本国フィンランドで製作、公開されるという話題をキャッチし、北欧区でも昨年、今年と2回ほど触れさせていただきました映画『TOVE（原題）』。ついに来年2021年秋、日本での劇場公開が決定しました！
ムーミンの物語は、どのようにして誕生したのか。
原作者トーベ・ヤンソンの創作への情熱を描いた物語。
物語は1944年のフィンランドの首都ヘルシンキが舞台。戦火の中で、トーベ・ヤンソンは爆風で窓が吹き飛んだアトリエで暮らしながら、自分を慰めるように、ムーミンの物語を生み出しました。
彫刻家である父の厳格な教えとは裏腹に型破りなトーベの生活。自分の表現とのズレを感じる美術界への葛藤、自由への渇望。舞台演出家、ヴィヴィカ・バンドレルとの出会い……。
トーベ自身の人生に大きな刺激を与えた人物やエピソードからインスピレーションを得て生み出されたムーミンたちの冒険は、文学、コミック、舞台劇、アニメーションなど、様々な形となって、現在も世界中の人々に愛され、楽しませています。
戦時中、防空壕の中で怯えた子供たちに語った物語から、いかに原作が執筆され、そしてムーミンのキャラクターたちが生み出されていったのか。映画『TOVE（原題）』は、トーベの人生と共に、彼女の創作への情熱を描いた物語です。
今年10月、本国フィンランドで公開されると同時に大絶賛を受けた映画『TOVE（原題）』は、スウェーデン語で書かれたフィンランド映画としては史上最高のオープニング成績を記録。第93回アカデミー賞国際長編映画賞のフィンランド代表にも選出されました。
スウェーデン系フィンランド人のトーベ・ヤンソンが話す言葉はもちろん、ムーミンの物語もスウェーデン語で書かれました。映画もスウェーデン語で撮影。ムーミンの物語が誕生するトーベが30歳の1944年から1956年までの約10年にわたる彼女の姿が描かれています。
手掛けたのは、同作で5本目の長編となるザイダ・バリルート監督。2017年に『マイアミ』を発表し、日本のフィンランド映画祭2017で上映されました。トーベ・ヤンソン役を演じたのは、女優のアルマ・ポウスティ。アニメーション映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』（2014、日本公開2015年）では、スノークのおじょうさんの声を担当。ポウスティもトーベと同じく、スウェーデン系フィンランド人です。
戦中、戦後のヘルシンキを舞台に、画家や作家としての姿、情熱的な恋愛といったプライベートまで、知られざる彼女の素顔にも迫る作品。トーベの当時の気持ちなどを踏まえつつ、あらためてムーミンの物語を読むと、新たな視点や発見が生まれそう。劇場公開の日を、楽しみに待ちましょう！
2021年秋、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。
TOVE（原題）
出演：アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン、シャンティ・ロニー、ヨアンナ・ハールッティ、ロバート・エンケル
監督：ザイダ・バリルート
脚本：エーヴァ・プトロ
音楽：マッティ・バイ
編集：サム・ヘイッキラ
2020年／フィンランド・スウェーデン／カラー／ビスタ／5.1ch／103分／スウェーデン語他／原題：TOVE
配給：クロックワークス
http://klockworx-v.com/tove/
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2021年秋、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
▼映画『TOVE（原題）』予告編
https://youtu.be/vMpdDpO__X4
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