの矢田部氏が、「なんといえばいいかわからない。説明を付け加えられない(笑)」「今年の発見はこれ!」と力説されていた作品でしたので、始まる前からワクワクしていました。

>>【10/17-25】アイスランド&スウェーデン作品上映!@ 第26回東京国際映画祭


馬のなかの人間、人間のなかの馬を描いた長編映画。アイスランドに住む馬と人にまつわる様々なエピソードを織り交ぜながら展開していくのですが、とにかく次から次へとカルチャーショック。さすがアイスランド、あなどれない・・・笑。

現代はインターネットでいろんなものをすぐに調べられたり、知らない土地や国のことも手にとるようにわかったり、文化や食べ物、お店の情報まで、入手しようとすればすぐに情報が手に入ってしまうため、「驚き」や「感動」が少ない世の中になっていると思うんです。が、この映画はとにかく初めから想像を超えていました。

上映後、会場の反応が気になって気になって仕方なかった北欧区。果たしてQ&Aでどんな質問が飛び出すのか・・・!?


(c)2013 TIFF

ベネディクト・エルリングソン監督(左)と、フリズリク・ソール・フリズリクソン プロデューサー(右)が登壇。

まず出たのが、「出演していた馬はどうやって撮影したのか?人間より“俳優”に思えた」と、馬の名演技についての質問。

なんと、90%以上が実写だとか!監督はじめ、撮影チームが「馬のことを熟知しているから」こそ撮れたそうです。

馬がどういう行動をとるかを知っている。あとはタイミングだけ」と監督。「天候も味方してくれ、まるで精霊が助けてくれたかのよう。とてもラッキーだった」と、“精霊”という言葉がさらりと登場するところが実にアイスランドらしい。

人の死、馬の死。それは日々の中でごくごく自然なこと。馬は人を受け入れ、人も馬を受け入れる。人と馬という垣根を超え、深い絆で結ばれていることがわかります。

それでも、頭の中で理解しようとするのですが、会場の質問には、馬の死に対して「なぜ・・?」という言葉を投げかけてしまいます。

混乱気味?な会場の雰囲気に、「我々はとても悪い映画を作ってしまったようだ(苦笑)」と、監督自身も少しとまどい気味?


(c)2013 TIFF

さらに、スウェーデン語を話す女性が一人登場していたことについて。「あのスウェーデン人の設定は?」という質問。

ドイツや北欧など、ヨーロッパで馬を持つのはコストがかかって大変。アイスランドでは馬と共にいるのはごく当たり前のことなので、アイスランドにやってくる馬好きな人たちがいる」のだそうです。

登場したスウェーデン人女性は、馬を通じて周りのアイスランド人に信頼され認められていました。さらに、スペイン語を話す男性も、馬に命を救ってもらっています。

人は馬を通じて自然とつながりを保ち、馬は人を通じてその国の社会とつながっている。ものすごく絶妙なバランスで。

こんな世界があるとは、本当に驚き。非常におもしろい作品でした。


(c)2013 TIFF

馬との撮影の難しさよりも、「苦労したのは資金面だった」と言う監督。アイスランドとアイスランドの馬を知り尽くした自分たちしか撮れない唯一無二の作品

フリズリクソン プロデューサーはじめ、自分の周りには優秀な人々がたくさんいる。自分が得意なことはその有能な人たちを集めることだけ。自分はあくまでもただの“顔”」と謙遜するエルリングソン監督。それはまさしく才能ですよね。

ちなみに、アイスランディック・ホースは、アイスランド原産の馬で、ポニーでしょ?と言われてしまうほどの小柄な馬。とてもおだやかでやさしい性格なのだとか。ちょこまかちょこまかとした走り方がとても愛らしく、癒されました。

私も馬に乗るのが好きなのですが、馬は足に体重がかかる下り坂を嫌がるといいます。岩や石がゴロゴロとしている下り坂を、そのちょこまか走りで、大柄のアイスランド人を乗せて走るんですから、アイスランドの馬はかなり強靭ですね!

ロケ地は、なんと首都レイキャヴィークから約1時間ほど離れた場所だという情報もゲット。背景に広がる山々が美しい。あれが・・・首都から1時間・・・ですか・・・。

今回、監督賞を受賞した「馬々と人間たち」。機会あればぜひご覧になっていただきたいです。脳内をぐるぐるとかき混ぜてくれる作品です。


(c)2013 TIFF
馬々と人間たち(Of Horses and Men)
(2013/85分/アイスランド語)
監督:ベネディクト・エルリングソン
出演:イングヴァル・E・シグルズソン、シャーロッテ・ボーヴィング、ステイン・アルマン・マグノソン
http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=C0009



(2014年08月29日更新)
このページの先頭へ