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【レポート】サウナ発祥のフィンランドは大使館にもサウナ!リニューアルした駐日フィンランド大使館のサウナに潜入




駐日フィンランド大使館の館内にあるサウナのリニューアル工事が終了したということで、先月メディアにお披露目!ピッカピカの大使館自慢のサウナに潜入させていただきました。

ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使は、「時間をかけて、大使館のサウナを改修してきました。これまでにない、とても素敵なものに仕上がった」とアナウンス。

新しいサウナが出来たよ!見に来て!というところが、フィンランドのサウナ愛を感じますよね。サウナを見せていただいただけでなく、サウナとセットで楽しみたいフードの紹介や体験もありました。

さらに、どうしてフィンランド人にとってサウナは大切なものなのか、フィンランド人のコアの部分にあるサウナの存在とは一体何なのか。オルパナ大使やマルクス・コッコ参事官からお話を聞くことができました。 

フィンランドの社会は、
サウナに支えられている?!

世界で最も使われているフィンランド語「サウナ」。サウナは生活するうえで、非常に大切なものだという意識はもはや遺伝子レベル?!日本の温泉文化にも通ずるサウナは、日本人にとっても親近感があり、日本でも近年ますます人気に。

古代フィンランドでは、熱した石に水をかけて蒸気を発して楽しむ「ロウリュ」というサウナが登場。その後、スモークサウナが作られました。サウナの中を煙でモクモクにし、すすだらけで室内も暗くなるというスモークサウナ。現代はその数が減少し、希少なものになってきているそうです。オルパナ大使によると、スモークサウナは、「煙や薪の香りがシャワー後でも残っている」とのこと。スモークサウナならではのレアな体験ができそうですね。

フィンランドは人口約560万人の国ですが、サウナの数がなんと約300万あるそうです。国内の自動車の数より多いとか!だいたい一世帯に一つはあるそうで、一般的なのは、電気であたためるサウナ。会社、ホテル、国会内にあるというのも有名な話。「フィンランドの民主主義がうまく機能しているのは、サウナのおかげなのではないかと思います」とオルパナ大使。


「とても素敵なサウナに仕上がりました」と、ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使。


政界やビジネスのトップがサウナに入り、交渉をうまくまとめることができたりすることも実際にあるそう。サウナ外交(※)とも呼ばれ、政治でもビジネスでも効果的に利用されているようです。ユニークな空間で、互いに裸になり、平等さや公平さが生まれること、また、ミストに包まれることで、頭がすっきりし、ビジョンがよりはっきりとしてくるのかもしれません。

サウナがリニューアルされたことで、日本でもサウナ外交をスタートさせるために、今後招待ベースのサウナナイトを開催するといった「Saunailta(サウナイルタ〔サウナの夕べ〕)- Finnish Diplomatic Sauna Club」を発足。フィンランド大使館のサウナに入ると証明書がもらえます。

※アメリカ・ワシントンの駐米フィンランド大使館内にあるサウナが一番大きいのだそう。ソ連の政治家とフィンランドの政治家が難しい局面を緩和するために、サウナが大きな役割を果たしたというエピソードも。


サウナ証明書見本


クールオフも含めてサウナ。
時間を忘れて、楽しむこと。

サウナというテーマで話をするのが嬉しいと目を輝かせるのは、コッコ参事官。「サウナはフィンランド人のアイデンティティ」と、プライベートを交えながら話してくれました。

東フィンランドのサイマー湖の近くに、2つサマーコテージを所有しているコッコさん。まず、理想的なサウナとしては、「自然の中にあること」、「湖や海など、水の近くにあること」のほかに、季節はやはり「夏がいい」と、サウナをエンジョイしているそうです。息子さんがサウナデビューしたのは、生後4カ月。フィンランドでは特に珍しいことではないようです。家族や友人、同僚と一緒に社交の場として、また、一人で瞑想したり。

サウナというと、「熱さ」に注目されがちですが、「その後のクールオフも大事。サウナの中に入っている時だけでなく、何度か繰り返すことも全部ひっくるめてサウナ」とコッコさん。 


© Petri Asikainen for Embassy of Finland
サウナ後にバルコニーでくつろぐフィンランド大使館スタッフの皆さん。大使用サウナの階にはバルコニーがあります。(座っているのは、フィンランドの木製家具ブランド「エコファーン」のチェア。ロープで木材を結んだだけの椅子なのですが、ハンモックのようにふわりと心地よく座ることのできる不思議なリラックスチェアです。





サウナフードやドリンクもマスト!アウトドアやキャンプと同じく、焚き火で作れるようなものを楽しみます。最も多いのが「マッカラ」。サウナ上がりには、焼いたソーセージとキンキンに冷えたビールが人気。(アルコール度数が低めの日本のチューハイのようなお酒「ロンケリ」も!)

観光でヘルシンキを訪れた際には、ヘルシンキの中央に誕生した公衆サウナ施設「ロウリュ ヘルシンキ」もおすすめだそう。3つの薪のサウナ(うち1つがスモークサウナ)があり、屋外でも屋内でもゆったりと過ごせるスポットになっています。

もちろん、冬のサウナも良し。氷の湖へドボン!水がなければ、雪の中へダイブ!大事なのは、「時間を忘れて、楽しむこと」。(冬の湖は、頭や手先足先などの末端を冷やさないよう、ニットの帽子や手袋、靴下を準備しましょう)


大使用サウナでロウリュ体験!石に水をかけるとシュワ~という音と共に、蒸気と熱気が!少しだけでもすごく気持ちいいです。大使館のサウナは電気式。約30分ほどで室内は90度ほどに達するそう。(チラリと見えるのは、Hukka Designのポイントマッサージストーン。我が家にも居ます^^)


商務部の沼田晃一さんは、各地でサウナイベントが開催されたりと、ここ数年見られる日本国内でのサウナ熱についてや、フィンランドにある珍しい面白サウナなどを紹介。例えば、ゴンドラが丸ごとサウナになっているゴンドラサウナ、ボートがサウナになっているボートサウナなど。ユニークなのが、バスの中がサウナになっている移動バスサウナ。バスを止めて雪上に転がってクールダウンするという、サウナだけのサウナツアーもあるとか!

また、バーガーキングの地下にサウナ、刑務所にもサウナなど、サウナがない場所を見つけるほうが難しいというお話も。ちなみに、電車の中にもかつてサウナがあったそうですが、現在はなくなったそうです。

フィンランド大使館での熱いサウナトーク。フィンランドを訪れた際には、サウナを通じてフィンランドの人と交流したり、物事を見つめてみてはいかがでしょう。また新たな発見がありそうです!

それでは、大使館のサウナをビジュアルでご紹介!
大使用サウナと職員用サウナがあります。職員用サウナなんて羨ましい……!



大使用サウナ。真ん中にある葉っぱの束は、白樺で作られるヴィヒタ。これで身体を軽くパシパシと叩くと、血行が促進されます。

サウナヒーターは、フィンランドのTulikiviのもの。

大使用サウナ。ヒノキの香りが心地よいです。

大使用サウナのシャワールーム。

大使用サウナ外のラウンジルーム。家具はアルテック。チェアは小さなアームレストが可愛いドムスチェア。飾られている写真は、フィンランド最古のサウナのひとつを撮影したもの。


職員用サウナの更衣室。カーテンはイヴァナヘルシンキ、タオルはフィンレイソンのものも。

職員用サウナは、毎週1回、男女交代で利用するそうです。

© Petri Asikainen for Embassy of Finland(下から2番目以外) 




(2019年05月14日更新)
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