今年も世界や日本最新映画が集う東京国際映画祭が開催されます。会場は六本木ヒルズに加え、EXシアター六本木での上映が決定。国際フォーラムでのアニメイベントや野外上映など、新しいイベントや取り組みが予定されています。
昨年、北欧作品からは、デンマーク人さえも知らなかったという、第二次世界大戦後の衝撃の事実に基づいて描かれた物語『Land of Mine』が『地雷と少年兵』というタイトルで上映され、最優秀男優賞を受賞しました。評価の高い作品として各国の映画祭で賞を獲得しています。>>関連記事(邦題『ヒトラーの忘れもの』として、12月シネスイッチ銀座他にて公開が決定)
先日都内で開かれた記者発表では、今年度上映される全部門が発表されました。コンペティション部門には、98の国と地域から1502本もの応募があり、厳選なる審査を通過した16本が選出。
コンペティション部門の選考を担当する矢田部吉彦PDは、「今年ほど、難民や移民を取り上げた年はない。世界でいったい何が起こっているのかが反映されたラインナップ」と今年の傾向を発表。コンペ作品を通じて、世界の“今”を知ることができる作品が集まりました。
『サーミ・ブラッド』 (c)Nordisk Film Production Sverige AB
今年のコンペティション部門で上映される北欧の作品は、スウェーデン・デンマーク・ノルウェー合作による『サーミ・ブラッド』(アジアン・プレミア)。1930年代に劣等民族とみなされ、差別的な扱いを受けていたサーミの人々。自らもサーミの血を引くアマンダ・ケンネル監督によるラップランドの景色が美しい作品。
『ザ・ネオン・デーモン(原題)』 (c)2016,Space Rocket,Gaumont,Wild Bunch
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』 (c) 2016 Aamu Film Company Ltd
また、カンヌ映画祭でも話題となったデンマーク監督のニコラス・ウィンディング・レフン監督最新作の『ネオン・ザ・デーモン(原題)』が特別招待作品として披露され、同じくカンヌ映画祭で「ある視点部門」の作品賞を受賞したフィンランドの『オリ・マキの人生で最も幸せな日』が、ワールド・フォーカス部門で上映されます。
『フロッキング』 (c) 2afilm
さらには、スウェーデン映画『フロッキング』がユース部門で登場。若い世代、ティーンにもっと映画館で映画を見てもらいたい、映画に触れてもらいたいと、今年新設された部門です。
左から、松居大悟監督、蒼井優(コンペティション部門『アズミ・ハルコは行方不明』より)、青木崇高(コンペティション部門『雪女』より)、細田守監督(アニメーション特集『映画監督 細田守の世界』)
毎年注目が集まるコンペティション部門の邦画作品は、『アズミ・ハルコは行方不明』と『雪女』の2作品が選出されました。記者発表には、『アズミ・ハルコは行方不明』主演の蒼井優、松居大悟監督、『雪女』から青木崇高、今年アニメーション特集として上映される、『サマーウォーズ』や『バケモノの子』を手がけた細田守監督が登場。
『アズミ・ハルコは行方不明』で主演を演じた蒼井優は、「(声がかかったとき)タイトルを聞いて、主演なのに・・・行方不明かと(笑)。これはあまり出演がなくて楽かなと思ったけど、意外と出演がありました」と会場を笑わせ、松井監督がこだわっていた東京国際映画祭のコンペ部門に無事選ばれてよかったと笑顔。実は他の映画祭からも声がかかっていたということも明かしました。
冒頭の挨拶で、「雪女役を演じた青木です(笑)」と会場の空気を和ませた青木崇高は、『雪女』への出演について、「小泉八雲原作の古典作品を新解釈するという挑戦的な試みで楽しめた」と、ワクワクした様子で話していました。
コンペ部門審査委員長にはフランスの名匠、ジャン=ジャック・べネックス監督が就任。オープニング作品は、メリル・ストリープとヒュー・グラントが出演する『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』。クロージング作品には、松山ケンイチ主演による『聖の青春』が選ばれました。どちらも実在した人物を描いた実話によるもの。こちらもお見逃しなく。
第29回東京国際映画祭は、10月25日から11月3日まで、六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかにて開催!
第29回東京国際映画祭
開催期間:2016年10月25日(火)~11月3日(木・祝)
会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか都内の各劇場および施設・ホール
公式サイト:http://www.tiff-jp.net
チケット発売:10月15日(土)より発売