「サ活」や「サウナー」、「ととのう」といったサウナワードが飛び出し、日本でも空前のブームになっているサウナ。本日は、SNSなどでもちょこちょこと触れていた来月公開となるフィンランドのドキュメンタリー映画『サウナのあるところ』をご紹介します。フィンランドでなんと1年以上のロングラン上映となった本格サウナ映画です!
フィンランド×シャイなおじさんたち×サウナ×ドキュメンタリー
今年は、日本・フィンランド外交関係樹立100周年を記念するイベントをはじめ、映画でも、フィンランドの歴史の一部や本質に迫る内容の作品がぞくぞくと公開されています。『サウナのあるところ』もまた、フィンランドの人と、彼らの暮らしに欠かせないサウナという象徴的な文化にスポットを当てたもので、大変ユニークで興味深い内容になっています。
監督の一人、ヨーナス・バリヘルは、なぜサウナを舞台にしたドキュメンタリーを作ろうとしたのでしょうか。きっかけは、タンペレの公衆サウナにいた、ある2人のプライベートな会話からだったそうです。彼らは会話が周りに聞こえているかなんて気にもかけず話していたそうで、「サウナは、フィンランド人男性が心の底からの気持ちを話せる稀な場所なんだ」と感じ、共同監督のミカ・ホタカイネンと映画にしようと思ったのだそうです。
フィンランドの普通のおじさんたちが(裸で)ぞくぞくと登場し、サウナで語り合う姿が映し出され、それをスクリーンで見るという。それだけでかなりユニークなのですが、その語りの中には、彼らの奥底にある深い悲しみや痛み、後悔など、それはそれはデリケートなものばかり。
彼らはなぜサウナの中で、涙を流しながら自分を語り始めるのでしょうか。サウナのあるところには、いったい何が潜んでいるのか――。
本作では、一人静かに自分に戻る、“ととのう”場だけでなく、人と繋がっているという絆を純粋に感じることができるサウナの魅力が描かれています。フィンランドの人々のそばには常に、サウナ。幸福度ランキング1位の秘密はサウナにあり!?
また、普段フィンランドの人がどうサウナに親しんでいるのかも見どころのひとつ。とても自然体に描かれています。キャンピングカーのサウナ、トラクターのサウナ、電話ボックスのサウナなども登場。本作には出てこないですが、フィンランドには空中で楽しむ(!)ゴンドラサウナなんてのもあります。箱型のものであれば、サウナが完成?!(日本でもこの夏、白馬でゴンドラを使ったサウナが登場!※ただしゴンドラの乗り物を利用したサウナで、動かないようです。会場にはテントサウナも!)
筆者もこの夏訪れた宿で、2カ所もフィンランド式サウナに出合いました。自分でサウナストーンにジュワ~と水をかけられないタイプですが、薄暗い室内でじんわりと蒸気に包まれて気持ちよかったです^^
フィンランド人にとって、サウナは神聖な場所。というのは耳にしていたけれど、彼らにとって、想像以上に特別な場所なんだということを再認識。サウナは、自分と向き合えて、他人に寄り添えて、気持ちを分かち合えるところ。
裸のフィンランドのおじさんたちの話を、思わず前のめりで聞き、うんうんと頷く自分の目からは思わず涙が。いや、それは汗か。我々も心につっかえたものを溶きほぐし、蒸気とともに洗い流したいですね。日本でも気軽にサウナを楽しめる場所が増えてきていますし、フィンランドを訪れた際には、ぜひともサウナもスケジュールに入れてみてはいかがでしょうか。
『サウナのあるところ』は、2019年9月14日(土)、アップリンク渋谷ほか全国順次公開予定!
サウナのあるところ
監督:ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタカイネン
2010年/フィンランド/フィンランド語/ドキュメンタリー/81分/原題:Miesten vuoro/英題:Steam of Life
後援:フィンランド大使館、公益社団法人 日本サウナ・スパ協会
提供・配給:アップリンク + kinologue
https://www.uplink.co.jp/sauna
予告編:https://youtu.be/v6-L4i2n7P8
2019年9月14日(土)、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
©2010 Oktober Oy.
<関連イベント>
映画『サウナのあるところ』公開記念トークイベント
フィンランドと日本の “サウナのあるところ”
日時:2019 年8月29日(木) 18:30~19:30(開場18:00)
会場:Artek Tokyo Store(渋谷区神宮前5丁目9−20 1F・B1F)
定員:40名限定
参加費:2000円(税込)
※映画『サウナのあるところ』鑑賞券(1枚)つき。
登壇者:マグ万平さん(プロダクション人力舎/フィンランドサウナアンバサダー&熱波師)
申込み:https://sauna0829artek.peatix.com/view