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【旅行】「人」を知ることで、より深く魅力的なフィンランドを探る




11月下旬に行われたVisit Finland(フィンランド政府観光局)のプレスイベントにて、フィンランドの新たな魅力を伝えるべく、フィンランド独立100周年記念プロジェクトが発表されました。(フィンランドの独立記念日は12月6日)

独立してから最初の100年を迎えるフィンランド。それを祝うプロジェクトがどれもユニーク。その発想、アプローチはどこからやてくるのか?

真っ直ぐ真剣に挑戦し、そして、美しくカタチにしてしまう。思わず大きくうなずいてしまった「フィンランド人は極端」というキーワード。いろんな表情を持つフィンランドに人々はますます魅了され、フィンランドを訪れる人、宿泊する人共に、劇的ではないものの、顕著に増え続けているそうで、北欧全体で見ても、フィンランドがトップ。都市部だけではなく、郊外でフィンランドならではのアクティビティをやってみたいという人も増加中だとか。まずは今のフィンランドのおすすめを3つご紹介します。


フィンランド独立100周年を記念して、suomi Finland100ケーキも登場!


■フィンランドに行くなら抑えておきたい3つのこと


おすすめその① 季節は意外と「秋」が穴場

何度訪れても何か新しいと感じさせるフィンランド。季節では、冬に訪れる人が断トツ多いそうですが、意外と秋シーズンがおすすめなのだとか。ポイントとしてはまず、8月末頃から見えるオーロラ。湖面がまだ凍る前なので、空のオーロラと湖面に映ったオーロラの2つのオーロラ「ダブルオーロラ」が見られるチャンス。2015~2016年のオーロラ可視率を月別で見ると(9月~4月)、1月は55%、2月は54%に留まっていますが、9月は73%、10月は81%と、秋にオーロラがよく見られる傾向にあるそうです。また、ルスカと呼ばれる紅葉の季節は、ベリー摘みやキノコ狩りといったフィンランド人のライフスタイルを体験できるというのがおすすめの理由だそう。

おすすめその② エリアでは「RUKA村」や「Syöte(シュオテ)」

ロシアとの国境に近いRUKA村。ロヴァニエミから車で約2時間半、オウルから約3~4時間。ヘルシンキからの国内線も増便され、空港から約25分で到着。北緯65度以北でオーロラ鑑賞には最適な立地だそう。フィンランド人に最も人気のデスティネーションで、オウランカ国立公園のハイキングや氷で出来たサウナ「アイスサウナ」を楽しむ人も多いとか。また、ラップランドに近い「シュオテ」はヨーロッパ旅行客に人気のリゾート。樹氷も見られるそうです。

おすすめその③ フィンランドの人々とのふれあい

フィンランド人は、東西南北、住んでいる地域によっても全く違うと感じているそうですが、その違いを尊重しつつ、仲良く住んでいる。でも、これはみんな同じという共通点もあるそうです。自然に寄り添い、静寂を好み、森を歩いてリラックスする。自然とのつながりを大切にするところはフィンランド人に共通していえることだそう。しかし、静寂を好むと思えば、ヘヴィメタルが好きだったりと、極端な一面も。

そんなフィンランド人の魅力を、これまでと全く違う方法で伝えたいということで作ったのが、チェロメタル・バンドによる「シンフォニー・オブ・エクストリームズ(究極の交響曲)」。なんと、フィンランドの人々の遺伝子を採取し、そこから作り出されたサウンドをもとに、同国を代表するチェロメタル・バンド「アポカリプティカ」のエイッカ・トッピネンが作曲して作られました。フィンランド人らしく、クレイジーなことをやろうということで制作に至ったとか。(極端だ・・・笑)


アポカリプティカ


人々のDNAを採取して、それをサウンド化するという発想にも驚かされますが、チェロでメタルというこの大胆さ。ユニークにもほどがある!

