8月8日(土)、スウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督最新作「さよなら、人類」公開!
「さよなら、人類」は、昨年の東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で上映。「実存を省みる枝の上の鳩」というタイトルでした。残念ながら私は見逃してしまい、解説を読んでも、まったくどんな作品なのかピンと来ておらず(笑)、ずっと気になっていた作品です。
冒頭から不謹慎にもおかしい。さまざまなカタチの「死」がテーマになった3つのショートストーリーから始まるんですが、日本の古典的な昭和のコントに通ずるものがあり、こんなブラックな笑いのポイントも、やはり日本と北欧では近い部分があるのか・・・とあらためて感じてしまったほど。
あれ?何これ?いつの時代が舞台?でも、携帯使っているし・・・と、時間軸に少々戸惑うことが。
そう、いつの時代?と、錯覚を起こすくらい、人はおろかにも戦争など、大きな過ちを繰り返している・・・。人は生まれてはいつか死んでいくし、どんな状況でも恋をするのは、いつの時代も同じ。
構想に15年、撮影に4年という歳月をかけ、全39シーンを、固定カメラで1シーンにつき1カットで撮影。CG全盛期のこの時代に、巨大スタジオにセットを組み、膨大な数のエキストラ(馬も)を登場させるという、こだわりにこだわった作品に仕上げたのは、スウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督。
配色や美術、ディティール、構成まで、徹底的に計算された“動く絵画”。観ている人に、“想像を超える衝撃”を与える神がかった域。第71回ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞(グランプリ)を受賞したのも、人々が渇望していた“驚き”があったからだと納得。
人類の過去・現在・未来は、どんなに時代が移り変わっても、良くも悪くもそんなに変わらないものということを感じさせられてしまいますが、それはけっして悲観的ではない。
人生、そんなにスムーズにはいかないけれど、とにかく、「元気で何より」と労わりあう。これが人間。
劇中で象徴的に登場する「リパブリック賛歌」というアメリカ民謡。
日本でも「ともだち賛歌」や「おたまじゃくしはかえるの子」など、いろんな歌詞がついている馴染み深い曲です。この曲が、劇中でいろんな替え歌となって登場するので、こちらもぜひ注目してみてください。
全39枚の絵画を鑑賞したあと、お気に入りのシーンがほっこりと心に浮かび、またクスクスと思い出し笑いしてしまう、そんな100分の物語。
隅々まで見逃せない!ロイ・アンダーソン監督最新作「さよなら、人類」は、8月8日(土)、YEBISU GARDEN CINEMA にて公開!
【ストーリー】
面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンコンビ、サムとヨナタン。現代のドン・キホーテとサンチョ・パンサのように、さまざま人たちの人生を目撃する。ワインを開けようとして心臓発作で死ぬ夫とそれに気づかない妻、天国に持って行くために宝石の入ったバッグを手放さない臨終の床の老女、現代のバーに立ち寄るスウェーデン国王率いる18世紀の騎馬軍・・・。なにをやっても上手くいかない人たちの哀しくも可笑しな人生。万華鏡のような不思議な世界へ私たちを誘ってくれる。
さよなら、人類
原題:En duva satt pa en gren och funderade pa tillvaron
英題:A Pigeon Sat on a Branch Reflecting on Existence
監督・脚本:ロイ・アンダーソン(『散歩する惑星』『愛おしき隣人』)
出演:ホルガー・アンダーソン、ニルス・ウェストブロム
2014年/スウェーデン=ノルウェー=フランス=ドイツ/カラー/100分
(c)Roy Andersson Filmproduktion AB
後援:スウェーデン大使館
提供:ビターズ・エンド、スタイルジャム、サードストリート
配給:ビターズ・エンド
公式HP:http://www.bitters.co.jp/jinrui/
公式Twitter:https://twitter.com/jinrui_movie
公式Facebook:https://www.facebook.com/jinrui.movie/
予告動画:https://youtu.be/3kclKuSNfd8
8月8日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー!