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【7/18-10/4】キュッパの世界を体験!みんなで作ろう!「キュッパのびじゅつかん」




先日ノルウェー王国大使館にて記者発表会が行われ、この夏、東京都美術館にて、企画展「ノルウェーから東京・上野へ!キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」が開催されることが明らかになりました。

展覧会は、ノルウェーの新進作家オーシル・カンスタ・ヨンセン氏による絵本『キュッパのはくぶつかん』の物語を入口として、観察したり、集めたり、調べたり、並べて展示したりと、来館者が実際に体を動かしながら体験し、参加できるスタイル。

ノルウェーの絵本のキャラクター、丸太の男の子「キュッパ」が美術館で展覧会?
その上、参加型って、いったいどんな内容なのでしょうか

展示を鑑賞する部屋に続き、主人公キュッパのように物を拾って集めます。そしてそれを観察し、自分のルールで箱に並べて、最後の部屋に登場する巨大な棚に収蔵するという、来館者一人ひとりが美術館を作っていくような新感覚の企画展となっています。これは、上野公園にあるミュージアムが連携して取り組んでいる子供たちのミュージアム・デビューを応援するプロジェクト「Museum Start あいうえの」の活動から発展して生まれた企画です。

  
(左)アーリン・リーメスタ ノルウェー王国大使/ (右)真室佳武氏(東京都美術館館長) 

記者発表会ではまず、ノルウェー王国大使館のアーリン・リーメスタ大使が登場。「東京都美術館でノルウェー生まれの『キュッパ』の展覧会ができることを大変嬉しく思います」と喜びを語り、「展覧会を通じて、自然とともに暮らすノルウェー人のライフスタイルを感じてもらえたら」と述べました。また、東京都美術館館長の真室佳武氏は、平成24年にリニューアルした東京都美術館にとって、この展覧会は、「対話を基本とした新たな価値を創造する“アートコミュニケーション”を、見える形で提示しようという試み。ぜひ期待してほしい」と力強く語りました。

オーシル・カンスタ・ヨンセン氏(作家)

『キュッパ』の原作者オーシルさんは、今回の展覧会開催にあたり、「自分の書いた本がこんな風に発展するなんて」と驚きつつも、とても楽しみながら取り組んでいるそう。「(子供の美術館デビューを応援する)上野のプロジェクトの一部として開催されるというのも大変光栄なのことだと感じています。展覧会に参加されるアーティストの皆さんの作品を拝見していても、自分の考えと共通点、共感する部分があります」と、今から展覧会が楽しみな様子。

  
(左)日比野克彦氏(アーティスト/東京藝術大学教授)  
(右)日比野氏によるインスタレーション(模型)。木材で出来た巨大棚。  


【展覧会構成】
1)「キュッパの部屋へようこそ」 ギャラリーB
絵本『キュッパのはくぶつかん』の物語を映像で紹介。物語を通じて、来館者は、物を集め、観察し、並べてみることで、「自分の生きる世界について」「物について」「アイデアをシェアすることについて」考えるよう導かれていきます。オーシルさん制作の作品標本やスケッチほか、キュッパのように、何かを収集し並べている現代作家作品やミュージアムコレクションが展示される予定。

2)「みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」 ギャラリーA&C
最初の部屋でアーティストのコレクションを見たあとは、参加型の展示へ。ここには、日比野克彦氏によるインスタレーション「bigdatana―たなはもののすみか」(2015年)が登場。幅12メートル、高さ8メートルのヒノキの間伐材で作られた巨大収蔵棚が出現。その前にある床スペースには、種や枝、石、貝殻、タイル、ボタン、ガラス玉、布、毛糸、工具など、1000種類以上の物が分類されないまま置かれているので、来館者は物をよく見つめ、集め、分類を考え、箱の中に並べます。物を通じて対話する空間が設けられています。

3)「つぎなる冒険と出会いに向けて」 ギャラリーC

最後の部屋は、次なる冒険へと続く空間。洞窟探検家の小山田徹氏によるインスタレーション「かんかく基地」(2015年)が披露されています。ここは、会場内に観察するものが点在し、観客は自分のペースでじっくりと観察したり考えたりする時間があたえられます。

7月にまた来日されるというオーシルさんは、石や枝などを集めるのが大好き。上野公園でさえ、オーシルさんにとっては宝箱。ぜひ家族で、お友達同士で、みつめて、あつめて、しらべて、ならべて。びじゅつかんをみんなで作り上げる過程さえも楽しめる展覧会です。ファミリー参加のワークショップや、アーティストと一緒に楽しむイベントなども開催予定。

【展覧会のモチーフとなった絵本『キュッパのはくぶつかん』とは?】
主人公の丸太の男の子キュッパは、物を集めてくるのが大好き。森に散歩に出かけ、身近な物を集め、分類し、毎日小さな発見を重ねていきます。そして、物を見つめる楽しさを誰かに伝えようと、ついに博物館を作ることにしました。博物館を作ってみたら大成功。でもあまりに忙しくなってしまい、博物館をやめてしまうキュッパ。いっぱいの物に囲まれたキュッパは、このあとどうする?

ノルウェーから東京・上野へ!
キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて
Kubbe Makes an Art Museum - by seeing, gathering, studying and exhibiting
会期:2015年7月18日(土)~10月4日(金)
開室時間:午前9時30分~午後5時30分まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日、7月21日(火)※ただし、7月20日(月・祝)、9月21日(月・祝)は開室
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
観覧料:一般800円、団体(20名以上)600円、65歳以上500円、学生400円 ※高校生以下は無料
東京都美術館展覧会サイト:http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_kubbe.html
特設ウェブサイト:http://kubbe.tobikan.jp/


●お・ま・けショット @ノルウェー王国大使館●
  
手描き名詞作成中のオーシルさん!  
  
(左)オーシルさんの手描きキュッパのイラスト入り!/(右)キュッパグッズ!  



(2015年07月02日更新)
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