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【映画】母国フィンランドの為に戦う無名兵士の物語『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』(6/22公開)




『4月の涙』(2011年5月公開)のアク・ロウヒミエス監督作


ソ連との“冬戦争”を1940年に終結したフィンランドですが、カレリア地方を含む広大な国土をソ連に占領されました。1941年、国土回復を掲げ、フィンランドはドイツと手を組み、再びソ連との“継続戦争”を開始。本作はその継続戦争で戦う無名の兵士たちを描いたもので、フィンランドで知らない者はいないと言われるヴァイノ・リンナの小説「無名戦士」が原作となった作品です。

主人公は、一機関銃中隊配属の熟練兵ロッカ(エーロ・アホ)。ロッカは家族と農業を営んでいますが、冬戦争で土地をソ連に奪われてしまい、領土を取り戻すために最前線に繰り出します。また、婚約者とヘルシンキで式を挙げてすぐに戦場へ向かう若き小隊長カリルオト(ヨハンネス・ホロパイネン)をはじめ、4名の兵士に焦点を当てて物語が展開されます。



それぞれ守りたいもの、帰りたい場所のために、ソ連との旧国境を超え、銃弾が舞う中で果敢に戦い続ける兵士たち。家族や恋人とのひととき、仲間とのちょっとした交流に安らぎを感じたと思ったら、息つく暇もなく緊張が走ります。最前線で踏ん張る兵士達の目線で、当時の様子が緻密に繊細に描かれています。

本作は、1918年の内戦で出会った敵同士の男女を描いた『4月の涙』(2011年5月公開)のアク・ロウヒミエス監督作。『4月の涙』でも描かれた、フィンランド人の献身的で真っすぐな心、忠実な姿勢とともに、この作品は、フィンランド人の中に眠る不屈の精神といった強さを感じさせます。



主演ロッカを演じたエーロ・アホは、『4月の涙』に出てくる重要人物を好演し、主人公アーロを演じたサムリ・ヴァウラモも本作に出演しています。ヴァウラモは、『オンネリとアンネリ』シリーズで、アイスクリーム屋さんやガソリンスタンド屋さんを演じたフィンランドの人気俳優です。(幅広い!)



現在フィンランドは、デザインや福祉の国、物静かで自然をこよなく愛し、幸福度指数ナンバーワンと呼ばれる国。その穏やかで美しい森や湖で、銃弾が飛び交い、爆発音が鳴り響き、多くの血が流れた過去があります。彼らはどのようにして、今のフィンランドを作り上げてきたのか。

これまで日本ではなかなか知ることができなかったフィンランドの歴史を知ることで、さらにフィンランドへの理解が深まる機会になるのではないでしょうか。



ちなみに、1テイクに使われた爆薬の量が、ギネス世界記録に認定されたという本作。そのリアルすぎる戦闘シーンも話題になっています。『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』は、2019年6月22日(土)より新宿武蔵野館にて全国順次公開!



アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場
監督・脚本:アク・ロウヒミエス『4月の涙』
撮影:ミカ・オラスマー『アイアン・スカイ』
出演:エーロ・アホ(『4月の涙』)、ヨハンネス・ホロパイネン、アク・ヒルヴィニエミ、ハンネス・スオミほか
2017年/フィンランド/フィンランド語/カラー/132分(インターナショナル版)/原題:Tuntematon
配給:彩プロ
http://unknown-soldier.ayapro.ne.jp/

ⓒELOKUVAOSAKEYHTIÖSUOMI 2017

2019年6月22日(土)より新宿武蔵野館にて全国順次ロードショー




(2019年05月22日更新)
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