HOME > What’s New > 2018年 > 2018年10月01日

【映画】今年の上映作品発表!北欧映画は?アジア最大級の映画祭「第31回東京国際映画祭」(10/25-11/3)


左から湯浅政明監督、阪本順治監督、松岡茉優さん、岸井ゆきのさん、今泉力哉監督

先週、第31回東京国際映画祭(TIFF)で上映される全ラインナップをはじめ、審査委員、各種イベントが記者発表にて披露されました。今回は、109の国と地域から1829本もの応募があり、その中から16作品がコンペティション部門にノミネート。日本からは『愛がなんだ』と『半世界』の2作品が選出されました。



ゲストとして登壇したのは、第31回東京国際映画祭アンバサダーに就任した女優の松岡茉優さん、『愛がなんだ』から、今泉力哉監督と主演女優の岸井ゆきのさん、『半世界』から阪本順治監督。さらにアニメーション特集「アニメーション監督 湯浅政明の世界」から、湯浅政明監督が登壇しました。

今年カンヌ映画祭のレッドカーペットを体験した松岡さん。カンヌの舞台に「すごかった」と感動しつつも、「映画が本当に大好きな方々が肩を組んで実行されている。その熱量を感じます!」と、東京出身ということで、やはり東京国際映画祭推し!遊びの場であり、学びの場である六本木が映画祭のステージになることが楽しみな様子。


『半世界』 ©2018「半世界」FILM PARTNERS

「荷造りが苦手なので近くの映画祭に呼んでもらえてよかったです」と会場の笑いを誘ったのは、コンペ部門に選出された『半世界』の阪本監督。『半世界』は、コンペ部門の(何も見ずに全16本解説するという名物PDの)矢田部氏によると、「現代人の心に突き刺さってくる、今年のコンペ部門を象徴する作品」と評されました。

稲垣吾郎さんを主演の完全オリジナルストーリーで、40歳目前の男3人の目線を通じて希望を描くヒューマンドラマ。稲垣さんを抜擢したのは、「炭焼き職人の話をいつかやりたくて。吾郎さんがやると面白いんじゃないかと思った」とのこと。土のにおいがするものを、あえて稲垣吾郎さんにやってもらいたかったようです。


『愛がなんだ』 ©️2019映画「愛がなんだ」製作委員会

『愛がなんだ』は、強力な愛の力を感じる「一方通行の恋=片思い」を考察する可笑しくも切ないラブストーリー。今泉監督は、「他の国の作品と一緒に並んで見ていただけるというのはとても嬉しいですね」とコンペ部門選出に喜び、主演の岸井さんも、「これまで別の部門で呼んでいただいてました。今回コンペ部門ということでとても嬉しいです。作品も普遍的なテーマなので世界の方々に見ていただければ」とコメント。



また、アニメーション特集上映として今年の顔に選ばれたのは湯浅政明監督。「若い頃の作品は奇抜、今はみんなと感動を共有したいと思うようになった」と振り返っていました。初期から現在の代表作まで網羅。「いろんなことをやっている人だと思われると思いますが(笑)、通して見てみてると共通点があると気づく人がいるかも」とのこと。ぜひコンプリートしてみてください!




アニメーション監督 湯浅政明の世界©2017 ルー製作委員会 ©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 ©2004 MIND GAME Project ©Go Nagai-Devilman Crybaby Project ©Genius Party ©2012 Masaaki Yuasa, Production I.G © 2014 BONES/Project SPACE DANDY TM & © 2018 Cartoon Network. A WarnerMedia Company. All Rights Reserved. ©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK © (株)さくらプロダクション/日本アニメーション 1992 ©四畳半主義者の会 ©松本大洋/小学館 ©松本大洋・小学館/アニメ「ピンポン」製作委員会 ©2008 湯浅政明・マッドハウス/カイバ製作委員会


お待たせしました!ここで、今年コンペティション部門に選出された北欧の作品をご紹介します!


『氷の季節』(デンマーク) ©Nordisk Film Production

デンマークのマイケル・ノアー監督作『氷の季節』がノミネートされました。この作品の舞台は19世紀のデンマークの農村地。極貧にあえぐ農家の主は、娘を裕福な地主と結婚させて貧困からの脱却を図ろうとしますが…。現代に通じる格差社会を描いたドラマになっています。

矢田部PDによると「デンマークは、2010年代、若い層の監督たちが台頭。中でも、マイケル・ノアー監督は、厳しいリアリズムを得意としている監督。大変見ごたえのある作品」と解説。主演は、ノルウェー映画『ヒトラーに屈しなかった国王』で悩める国王、ホーコン7世を演じた名優イェスパー・クリステンセンです。

▼こちらもぜひ
【特集】大きな挑戦だったのは「正しく撮る」ということ――映画『ヒトラーに屈しなかった国王』エリック・ポッペ監督インタビュー

コンペティション部門の審査委員長は、『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ国際映画祭監督賞、『ローサは密告された』で同じくカンヌ映画祭主演女優賞を受賞した、フィリピン映画界を牽引するブリランテ・メンドーサ監督。また、女優の南果歩さんを含む5名が審査員を務めます。

今年はクロージングの前日の11月2日(金)に授賞式が行われます。どの作品がTIFFを制すか?!


『イングマール・ベルイマンを探して』©Börres Weiffenbach

北欧の作品では、世界が注目する秀作・傑作を集めた「ワールド・フォーカス部門」(全15本)で、多くの映画人に影響を与えてきた映画監督、イングマール・ベルイマン生誕100周年を記念したドキュメンタリー『イングマール・ベルイマンを探して』が上映されます。監督はドイツのマルガレーテ・フォン・トロッタ監督。当時の関係者の証言から、リューベン・オストルンド監督など、現在活躍する監督へのインタビューもあるそうです。

▼こちらもぜひ
2018年は、多くの映画人に影響を与えたイングマール・ベルイマン生誕100周年!
【特集】各国の映画祭を席巻!スウェーデン映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』リューベン・オストルンド監督インタビュー


オープニング上映は、レデイー・ガガとブラッドリー・クーパーによる話題作『アリー・スター誕生』(アメリカ)、GALAスクリーニングとして、堤幸彦監督作で篠原涼子主演の『人魚の眠る家』、クロージングは、『GODZILLA』シリーズアニメーション映画最終章となる『GODZILLA 星を喰う者』が披露されます。

10日間で約200本の映画が上映される東京国際映画祭。期間中は、無料野外上映やミッドナイト上映、6つの文化イベントとのコラボ企画など、これまで映画祭に足を運んだことのない人でも参加できるイベントも盛りだくさん。世界中から多数来日するゲストのQ&Aやトークショーなども映画祭ならでは。六本木ヒルズを中心に、今年は東京ミッドタウン日比谷でも初めて野外上映が開催されるなど、東京が映画で彩られます!


第31回東京国際映画祭
開催期間:2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)
会場:六本木ヒルズ(港区)、EXシアター六本木 他
公式サイト:http://www.tiff-jp.net


(2018年10月02日更新)
このページの先頭へ