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【イベント】みんなで作る価値ある風景「Handscape展」、無印良品有楽町2F ATELIER MUJIにて開催中(10/29迄)




9月1日より、無印良品 有楽町 2F ATELIER MUJIにて「Handscape展」が開催されています。スウェーデンから、カタリーナ・ブリーディティスとカタリーナ・エヴァンスによるユニット「Studio Brieditis & Evans」の二人が来日し、彼女たちが描いた「雲」の下絵をもとに、無印良品の商品を作る過程で派生した布の端材を使って、来場者とともに会場で大きなラグを作るという参加型企画です。

9/12 (火) ~17 (日) まで、二人のカタリーナさん(Wカタリーナさん!)が来日し、会場で制作風景を公開したり、学生さんや一般の方と一緒にワークショップを開催。北欧区も会場におじゃまして、ワークショップを見学させていただきました。

限られた素材で、どのようにデザイン、創作するのか?

二人のカタリーナさんたちが取り組んでいるのは、暮らしの中で不要になった布の切れ端を継ぎ合わせて平織りした敷物を作る「Re Rag Rug」。環境保護的かつ社会学的な側面を持つ実験的デザインプロジェクトです。

織物の端材、捨てられてしまう運命にあったシャツやセーターなどを使い、価値を失ってしまったものからアップサイクルして価値のある丈夫なラグを作ること。12の技法で12ヶ月の間に12枚のユニークなラグを、織り機を使わず手だけで作る、「毎月異なる手法で1枚のラグ」という取り組みを実践してきました。会場では、12枚の「Re Rag Rug」の中から、無価値な素材にデザインがもたらす付加価値を示した実例となる2つの作品が展示されています。


端材のみで作られたラグ


今回は、無印良品の商品から出た端材を使ってラグを作ることに挑んだ二人。会場には、横幅6メートルもある大きな“キャンバス”が用意され、すでに半分ほど二人で作り上げた作品を見ることができました。

作品テーマは「雲」。雲にしたのは、端材の色を見て決めたそう。無印良品ならではのナチュラルでちょっぴりスモーキー、インテリアにも肌にも馴染むグレイッシュな色。カタリーナさんたちも大好きだという「MUJIカラー」の、柔らかなベッドリネンの生地をチョイス。空を見るたびに形が変わる雄大でドラマチックな雲を描こうといいます。



幅2~3センチほどの端切れを、上から吊るされたガーデンネットの穴に入れて結んでいくだけの一見シンプルな作業。「RYAMATTA」(MATTAはラグという意味)という、ラグに使われる北欧の伝統的な結び方で結んでいきます。絶妙なグラデーションのある雲を表現するにはかなり奥深く、大きな刺繍を施しているかのよう。

「絵を描くのと少し似ていて、一つひとつの色で全体が変わってきます。だから、離れて見ながら作業したり、つねに集中することが大事。リラックスしている暇はありません(笑)裏表同時に作業するとやりやすいかも」と、カタリーナ・エヴァンスさんが心構えとコツを伝授。

「いつも違う素材でやるので、何がどうなるかわからないし、私たちの作業は常にチャレンジング。そして常に考えながら作業しています。規則性をもたせることも大事」と、仕上がりの美しさにももちろんこだわります。



この企画は、ATELIER MUJIとしても新しい挑戦だったそうで、お買い物モードで来店しているお客さんに参加してもらえるか不安だったとか。しかし予想以上の人が気軽に立ち止まって、布の切れ端を結んでいってくれるそうです。隙間を埋めたくなるものの、全体的に空いているところにちょこちょこと結び、束でごっそりと付けるという人が少ないのは、日本のおみくじを結ぶ感覚に近いから?付け方にもお国柄が出そう。

9月14日の時点で、手前の小さい3つのネットが徐々に埋まってきてはいたものの、まだまだ隙間がありました。日々どんな雲に変化していくのか、目的だけでなくプロセスも楽しめる企画です。



ちなみに、カタリーナさん二人が手がけている横幅6メートルの作品は9月17日までに完成。ATELIER MUJIの会期終了後、11月上旬ごろよりスウェーデン大使館で展示される予定です。

小さな布の端材が、大きなアート作品に。来場者が自由に参加できるHandscape展は10月29日まで開催中。



【Studio Brieditis & Evansプロフィール】
カタリーナ・ブリーディティス(写真右)とカタリーナ・エヴァンス(写真左)によるユニット。デザイン、クラフト、テキスタイルや関連商品の開発を手がける。2003年以降、協働でプロジェクトに取り組み始める。Studio Brieditis & Evansでは、デザイン・クラフト・商品開発・製作・テキスタイルリサイクリングなどにおける双方の全ての経験を元に、新たなデザインの表現を見つけるための素材と技術をかけ合わせた実験的なプロジェクトを続けている。http://www.brieditis-evans.se/


Handscape展
開催期間:2017年9月1日(金)~10月29日(日)
※店舗休館の場合は、それに準じます。
開催時間:10:00~21:00
開催場所:無印良品 有楽町 2F ATELIER MUJI
参加費無料
https://www.muji.com/jp/events/8295/



(2017年09月25日更新)
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