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【映画】電話越しのわずかな情報で、事件の解決に挑む『THE GUILTY/ギルティ』(2/22公開)



2月22日公開となる、衝撃の映画『THE GUILTY/ギルティ』をご紹介!

スウェーデン・ヨーテボリ生まれでデンマーク国立映画学校を卒業した新鋭、グスタフ・モーラー脚本・監督作。本作が長編デビュー作とのことですが、なんと、第34回サンダンス映画祭観客賞、第47回ロッテルダム国際映画祭観客賞/ユース審査員賞、第44回シアトル国際映画祭監督賞の受賞など、世界中の映画祭を席巻。

また、デンマーク映画界の名だたる監督を抑え、今年の第91回アカデミー賞外国語映画賞のデンマーク代表作品に選ばれた話題の映画です。(2月24日にハリウッドで行われるアカデミー賞授賞式の最終ノミネート候補には残れませんでしたが、映画界をざわつかせたことには間違いないと思います!)



舞台は、デンマーク警察の緊急通報指令室(112番)。分刻みにかかってくる通報に日々応対するオペレーターの主人公アスガーは、実は訳あって現場を離れ、ここに配属されました。ある日、女性から泣きながら「誘拐された」という1本の通報を受け、悪い予感を抱いたアスガー。次から次へと来る他の通報を押しのけ、オペレーターとして、本来ならば追わずに終えるべき仕事にも関わらず、その女性の通報の行方に徐々にのめり込んでいきます。

物語が進むごとに、電話の向こう側だけでなく、主人公アスガー自身の人物像やバックグラウンドもじわじわと浮き彫りに。たった90分弱の時間内に、人の愚かさや現代社会の深い闇が巧みに描かれています。

ひと言でいうと、本当にユニーク、そして上手い。一人芝居のような形で、画面にいるのはほぼ主人公のみなのに、ずっと前のめりな状態に陥ってしまいました(笑)頼りは、主人公の声と表情と電話から聞こえる声や音だけ。見ている側も最初からあらゆる想像力を駆使して推測していこうと、自然に映画の中に引き込まれていきます。

「同じ音声を聞いているのに、聴く人によって思い浮かべるものが異なるという点に惹かれた」というモーラー監督。電話越しの音と声だけで、視覚的な情報が全くない中で、我々は劇中にある様々な音に神経を集中させ、主人公と共に犯人を追跡。このなんともいえない新鮮で刺激的な映像表現は、新しい映画の楽しみ方といえます。そして最後は、衝撃的な結末へと導かれていきます。


デンマークの警察は112番(日本は110番ですが、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランドも警察は112番)


苦悩の警察官、アスガーを演じたのは、デンマークのトマス・ヴィンターベア監督による人間ドラマ『光のほうへ』(2011)にも出演したヤコブ・セーダーグレン。2月3日にコペンハーゲンで開催されたデンマークの映画賞「ロバート賞」授賞式にて、本作で最優秀主演男優賞を受賞しています。

北欧らしさを感じるナチュラルで押しつけがましくない演出、緻密なストーリー展開、この映画の重要な要素となるサウンドデザイン。これほどシンプルな設定で、見ている側にいろんな選択肢と可能性を持たせてくれる作品って、なかなかないのではないでしょうか。

人間が聴覚から得られる情報はわずか11%だとか。犯人は、音の中に。新感覚のサスペンスを体験したい方はぜひ!

『THE GUILTY/ギルティ』は、2019年2月22日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開!

【ストーリー】
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルムは、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。彼に与えられた事件解決の手段は電話だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。





THE GUILTY/ギルティ
原題:The Guilty/2018年/デンマーク映画/88分
出演:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー
脚本・監督:グスタフ・モーラー
配給:ファントム・フィルム
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ
https://guilty-movie.jp/
© 2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

2019年2月22日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開!






(2019年02月07日更新)
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