3月5日(火)から8日(金)まで、幕張メッセにて開催された国際食品・飲料展「
Foodex Japan 2019」。フィンランドの食品産業振興策の一環として実施されている「Food from Finland」に参加する企業が来日し、「ナチュラルな美味しさ」をテーマに、フィンランドパビリオンが設けられました。フィンランドのほかに、スウェーデンやデンマークの食品を紹介するパビリオンもあり、北欧の食品企業が数多く見られたようです。
Foodex前にプロモーションの一環として、フィンランド大使館にて、きれいな空気と水、土で育てられたフィンランドの食材や食の文化、Foodex参加企業を紹介するイベントが関係者向けに開催されました。多忙な中、フィンランドより、アルト・ラスタス(Arto Rastas)シェフが今年も来日。フィンランドの食材を使った料理が振舞われました。
フィンランドの食材、さらに進化しています。まだまだ日本にはないフィンランドならではの食材はあっても、どういうシーンで使えばいいのか……?それを、Arto Rastasシェフが見事なアプローチで料理に落とし込んでくれました。どれも美味しく、日本人の口に合うものばかりでした。その模様をお届けします。
Arto Rastas(アルト・ラスタス)シェフ
ハチミツやシュガー、ソルト、ソース、チーズ、紅茶、ビールなど、そのままでも美味しいけれど、素材を引き立てる調味料としても大活躍!
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Helsinki Mills(ヘルシンキ製粉)1934年設立のフィンランド随一穀類生産者でオーガニックシリアル製品メーカー。フレークやポリッジ製品、小麦粉、パンや焼き菓子、朝食シリアル、ビスケット、チップスなど、オーガニックであることはもちろん、グルテンフリーにもこだわった食材を作っています。
<使用された料理>
ミューズリーのクリスピーキャペツサラダ、タラゴンドレッシング
ムーミンパンケーキ、ホイップクリームとMettäのリンゴンベリーバーチシュガー添え
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Hunajainen SAM(フナヤイネンサム)30年間、養蜂に情熱を捧げ、純粋で高品質なハチミツを生産する老舗ハチミツメーカー。生ハチミツのほか、腸内環境を整え、美容と健康に良いと注目のバーチウォーター(白樺の樹液)も扱っています。バーチウォーターはほんのり甘さを感じる、さらさらとしたまろやかな水のようで飲みやすい。
<使用された料理>
白樺の樹液割りウォッカにハチミツ、ブルーベリー添え
ムーミンの個包装のミニハチミツはお土産にしたい!
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Hunajayhtymä(フナヤウフトゥマ)フナヤウフトゥマの「フナヤ」とは、フィンランド語で「はちみつ」。フナヤウフトゥマは1969年、養蜂家たちのグループにより設立されました。契約養蜂家から買い取られたハチミツは、フナヤウフトゥマで容器詰めされた後、卸売ディーラーに販売されます。
こちらのブルーベリーのハチミツが新商品として登場したそうなのですが、ほんの少量でもすごく濃厚。ハチミツがガツンと来て、最後の最後に、ほんのりとブルーベリーが口の中に残るという。こちら注目です。
<使用された料理>
Nord T Sunset at Noonの紅茶プリン、ブルーベリーハニーソース(上品で美味でした!)
