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【イベントレポート】歴代ノーベル賞日本人受賞者が祝福!吉野彰さん、ストックホルムのノーベル賞授賞式へ



2018年のノーベル賞授賞式 © Nobel Media AB 2018. Photo: Nanaka Adachi

いよいよ12月6日より、ノーベル賞受賞者がストックホルムに集結(平和賞はオスロ)し、ノーベルウィークがスタート!スケジュールとしては、受賞者による記者会見から始まり、それぞれのノーベルレクチャー(記念講演)が行われた後、授賞式と晩餐会という流れになります。

ノーベル平和賞を除くノーベル賞5部門の授賞式と晩餐会は、毎年アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日にスウェーデンのストックホルムで行われ、ノーベル平和賞はノルウェーのオスロで授与されます。受賞者には、賞金の小切手、賞状、メダルが贈られます。

2019年は、旭化成株式会社名誉フェローの吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞。記念講演や授賞式、晩餐会などに出席します。先週、ペールエリック・ヘーグベリ駐日スウェーデン大使夫妻主催の祝賀会がスウェーデン大使館公邸にて開かれ、吉野さんの受賞を称えるべく、白川英樹さんや山中伸弥さん、天野浩さんなど、歴代のノーベル賞日本人受賞者が集いました。


吉野彰さんご夫妻(左)と、1973年に日本人として4人目となるノーベル賞物理学賞を受賞した江崎玲於奈さんもご夫妻(右)で祝賀会会場に。


2カ月前に駐日大使として着任したばかりのヘーグベリ大使は祝賀会冒頭で、「吉野先生、受賞おめでとうございます!今日は科学、イノベーション、そして将来を祝う会です」と挨拶。

「スウェーデンと日本は外交関係樹立150周年を迎え、非常に良いパートナーシップ関係にあり、昨年、両国が研究とイノベーションを深める共同宣言に署名したことを嬉しく思います。また両国は、研究とイノベーションを重視しており、GDPの3.3%を研究開発の投資に充てているという点も非常に似ています。これは将来にとっても、非常に大事なこと」と話した後、「日本はノーベル賞において非常に優秀な成績を収めていますが、吉野先生は、日本で何番目のノーベル賞受賞者になりますか?」と、いきなり質問を振った大使。吉野さんは動揺することなく、「28番目ですね」と即答(化学賞では8番目)。さすが!


ヘーグベリ駐日スウェーデン大使と吉野さん。二人でハイタッチする姿もあり、報道陣から「今のもう一回!」とリクエストされる場面も。


また、「科学やイノベーションを企業とどうやって結び付けていくかが重要。ちょっと自己中心的かもしれませんが、いつか、日本とスウェーデンでノーベル賞を受賞できたらいいですね」と大使。

最後に、来春より、東京からストックホルムへ直行便(ANA)が飛ぶことにも触れ、「来年のノーベル賞受賞者は、直行便でストックホルムに行けることになります!」と笑顔。会場からも拍手と歓声が上がりました。


乾杯で吉野さんを祝福!吉野さんを囲んで、田中耕一さん(左から2人目)、野依良治さん(右から2人目)、江崎玲於奈さん(一番右)


乾杯の挨拶は、文部科学大臣の萩生田光一氏。「文部科学省としても、両国の科学技術協力がより一層強力に進展するよう、取り組んでいきたい」と、吉野さんの受賞を祝うと共に、日本とスウェーデンのさらなる飛躍を願って全員で乾杯。

乾杯の後、報道陣からの取材に、受賞者の先輩方から授賞式でのアドバイスがあったかどうかを聞かれた吉野さんは、「ノーベルレクチャーで、世界に何かメッセージを送りなさいとアドバイスを受けた。特に環境問題についてメッセージを送りたい」と笑顔。「今は(当時の時点で)ノーベルレクチャーの準備中。半分くらい出来ています」と話していました。



この時期のスウェーデンの首都ストックホルムは昼間でも氷点下。何か寒さ対策を考えていますかと聞かれた吉野さんは、さほど心配していない様子で、「ストックホルムでは家族が楽しんでくれたらいいなと。ずっと忙しかったので、美味しいものを食べたりね」と、現地での滞在を楽しみにしているようでした。

昨年、ノーベル生理学・医学賞をジェームズ・P・アリソンさんと共同で受賞し、授賞式に出席した本庶佑さんは羽織袴姿で登場。授賞式での服装を聞かれた吉野さんは、「私は和服は似合わないんですよ(笑)」と照れ笑い。燕尾服姿で出席される模様です。


2018年のノーベル賞授賞式でメダルを授与された本庶佑さん
© Nobel Media AB 2018. Photo: Alexander Mahmoud. 
2018 Nobel Prize Award Ceremony - Medicine Laureate Tasuku Honjo


ノーベルウィーク2019のスケジュールは以下のとおり。

12月6日
ノーベル文学賞、生理学・医学賞受賞者による記者会見
12月7日
ノーベル物理学賞、化学賞、経済学賞受賞者による記者会見
ノーベル生理学・医学賞、文学賞受賞者によるノーベルレクチャー(記念講演)
12月8日
ノーベル物理学賞、化学賞、経済学賞受賞者によるノーベルレクチャー(記念講演)
ノーベルコンサート
12月9日
ノーベルウィーク ダイアローグ(一般公開&無料。nobelprize.orgでライブ配信あり)
12月10日
ノーベル賞授賞式、晩餐会(平和賞はオスロ)
12月11日
ストックホルム宮殿での晩餐会(平和賞以外)



(2019年12月04日更新)
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