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【展覧会】ゲイ・アートで知られるTom of Finland、日本初の個展開催へ!(9/18-10/5)




今年4月下旬より開催が予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い延期となっていたフィンランドのアーティスト、Tom of Finland(トム・オブ・フィンランド)日本初の個展「Reality&Fantasy The World of Tom of Finland」が、9月18日(金)から、渋谷パルコ地下1階にある「GALLERY X」で開催されることが決定しました!

Tom of Finlandとは、ゲイ・カルチャーのアイコンとして知られるフィンランド出身のアーティスト。会場では、1946年から1989年の間に製作された作品30点が披露され、彼の多彩な才能に注目すると共に、LGBTQの権利を世界中で推し進めた“ゲイ・カルチャー創成期を担ったレジェンド”としての一面も紹介されます。

展覧会のキュレーションは、東京を拠点にキュレーターとして活動しながら、自身のギャラリーThe Containerのディレクターを務めるシャイ・オハヨン氏が担当。さらに、2020年は、Tom of Finland ことトウコ・ヴァリオ・ラークソネン生誕100周年でもあります。

20世紀後半のカルチャーシーンに、
多大な影響を与えたアーティスト。

Tom of Finlandの作家名で知られるフィンランド出身のトウコ・ヴァリオ・ラークソネン(1920-1991)は、ホモエロティックなビジュアルの作品で20世紀後半のカルチャーシーンに多大な影響を与えました。イラスト、ドローイング、版画、ペインティングなど、彼の残した作品は3500点以上にのぼり、エロティックなポージングや構図で男性を主題として描き、近代社会における男性らしさやゲイ男性の立場を再定義することを試みたことでも知られています。

主な作品の収蔵先には、ニューヨーク近代美術館、Rhode Island School of Design Museum of Art、シカゴ美術館、ロサンゼルス現代美術館、ヴァイノ・アールトネン美術館(フィンランド・トゥルク)、バークレー美術館(カリフォルニア州バークレー)、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ヘルシンキ現代美術館、サンフランシスコ近代美術館、Tom of Finland財団(ロサンゼルス)等があります。

2006年、Tom of Finlandの作品5点が財団からニューヨーク近代美術館へ寄贈される際、ジュディス・ロスチャイルド財団の理事であるハーヴェイ・S・シップレイ・ミラー氏は、「20世紀の最も影響力のあるアーティストを5人挙げるとするならば、Tom of Finlandはそのうちの一人である。非常に素晴らしいアーティストであり、彼が与えた影響は並外れたものである」とTom of Finlandを称えています。

“Tom of Finland”はどのようにして生まれたのか。
彼の人生を通じて約40年にわたるキャリアを網羅。

会場では、作家の約40年にわたるキャリア全体を網羅しつつ、グラファイトやグアッシュ、マーカー、ペン、インクといったさまざまな画材を用いて、Tom of Finlandの人生を通して発展していった芸術的な作品を披露。彼が40~50代頃に制作していたグアッシュを使用したペインティングでは、フィンランドの軍隊に従事していた経験が見て取れ、海兵隊や兵士、警察官らがスタイリッシュで幻想的かつロマンティックな構図で描かれています。

60~70代の頃には、レザーの衣服を身にまとった男性や鍛え上げられた肉体を持つ男性が描写されるようになり、ロサンゼルスに拠点を移したキャリア後期には、コントラストの高いグラフィティカルなドローイングを残しました。

また、同展ではアスレチックモデルギルド(AMG)からコミッションとして依頼を受けて制作された作品も数多く展示されます。AMGは、アート写真として女性のヌード写真が認められていた一方、男性のいかなるヌード写真をも禁じる当時のアメリカの検閲に関する法律に対するリアクションとして、ボブ・マイザーによって1945年に設立された出版社。Tomの名前に「of Finland」を付け足したのはマイザー。Tomの名が一躍有名になるきっかけとなりました。(昨年8月に公開された映画『トム・オブ・フィンランド』でもそのシーンあります!)

さらに、Tom of Finlandが担った役割にも着目したいところ。彼はゲイの人々が変えようと戦っていた法律や社会の厳しい現実に直面しながらも、男性の身体を官能的でエロティックに描くことで社会の変容とゲイの人々が受容されることを促しました。性の解放とともにファンタジーの世界を追求しながら、Tomは新しい“ゲイの男らしさ”を描くことで、当時の社会がゲイ男性に押し付けていた偏ったイメージを払拭しました。

Tom of Finlandはなぜこれほどまでに支持されているのか。そのヒントを探るべく、日本初の個展となる「Reality & Fantasy  The World of Tom of Finland」へ。

筆1本で描く、美しく巧みなレザージャケットのツヤやシワなども見てみたい!貴重な作品を実際に見られるチャンスです。

Reality & Fantasy  The World of Tom of Finland
会期:2020年9月18日(金)~10月5日(月)
会場:GALLERY X(渋谷 PARCO B1F)
https://art.parco.jp/
営業時間:11:00~21:00
※最終入場は営業終了時間の30分前
※10月5日(月)は18:00まで
入場料:500円(未就学児入場不可)

▼関連プログラム
2020年9月18日(金)~10月5日(月)※詳細後日 ※プログラムは変更になる場合あり
フィンランドセンター所長アンナ=マリア・ウィルヤネンによるキュレーション
Tom of FinlandとLGBTQの権利にまつわるトーク、レクチャー、ワークショップを予定
詳細はこちら!http://www.finstitute.jp/ja/2020/08/27/tom-of-finland-auxiliary-program/

▼映画『Tom of Finland』(2017年、ドメ・カルコスキ監督)上映会
2020年9月19日(金)~24日(木)
会場:WHITE CINE QUINTO(渋谷 PARCO 8F)
https://www.cinequinto.com/white/
2020年9月25日(金)~10月8日(木)
会場:SHIBUYA UPLINK
https://shibuya.uplink.co.jp/

▼サテライト展「Tomへの頌歌」
2020年9月21日(月)~11月30日(月)
会場:The Container(中目黒)
http://the-container.com
ToFの作品から影響を受けた日本人アーティストの展示
参加アーティスト:田亀源五郎、三島剛、Jiraiya




(2020年09月10日更新)
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