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【映画】主人公女優の実の叔父による自然体な演技も必見!デンマーク映画『わたしの叔父さん』(1/29公開)




2021年1月29日より、デンマーク映画『わたしの叔父さん』が公開されます。体の自由が利かない叔父と姪で営む小さな農場が舞台。姪は叔父の面倒を見つつ、家畜の世話をしながら同じことを繰り返す日々を過ごします。しかし、ある日をきっかけに、獣医になるという夢を思い起こしてしまう姪。彼女は、夢の道へ進むのか、それとも、叔父と一緒に農場に留まることを決めるのか。姪の選択に心が揺さぶられる愛の物語です。

昨年の第32回東京国際映画祭で最優秀作品賞にあたる「東京グランプリ/東京都知事賞」を受賞した注目の話題作。卓越した表現力と映像で高い評価を受け、じんわりと心に染みる作品を作り上げたフラレ・ピーダセン監督にも、熱い視線が贈られました。

同映画祭で行われたQ&Aの時からも、人柄が表れていたピーダセン監督。受賞時には、「おそらく、舞台となった地域で映画が撮影されたのは初めてではないかと。デンマークの皆様に感謝します。また、素晴らしい観客の皆様が素晴らしいリアクション・質問をして下さいました」と喜びのコメントを述べ、観客や関係者に何度も感謝を伝えていたのが印象的でした。


第32回東京国際映画祭のQ&Aで登壇。中央がピーダセン監督。

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誰もが様々な形で経験する人生の選択、
大切な人を想う気持ちを、静かに描く。


本作はピーダセン監督の長編2作目。製作にあたり、出身地であるユトランド半島南部を舞台にした映画を作りたいと思っていたとか。また、都会に出ていく人もいるけれど、地元に残る人もいる中で、そこにあるドラマを描きたいと思ったことがきっかけだったそう。

監督は、同じくユトランド半島南部出身の女優、イェデ・スナゴーのために脚本を書き上げ、農場を営む彼女の本当の叔父さんのところで取材させてもらったそうです。密着して住み込んでいるうちに、監督がスナゴーの叔父である演技経験のないペーダ・ハンセン・テューセンを気に入ってしまい、なんと、スナゴーが演じるクリスの叔父役に大抜擢されました。初めは実の叔父との共演に違和感を感じていたスナゴーですが、次第に慣れていき、以前よりも叔父さんと仲良くなったそうです。


叔父さんの醸し出す空気、自然体な演技にも注目!
筆者お気に入りのシーン。デートに誘われたクリス。叔父さんも同行?

ダブル主演といっても過言ではないほどの大役にも関わらず、叔父役のペーダ・ハンセン・テューセンは自然体な演技を披露。ほぼ台本通りだったようですが、アドリブのシーンもあったとか。“叔父さん”が醸し出す絶妙な間や空気感もこの作品の魅力をアップさせています。

ささやかな日常を巧みな技術と映像で切り取るピーダセン監督は、アジア作品、日本の映画もよく見るそうで、「台詞が少なく、映像で心に直に訴えてくる」と、特に小津安二郎監督作品が好きだそう。(フィンランドのアキ・カウリスマキ監督も小津作品を敬愛していますよね)

この作品は昨年の東京国際映画祭のときに、監督たちのQ&Aに参加したのですが、温かく、素敵な方々だったなあという印象で、ユトランド半島へ行ってみたくなりました。観客の反応を見ていて、日本の人にも届いたという手ごたえを感じたようでした。

第32回東京国際映画祭審査委員長を務めたチャン・ツィイーが、「抑制的で繊細なカメラワークをもって、忘れ去られる人間の情感をとても力強く表現した作品」だと評したデンマーク映画『わたしの叔父さん』。同映画祭のグランプリ受賞を皮切りに、世界各国の映画祭で数々の賞を獲得。本年度の北欧映画No.1を決定する「ノルディック映画賞」のデンマーク代表にも選出されました。

新しい年に、大切な人を想いながら、ぜひ劇場でご覧になってみてはいかがでしょう。

2021年1月29日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開!



わたしの叔父さん

監督:フラレ・ピーダセン
出演:イェデ・スナゴー、ペーダ・ハンセン・テューセン、オーレ・キャスパセン、トゥーエ・フリスク・ピーダセン
2019年/デンマーク/デンマーク語/カラー/DCP/シネスコ(1:2.35)/106分/字幕翻訳:吉川美奈子/デンマーク語監修:リセ・スコウ/原題:Onkel
後援:デンマーク大使館
配給・宣伝:マジックアワー
https://www.magichour.co.jp/ojisan/
(C)2019 88miles

2021年1月29日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショー




(2020年12月16日更新)
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