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【映画】強盗犯と人質、彼らはなぜ心を通わすことができたのか?『ストックホルム・ケース』(11/6公開)




1973年、スウェーデン・ストックホルムで実際に起こった事件をもとに描かれた『ストックホルム・ケース』が、11月6日に公開されます。

事件というのは、スウェーデン史上、最も有名な銀行強盗事件として知られる立てこもり事件。ストックホルムの銀行を乗っ取り、強盗犯は彼の仲間を含めた4人の人質を6日間拘束しました。

誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に連帯感や好意的な感情を抱いてしまう心理現象、「ストックホルム症候群」の語源にもなった出来事です。

全国民が注目し、極限状態の中で、強盗犯と人質という正反対の立場の彼らは、どんな会話を交わし、心を通わせたのか。銀行の中で、金庫室で、一体何が起きていたのか。

見ている側も、じわじわと彼らがまるで一つのチームになってゆくような姿を、いつの間にか応援したくなり、手に力が入ってしまいました。そんな、人が持ち合わせる不思議な共感力を、絶妙なタイミングでユーモアを挟みながら、緊張の中でストーリーが展開していきます。



自由の国アメリカに逃れるために、アメリカ人風を装い、ストックホルムの銀行強盗を実行するハイテンションな強盗犯のラースを演じるのはイーサン・ホーク。そして、人質になりながらも、どこか憎めない強盗犯に不思議な感情を抱く銀行員ビアンカは、『ミレニアム』シリーズのスウェーデン女優、ノオミ・ラパスが好演。ラパスは、「演じた中で最も興味深く、複雑な役柄の1人」と話しています。

ラパスは10代の時に、スウェーデンの銀行強盗のドキュメンタリーを見たことがあると話しており、その事件と金庫室で起こった話には、色々な噂があったようです。(スウェーデン人なら、ほとんどの人が知っているとか!)



今回、撮影はカナダとスウェーデンで行われ、スウェーデン・ロケでは、ラパスがスウェーデンの“ガイド役”としても大活躍だったそうです。同作を手掛けたロバート・バドロー監督は、「彼女はスウェーデンの世界を巡る私たちのツアーガイドであり、スウェーデン語のアクセント、アプローチ、メンタリティ、文化を定義するのに大きな助けとなりました」といった撮影エピソードを披露しています。(監督はラパスのファンだそう!)

劇中で流れるボブ・ディランの楽曲にも注目。バドロー監督は、「ボブ・ディランは常にインスピレーションの元だった」と話しており、「新しい夜明け」「今宵はきみと」「明日は遠く」「 トゥ・ビー・アローン・ウィズ・ユー」といった、ボブ・ディランの名曲たちを劇中歌として採用。耳にとても心地よく、アメリカに憧れる強盗犯ラースの心境や、1970年代当時のスウェーデンの雰囲気を効果的に出しています。

公式ホームページには、サウンドトラックのプレイリスト、視聴することもできるので、興味のある方はぜひチェックを!



銀行強盗事件ということで、かなりシリアスかと思えば、強盗犯と人質のやり取り、警察や政府との会話もどこかしら抜けていて、(本来なら笑ってはいけないシチュエーションなのですが)シンプルに面白い。

『ストックホルム・ケース』は、11月6日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿、UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開予定です。



ストックホルム・ケース
監督・脚本:ロバート・バドロー(『ブルーに生まれついて』)
出演:イーサン・ホーク、ノオミ・ラパス、マーク・ストロングほか
2018年/カナダ・スウェーデン/英語・スウェーデン語/92分/シネスコ/カラー
原題:STOCKHOLM/日本語字幕:安藤里絵
提供:ハピネット、トランスフォーマー
配給・宣伝:トランスフォーマー
公式HP:http://www.transformer.co.jp/m/stockholmcase/
Twitter:@stockholmcase

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2020年11月6日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿、UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開!

(2020年10月20日更新)
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