子ども服ブランド「ヴィッレヴァッラ」(Sweden Kids Week 2015のブースより)
今年は長くつ下のピッピ生誕70周年ということで、日本でも在日スウェーデン大使館を中心に、スウェーデンの児童文化・文学を促進する活動が行われています。
今月、オーサ・レグネール子ども・高齢者および男女平等担当大臣が初来日。15日には、国際子ども図書館にて、児童文学講演会「子どもの居場所」が開催されました。国際子ども図書館を皮切りに、スウェーデン児童文学パネル展が全国に巡回します。
また、今年で4回目となる「Sweden Kids Week 2015」(一般日17&18日)がスウェーデン大使館で行われ、16日のプレスカンファレンスにはレグネール大臣が登壇。「子どもの権利と父親の積極的な育児参加を支えるスウェーデン社会の現状」をテーマとした講演会が行われました。少子化・子育て・男女平等などについて積極的に取り組むスウェーデンは、これまでにどんなことをやってきたのでしょうか?現大臣の話に報道陣の注目が集まりました。
子ども・高齢者および男女平等担当大臣 オーサ・レグネール氏
■男女が平等で、子育てのしやすい社会づくりに向けて
スウェーデンでは、育児休暇に関する法律から、子どもが生まれた後のケア、仕事と家庭の両立を実現するための支援を家族政策の中心に据えており、国をあげて家族にやさしい構造になっています。女性の労働市場の参加は、出生率向上の効果があることも証明されているとか。
日本でも話題となる育児休暇制度。スウェーデンでは、両親あわせて480日間(それぞれ240日間)の育児休暇があり、子どもが満4歳になるまで使うことができます。240日のうち、60日間は両親の間で譲渡不可。それぞれ最低60日間は育児休暇を取得しています。
今でこそ福祉大国といわれるスウェーデンですが、「自動的にこうなったわけではありません」と、レグネール大臣。「60~70年代から女性による社会参加、女性運動が起こり、男女平等を訴える人々が増え、国が改革をしようと考えるに至った」といいます。
子どもが4歳になるまで一度も育児休暇を取得していない父親は20%ほどいるようですが、それでも約80%の父親が育児休暇を取得。日本の父親の取得率2.03%(※)から比較すると、ものすごく高い数字です。また、全期間のうち父親は約25%(平均約4ヶ月)、母親は約75%(平均15ヶ月)の割合で育児休暇を取得していますが、この割合について、レグネール大臣は、「(父親の割合が)最低でも50%は必要」と、さらなる向上を訴えていました。
■社会全体で議論していくことが大事
子どもとの時間を取りたくても、まだまだ長期労働を強いられがちな日本の企業風土。スウェーデンでもそれは国も企業も悩みの種だそうです。レグネール大臣は、「法体制を整えて、社会全体で議論していくことが大事」と主張。北欧ではこういう議論が巻き起こって、変えてきたといいます。
子どもは両親とどれだけ同じ時間を共有できるかが大切。「家庭で過ごす時間が増えたからといって、男性が家事をしてくれるわけではありません。それはまた別の男女平等の議論が必要です」と、レグネール大臣。大きなくくりで、ざっくりとした政策ではなく、より細かな話し合い、法体制が必要だということがわかりました。
スウェーデンでは、2016年1月1日以降、父親と母親が相互に譲渡できない育児休暇の日数を60日から90日に引き上げられることが決定。さらなる父親の育児休暇制度の取得率向上を目指します。
(※日本での育児休業取得率:女性83.0%、男性2.03% H25年度「雇用均等基本調査」より)
今年は、過去最多となる10社のスウェーデンブランドが集まったSweden Kids Week 2015。最新コレクションから、実際に触れて体験できるブース、スウェーデン料理やスイーツも登場。17~18日の一般公開日には、絵本の読み聞かせやワークショップなど、親子で楽しめる企画も。
(左)悪天候でも耐えられる高機能素材を使用したキッズ専用のアウトドアブランド「ISBJÖRN」(イスビョン)。イスビョンとは「北極ぐま」の意味。(右)話題の新感覚室内用砂遊び「キネティックサンド」。砂場の砂よりもまとまりやすく、粘土に近い?でも手触りは砂。手に付かずサラサラだから不思議。
(左)創業136年、スウェーデンの村、KLIPPAN(クリッパン)で生まれた人気ブランケットメーカー。2014年にベビー&キッズコレクションをスタート。(右)ゴットランド島の希少種ゴットランドシープのシープスキン専門店「Gotland Design」。くりくりの毛はふわふわ!シックな色はインテリアにもぴったり。
(左)可愛い焼き菓子たちに釘づけ!サンドイッチ、スウェーデンコーヒーのお店「SPISEN(スピーセン)」。(右)ベビービョルン主催スタイリッシュパパコンテストも開催!3名のパパたちは抱っこひも姿で登場。見事優勝を勝ち取ったのは真ん中のパパさん!
有名スウェーデンブランドもずらりと登場!男女ともに遊べる、楽しめる、身につけることができる“gender neutral”なものを意識した企業が多く見られました。
◆出展企業(順不同)
ベビービョルン(ベビー用品)http://www.babybjorn.jp/
ブルーエア(家電)http://www.blueair.jp/
ブリオジャパン(玩具)http://www.briojapan.com/
ゴットランドデザイン(赤ちゃん用シープスキン)http://gotland-design.com/
イスビョン(アウトドアウェア)http://isbjorn.jp/
株式会社ラングスジャパン(玩具)http://www.rangsjapan.co.jp/
クリッパン(ブランケット)http://www.ecomfort.jp/SHOP/82961/101811/list.html
スーリー(カーキャリア、アウトドア用バッグ、スポーツベビーカー等)http://www.thule.com/
ヴィッレヴァッラ(ベビー子供服)http://www.villervalla.co.jp/
ボルボ(自動車)http://www.volvocars.com/jp
Sweden Kids Week(スウェーデン・キッズ・ウィーク)
ホームページhttp://www.swedenkidsweek.com/
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