アアルトベースのようなデザインの小さな器に入ったプリン。ラスタスシェフのデザートは甘いものが苦手な方でもさっぱりといただけるものが多く、いつも新鮮な美味しさを提案してくれます。筆者もすっかり、シェフのデザートのファンです。
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ひかり味噌(HÄRKIS/ハーキス)2016年にフィンランドで誕生した、そら豆が主原料となった次世代フード「HÄRKIS™(ハーキス)」。健康で持続的な野菜中心の食生活へシフトチェンジしていく上での手助けになる食品として注目を浴びています。フィンランド国内でのブランド認知度は2年間で79%へ。
<使用された料理>
グリルしたキュウリとHÄRKISミンスドビーンディル風味、マスタードシードビネグレットソース
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Finnish Cheese Company(フィンランドチーズコンパニー)2004年、フィンランドのチーズ作りの伝統を持つJämsä市に設立。幅広い商品群を持つフィンランドのチーズメーカー。クロラッパタケのチーズスプレッドは、2016年ベストチーズ・イン・フィンランド賞を受賞。オート麦ミルクで作ったヴィーガンクリームチーズや、ココナッツ、カシューナッツ、オーツを材料にしたビーガン向けチーズ代替品カマンベールも、風味はまさにそのままカマンベールチーズでびっくり。美味しいです。
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Laitilan Wirvoitusjuomatehdas(ライティラン クッコ・ビール)
厳選された大麦とホップに、フィンランドのピュアな天然水を使った国内最大のクラフトビールメーカー。大麦を使用した100%グルテンフリーのビールです。エール、ラガー、ピルスナー、IPA(インディアペールエール)をはじめ、豊富な種類のビールが味わえます。また、こちらのドリンクは全て、風力・太陽光発電による電力で製造。環境に配慮したビールづくりに励んでいます。
<使用された料理>
Mettäのポルチーニソルトのビーフマリネ、Laitilan Kukkoダークビールのマヨネーズ、リンゴンベリー、チャイブ添え
Snellmanの豚トロとクリスピーベーコン、Laitilan Kukko Schwarzビールのダークソース
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METTÄ(メッタ) <Helsinki Wildfoods/ヘルシンキ・ワイルド・フーズ>
2015年、森で採集生活を送るフィンランド国民の大切な伝統を受け継ぐために、二人の女性が設立。フィンランドの森で収穫したハーブ、ベリーやキノコで作るソース、ペースト、ハーブ塩などを作っています。
<使用された料理>
Mettäのネトルペースト、ブレッドチーズの和え物とローストビートルーツ
ムーミンパンケーキ、ホイップクリームとMettaのリンゴンベリーバーチシュガー添え
写真左のピンク色の調味料が、リンゴンベリーバーチシュガー。パンケーキにこれを振りかけるだけで、ムーミンパンケーキの出来上がり。手前は、Vaalan Juustolaブレッドチーズ、クラウドベリージャムとバタースコッチ添え。
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Nord-T(ノードティー)自然が好きな創業者により、2015年からフィンランドの森の静けさを届ける小さな会社。中にフィンランドの森が詰まっているような香り豊かなお茶は、100%オーガニックで無添加。森で収穫したベリーとハーブのブレンドティー。
<使用された料理>
Nord T Polar Night Cap茶葉添えサーモンとラディッシュピクルス
Nord T Sunset at Noonの紅茶プリン、ブルーベリーハニーソース
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One Eyed Spirits(ワンアイドスピリッツ)小麦とライ麦のバランスが良いオーガニックウォッカ(アルコール度数40)は、「トム・オブ・フィンランド」デザインのボトルで人気。また、かつてフィンランドでも人気を誇ったという米国のポルノ男優Ron Jeremyの顔をあしらったラム「RON de JEREMY RUM」(アルコール度数47)は上品な味わいで、カクテルにも料理にも使いやすそう。
この2つのデザインボトルが家にあったら、かなりクセが強いと思いますが(笑)、かっこいいですよね。ギフトにも人気だとか。
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Oy Snellman Ab(スネルマン)1951年創業の家族経営会社。契約農家から仕入れた2200の豚肉や牛肉の食肉の加工を、最初の加工段階から消費者へ届くまで品質優先で手がけ、様々な種類のソーセージ等の加工品を得意とするフィンランド食肉業界の大手。
フードに詳しく、この日解説をしてくださったフィンランド大使館の木村正裕さんもおすすめする食肉会社で、サラミを中心に、特殊な品種のポーク、ブイヨンなどを扱っています。こちらのポーク、ジューシーで凄く美味しかったです。
<使用された料理>
Snellmanの豚トロとクリスピーベーコン、Laitilan Kukko Schwarzビールのダークソース
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TwoDads Oy(トゥーダッズ)創業者は、子供を持つ2人の父親。食品業界で働いていた二人は自分たちの子供ができたときに、子供の健康を考えて作られている商品がマーケットにないことに気付き、子供が安心して食べられるような商品を開発しました。
約半分が砂糖という某大手メーカーのシリアルと比較すると、こちらのシリアルの中で使われている砂糖は約8%。全て低糖で作られています。スムージーやジュースの種類も豊富で、筆者のおすすめは、ブルーベリー&バナナのスムージー。ヘルシンキ大学や専門医、食品科学者の協力のもと、フィンランドで開発されています。
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Vaalan Juustola(バーランユーストラ)フィンランドの伝統的なおもてなし料理であるLeipäjuustoという焼きチーズ専門のチーズメーカー。チーズ作りに利用されている牛乳は近くの農家から仕入れています。キシキシとした独特な食感。サラダ、またはデザートにベリーと一緒にいただくのもおすすめだそう。
<使用された料理>
Mettäのネトルペースト、ブレッドチーズの和え物とローストビートルーツ
Vaalan Juustolaブレッドチーズ、クラウドベリージャムとバタースコッチ添え
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