今年2018年は、スウェーデン・日本が外交関係樹立150周年を迎えます。先日スウェーデン大使公邸にて行われたプレスミーティングでは、マグヌス・ローバック駐日スウェーデン大使が、記念の年の始まりに興奮気味に挨拶。ビジネス、文化、社会・ライフスタイルなど、さまざまな面で日本とスウェーデンの関係強化を願い、一年を通して両国が交流していく主な国内の行事が披露されました。本日はその内容をお届けします。
日本とスウェーデンが外交関係を樹立したのは1868年。スウェーデンは、かなり初期の段階で明治政府と条約を締結した国の一つになります。実は、条約の締結は、ノルウェーの商人たちが日本の港を開いてほしいと願い出たことがきっかけとなったそうです。ちなみに、北欧5カ国で初めに外交関係を結んだのは順に、デンマーク(1867年)、スウェーデン(1868年)、ノルウェー(1905年)、フィンランド(1919年)、アイスランド(1956年)。
この記念の年に、次の4つのテーマを前面的に出していきたいとローバック大使。その4つのテーマというのは、①ビジネスの再発明、②ライフスタイル、③新たな社会、④若き研究者。
①ビジネスの再発明
物だけでなく、アイデアの取り引きをすること。新しいビジネスを二国間で生むこと。イノベーションが生まれやすい社会にしていくために重要なことは何か。そういった内容がテーマになったビジネスサミットが4月24日に開催されます。
②ライフスタイル
「日本ではよく聞くワードだけれど、実はいまいち“ライフスタイル”ってどういうことかわかりません(笑)」とローバック大使。「ライフスタイルって実は日本語なんじゃないの?」とも(笑)「でも、日本がスウェーデンのライフスタイルに高い興味を抱いていることがわかる」とし、同様に、日本のライフスタイルに興味を抱く若いスウェーデン人も出てきているとのこと。今年は、そんなスウェーデンのライフスタイルに触れることのできるデザインや音楽といったカルチャーイベントが開催されます。「スウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンもアニバーサリーイヤー。生誕100周年なんですよ」と付け加えました。
③新たな社会
多様性のある社会、男女平等の社会づくりのこと。「競争力を維持するためには女性の力が必要」と大使。また、スウェーデンと日本が直面している高齢化社会問題があります。1995年まではスウェーデンが高齢化率において世界1位だったそうですが、その後日本が1位の座を奪ったとか。高齢化社会やケア分野の課題についてのソリューションを考えるダイアローグイベントが2月14日に開催されます。
④若き研究者
二国間の若手研究者、科学者が集い、交流すること。それを促すイベント「ノーベルプライズダイアローグ」が3月に行われます。これは、2015年、2017年と開催されており、2018年で第3回目を迎えます。「多くの若い研究者たちが興味を持ってくれたら」と大使。
文化的イベントとして大きいものでは、「長くつ下のピッピの世界展」が、7月末より、東京富士美術館を皮切りに全国を巡回。また、スウェーデンを代表するガラスデザイナーで陶芸家インゲヤード・ローマンの回顧展となる「インゲヤード・ローマン展」(東京国立近代美術館工芸館)が9月中旬より開催されます。ロイヤル・ストックホルム・フィル来日コンサート、ジャズやフォークロアなど、9月は音楽月間となり、10~11月はデザイン月間となる予定。アートとデザインをつなぐ「DESIGNART」をはじめ、数多くのデザイン関連イベントが日本各地で開催。スウェーデンのデザインも要チェックです!
<2018年の主なイベント>
2月14日(水)
ソーシャル・イノベーション・ダイアログ『日本とスウェーデン:社会イノベーションのテストベッド』
会場:東京ウィメンズプラザ(渋谷)無料公開イベント、事前登録あり
ケアの分野(保育、看護、医療、介護、高齢者ケア)でのソフト・ハード両方のイノベーション事例を発表。
4月24日(火)
日本スウェーデン ビジネスサミット『グローバルビジネスの改革』- 破壊的イノベーションの時代を生き抜く -
会場:TBC ※業界に特化したセミナーも前後で開催予定。
7月28日(土)~9月24日(月・祝)
長くつ下のピッピの世界展~リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち~
会場:東京富士美術館 ※以後、全国各地巡回予定
アストリッド・リンドグレーンが愛娘のために作った物語『長くつ下のピッピ』。これまでにない世界最大規模の回顧展。原画はもちろん、デンマーク、エストニア他より、『長くつ下のピッピ』等の作品の挿絵原画、原稿、リンドグレーンの愛用品等、貴重な資料約200点を紹介。作品や展示を通して、スウェーデンのライフスタイルや考え方、子どもの教育などにも触れることができます。特別映像やピッピの住む「ゴタゴタ荘」を再現した大型模型も登場。
9月2日(日)~4日(火)
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽来日コンサート
会場:サントリーホール(赤坂)
日本を代表する辻井伸行との共演。ノーベル賞にちなんだ作品の演奏や150周年を記念した
ベートーヴェンの「第九」など、注目のプログラムも。
※9月は、その他、ライブハウスでのジャズセッションなど、さまざまなジャンルの音楽イベントが予定されています。
9月14日(金)~12月9日(日)
Ingegerd Råman Exhibition インゲヤード・ローマン展
会場:東京国立近代美術館工芸館
シンプルながら、ひときわ目を引く美しいフォルムとデザインで知られるガラスデザイナーで陶芸家のインゲヤード・ローマン。コスタボダ、オレフォスといった彼女自身がセレクトした代表作を中心に、イケアやスウェーデン建築家、日本でのプロジェクトなど、彼女の幅広い活動が日本で初めて本格的に紹介されます。会場構成を担当するのは注目のデザインユニット「CKR」。
10月19日(金)~21日(日)
サーカス・シルクール『リミッツ』
会場:世田谷パブリックシアター
ストックホルムを拠点に活動する現代サーカスのカンパニー、サーカス・シルクール。『リミッツ』は、迫力あふれる驚きの技とともに、ヨーロッパが抱える社会問題といったテーマが散りばめられた衝撃作。
▼「サーカス・シルクール」は、こちらのアイスランド映画に登場!
編み物は人の心を繋ぐアートだった!アイスランド映画『YARN 人生を彩る糸』
▼スウェーデン・日本外交関係樹立150周年公式ホームページ
イベント情報は予告なしに変更となる場合があります。最新情報は、スウェーデン・日本外交関係樹立150周年公式ホームページ「EVENTS」でご確認ください。
http://swedenjapan150.jp
キックオフイベントでは、ローバック大使が「広いはずなのに、今日はやけに狭く感じるね」と、ギュウギュウになった会場の前に立ち、笑顔で挨拶。その後、スウェーデンのウプサラに留学経験のある農林水産副大臣の谷合正明氏が登場。楽しげなローバック大使の表情に、「こんな大使初めて見ました(笑)」と会場の笑いを誘っていました。スポンサー企業、関係者が一堂に会し、いよいよ記念の年が始まるという高揚感に満ちた会場。谷合氏の乾杯の声「スコール!」「カンパイ!」でスタートです。
日本人の父親とスウェーデン人の母親を持つミュージシャン、LEO今井さんのミニライブもありました。新曲も披露してくださり、とっても素敵な歌声と演奏で、うっとり聞き惚れてしまいました。(もっと聞きたい!)
こちらはスヴェンスクト・テンのテキスタイルのソファでしょうか?座るだけでテンションあがる可愛いデザイン^^