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【映画】欲望が生んだ秘め事の行方は……デンマーク発の衝撃作『罪と女王』(6/5公開)



今年2月に開催された「トーキョーノーザンライツフェスティバル2020」で『クィーン・オブ・ハーツ』のタイトルで特別上映され、チケット即完売の大盛況。急遽劇場公開が決定した話題作『罪と女王』が、5月8日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開されます。

欲望、誘惑、裏切り、そして迎える衝撃のラスト

主人公は、優しい医者の夫と幼い無邪気な双子の娘達に恵まれ、児童保護を専門とする優秀な弁護士のアンネ。家は、郊外に建てたと思われる広々とした部屋に、美しい北欧インテリア設え。周りには自然があふれ、近くには湖も。誰もが羨むような完璧な家庭を築き上げていました。

ある日、夫と前妻の17歳になる息子グスタフを引き取ることになります。なかなか家族に馴染もうとしなかったグスタフでしたが、アンネは根気よく彼を家族として迎えようとします。

グスタフにも笑顔が出始め、家族として溶け込み、距離を縮めていくうちに、アンネは彼と一線を超え、男女の関係を持ってしまうことに。そのことが、これまでに築き上げてきた家庭とキャリアを脅かし始めた時、アンネは残酷な決断を下します。



女性初!デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)作品賞受賞ほか主要9部門受賞

北欧5カ国の代表作から選出されるノルディック映画賞でグランプリに輝くなど、数々の映画賞を受賞。本作は、世界から脚光を浴びる数多くの北欧映画作品の中で、2019年の北欧を代表する作品となりました。監督・脚本を務めたのは、デンマークのメイ・エル・トーキー監督。なんと、女性監督として初のデンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)作品賞を受賞。圧巻の主要9部門で受賞を獲得しました。

これは、デンマークの女性監督として知られるスサンネ・ビア監督やロネ・シェルフィグ監督らも成し得なかった快挙。監督によると、北欧の中でも特に映画制作が盛んに感じるデンマークでも「女性監督は意外と少数派」なのだそう。





知的で完璧な女性から義理の息子への禁断の誘惑

権力のある男性が若い女性への性的虐待となると非難は明快。しかし、女性の権力者と若い男性という性が逆のパターンとなると、“判断がグレーゾーンになる”と監督。何が間違っているのか、何が正しいのか定義するのが難しくなると。専門家の話を聞き、研究を重ね、人間の本質がきちんと描かれているかどうかなど、議論しながら丁寧に制作にあたりました。

知的な女性がモンスターへと変貌する難役を見事に演じたのは、名女優トリーヌ・ディルホム。かなり大胆な男女のシーンも体を露わにし、体当たりで演じています。そして、孤独で真っすぐな瞳が印象的、新星グスタフ・リンが相手役の少年グスタフを熱演。

北欧映画ファンならお気づきだと思いますが、トリーヌ・ディルホムはデンマークを代表する女優で、アストリッド・リンドグレーンの半生を描いた『リンドグレーン』で里親マリーを演じています。また、アンネの夫ペーターもまた、『リンドグレーン』俳優仲間。アストリッドの父親を演じたマグヌス・クレッペルです。




デンマークには、飲酒を始めて良い年齢に関する法律は特になし。16歳または18歳からアルコールの購入が可能(度数によりけり)。


衝撃作です。始めから、ラスト直前まで、静かにゆっくりとしたペースで展開し、それがやたらと怖い。物語を通して、主人公の過去をもまた現在の彼女に反映させ、表現しているトリーヌの演技は大きな見どころ。彼女の視線の先には何があるの?と惹きつけられるその表情。芯のある強さ。本作の半分はトリーヌの演技に魅了されること間違いなし。

本作を手がけた、デンマークに来たエジプト人の父とデンマーク系アメリカ人の母の間に生まれたメイ・エル・トーキー監督は、高校あたりから民族の差別を感じたそうです。映画学校でも女性の少なさに驚き、少数派であることをさらに実感。映画界にある力関係を色々と感じざるをえなかったことがあったようです。本作は、現代社会に潜む“力の差”をリアルに描いた作品ともいえます。

家庭でも社会的地位も確立した温和で上品な主人公が一体なぜ?欲望、誘惑、裏切り、そして迎えるクライマックス。人間の闇をあぶりだした衝撃作。お見逃しなく!



罪と女王

監督・脚本:メイ・エル・トーキー
出演:トリーヌ・ディルホム、グスタフ・リン、マグヌス・クレッペル、スティーヌ・ジルデンケルニ、プレーベン・クレステンセン
2019 年/デンマーク=スウェーデン/デンマーク語・スウェーデン語/127分/原題:Dronningen(英題:Queen Of Hearts)
配給:アット エンタテインメント
公式サイト:http://www.at-e.co.jp/film/queen/

©2019 Nordisk Film Production A/S. All rights reserved

6月5日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺、シネ・リーブル梅田、他にて公開



(2020年06月01日更新)
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