フィンランドの人々が持つ「究極・本質への追求」「新しいものに常に挑戦するイノベーティブな精神」「さまざな分野とのコラボレーション」という、今まであまり語られてこなかった「フィンランドのDNA」を表現しているそうです。

映像は、フィンランドと日本を拠点にするクリエイティブ・スタジオ「Musuta」が担当。作曲を担当したチェロ・メタル・バンド「アポカリプティカ」のフロントマンであるエイッカ・トッピネンは、フィンランドの人々の遺伝子型から曲を作ることについて、「とても興味深い経験でした。DNAそのものに音楽性はないので、それを音楽にしていくのには時間を要しました。最終的には“リフ”の中にさえも、さまざな地域のフィンランド人のDNAが混ざり合って交響曲ができあがりました。私たちはフィンランドらしさが際立つ曲を作りたいと思っていたんです。聞いてくれる人にもそれが伝わるとうれしいですね」と、非常にやりがいのあるプロジェクトだったと話しています。


▼ミュージックビデオ「シンフォニー・オブ・エクストリームズ(究極の交響曲)」
Apocalyptica - 'The Symphony Of Extremes' (Official Video)
https://youtu.be/awOYVAQ-x4o


■自分の内なるフィンランドの故郷がわかる!

以前、Visit Finlandで、名前を入力するとフィンランド人ならどんな名前になるかというジェネレーターがありましたが、今回は、フィンランド人ならどこ出身というもの。「あなたの内なるフィンランドの故郷がわかるDNAジェネレーター」は、父親と母親が生まれた場所をローマ字で入力するだけで、自分の「内なるフィンランドの故郷」がわかるというアプリ。もしフィンランド生まれなら、どのあたりの地域に生まれたのでしょうか?(ちなみに筆者のフィンランドの故郷は湖水地方の町でした)

▼あなたの内なるフィンランドの故郷がわかるDNAジェネレーター
http://www.visitfinland.com/campaigns/dna/jp



サミ・タルベリ シェフ

この日、ハーブを知りつくすシェフ、サミ・タルベリ氏が、「シンフォニー・オブ・エクストリームズ」の曲にインスピレーションを受けて創作した料理2品を披露してくれました。

体にいいのは、自生しているもの。オーガニックのものが良いのは全世界共通。森の中の90%がオーガニック。「我々はスーパーマーケットの中に住んでいるようなもの。都心から1.6kmほど離れただけで、何か食べるものが見つかるという環境」とサミさん。

<サミ・タルベリ(Sami Tallberg)シェフが提供したメニュー>

ウェルカムドリンク
春がや、アンフィルタード(無濾過)アップルジュース、フィンランディア・ウォッカ
Sweet vernal grass, unfiltered apple juice and Finlandia vodka


(左)真鯛の刺身、シーバックソーン・ソース、ネトル(イラクサ)添え
Raw fish(Read Sea Bream) with sea buckthorn, Lapland nettle and wild horse radish
個人的に筆者が真鯛が大好物というのもあると思いますがすごく好みでした!シーバックソーンのソースが絶妙!色合いも美しい。
(右)舞茸のローストのポリポジウム(オオエゾデンタ)添え
Roast maitake with polypodium vulgare


■フィンランドってどんなとこ?――シェフのサミ・タルベリさんと写真家かくたみほさんに聞く


フィンランドでの写真撮影をライフワークとする写真家のかくたみほさんと、フィンランドを代表するハーブシェフ、サミ・タルベリさんによるトークセッションも行われました。両者の目線からのフィンランドについて教えてもらいました。


――作品づくりの際、フィンランドからどんなインスピレーションを得ていますか?


かくたさん:やわらかな光とか。夕暮れのころに見られるマジックタイム。
サミさん:朝イチで行く散歩。いろんなことを考え始める前の時間。


――フィンランドの人ってどんな感じ?


かくたさん:ラップランドのサーミの人にお世話になった。写真を撮るならとっておきの場所があると、現地の人が案内してくれたり。(季節ごとで印象に残っていることは?と聞かれ)冬はマイナス25度のイナリ湖上で犬ぞりをしたこと。夏は明るいので何時になっても写真が撮れること。


サミさん:セミナーなどでフィンランド各地を回る時に、東西南北、全く異なると感じる。共通していることは、謙虚で控えめで奥深い。深いレベルで自然と交わっている。


――思い出に残っていることは?


かくたさん:ラップランドの夏に見た真夜中の太陽。10年目にしてやっと見れた。あとは、ラップランドの湿地帯(沼)に入って写真を撮ろうとしたら、まんまと沼にはまり、膝まで入ってしまって大変だったという経験。


――ずばり、フィンランド人とは?


サミさん:決してあきらめない「SISU」という性格、謙虚、自然とのつながりを大切にする。



(2019年04月22日更新)
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