北欧のテーブルウェアやインテリアを扱うスキャンデックス社のショールームを訪問!デンマークの照明ブランド「レ・クリント」の歴代のデザインとともに、新作を見せていただきました。いつでも柔らかく、温かい光で迎えてくれるレ・クリントの照明たち。人が心地良いと感じる光を放つ照明の数々を紹介します。
また、インテリアスタイリストの石井佳苗さんが、自宅のリビングやダイニングをレ・クリントの照明で模様替えし、インテリアの中でも特別に存在感を放つ照明の選び方やポイントを5月にオンライントークショー(※プレス&関係者向け)で披露してくれました。その時のプロフェッショナル目線での石井さんの話の内容も交えてお届けします。
一つひとつ、デンマークで鍛錬を積んだ熟練の職人たちが、手で折って作り上げるプリーツのシェードが特徴的なレ・クリントの照明。ステイホームや自宅でのリモートワークなど、家での過ごし方が多様化している中で、北欧生まれの照明を使った心地の良い空間を作るヒントにしてみてくださいね。
BOUQUET L(ブーケL)
Designed by Sinja Svarrer Damkjær(センヤ・スヴァー・ダムケア)
街の花屋さんで見かけた、無造作に束ねられたチューリップの姿をヒントにデザインされた「BOUQUET(ブーケ)」に、Lサイズが登場。1灯でも、3灯でも可愛いのですが、大きなサイズになっても、5灯揃っているのは特別な魅力を放っていました。調節可能なリネンのコードもナチュラルで愛らしく、ダイニングテーブルの上でも、家の吹き抜け部分などにも、束ねた「ブーケ」が存在感を発揮しそう。
CYLINDER(シリンダー)
Designed by LE KLINT Design Team
ホワイトシェードにブラックオークの組み合わせの他に、ナチュラルカラーのラートオークが登場。ブラックオークにはダークグレーのマットなメタルが取り付けられていますが、ライトオークにはブラス色のメタルを合わせ、爽やかで洗練された雰囲気に。形もシリンダーという名のとおり、すっきりとしていて、和も感じさせます。テーブルランプとペンダントライトの2種。
「CALEO」昨年登場したモデル
「CALEO」今年のモデル
CALEO(カレオ)
Designed by Rikke Frost(リッケ・フロスト)
「カレオ」の最初のモデルが誕生したのは、『デンマークの次なる名作』というデンマークの人気テレビ番組。期限内に家具やインテリアのデザイン・開発をするコンテスト番組で、ダイニングテーブルに合う美しい照明を作るというテーマで、レ・クリントと協働し、2位に選ばれました。昨秋に登場したのは、シェードの折り目にブロンズのカラーが施されたもので、折りの美しさが引き立ち、個性的でモダンな雰囲気を放っていたモデル。今年登場したモデルは、折り目に色を付けず、真っ白なそのままの風合いを生かしたデザイン。光を灯すと、より優しげな雰囲気になります。
テーブル上に見えるのがライトオークの「CANDLELIGHT」。木製のチェアとオットマンはフィンランド生まれの「エコファーン」のもの。体を包み込むような座り心地で、埼玉・飯能市のメッツァの広場でも多くの来場者に愛用されています。
CANDLELIGHT(キャンドルライト)
Designed by Philip Bro Ludvigsen(フィリップ・ブロ・ルドゥヴィセン)
木材のハンドルとドーム型のガラスが上品なランタン「CANDLELIGHT」。昨年登場するや人気を呼び、この秋はライトオークの他にブラックオークが数量限定で仲間入り。本物のロウからできたキャンドルの先には、LEDの炎がゆらゆらと揺らめきます。充電式バッテリーなので、屋内の様々な場所で使用可能です。
一番左側に見える波状のシェードが人気の「SINUS LINE」。
SINUS LINE(サイナスライン)
Designed by Poul Christiansen(ポール・クリスチャンセン)
1971年にポール・クリスチャンセンがデザインした「サイナスライン」は今年で50周年を迎えます。北欧デザインといえば、よく自然からインスピレーションを得たモチーフが用いられている印象がありますが、こちらは波やオーロラなどではなく、数学的な関数のカーブをモチーフにしています。
インテリアスタイリストの石井佳苗さんによると、このサイナスラインは「あまりにも有名すぎて取り入れずにいたんです(笑)」とのこと。実際に部屋に入れてみたら、「やっぱりいい!使ってみて初めて、良いことが、人気があることがわかりました」と石井さん。
石井さんによる照明選びのポイント
フロアランプ、シーリングライト、ペンダントライト、壁付け、テーブルランプなど、用途によって楽しめる照明。インテリアの中でも重要な位置を占める照明は、どういった照明からスタートすればいいのでしょうか?
石井さんによると、まずは「機能性」を重視。そして、プラス、「デザイン性」。照明は機能だけでなく、デザインも重要。付けていないときの美しさ、電気がついたときにどんな風に光を作ってくれるのかも選ぶのに大切なポイントだと話していました。
例えば、ダイニング全体はふんわりと明るい、光を透過するシェードを選び(機能性)、その機能を持つデザイン性のある照明は何かという順で選ぶことがコツのよう。欲しい機能と、それに伴ったランプシェードの素材感を組み合わせてインテリアを作っていくといいそうです。
リノベーションした自宅の部屋は、真ん中に1灯だけ残して、あとは付いていた照明を全て取っ払ったという石井さん。手元だけでなく、光を通すランプシェードを選び、レ・クリントの照明にはそういったものが多く、機能とデザイン、素材感も全体を明るくし、光の感じも良いと気に入っていました。
コロナ禍でも、レ・クリントからコツコツと新作が生まれる理由
完全に全てではないものの、シェードはもちろん、金属・木製部品といったパーツまで、多くを自社で製造しているレ・クリント。
もともとは、品質をしっかり守るために、海外に出さずに自社の工房で熟練の職人が一つひとつ作ることにこだわってきたブランドですが、結果として、コロナ禍に陥っても大きな影響を受けることなく、ものづくりが出来ました。
コロナ禍において、どんな形で作業が進められていたのかというと、職人たちを3つの場所に分けて作業をしたり、密にならないように休憩を取るなど、感染対策をしっかりとしながら製造していた模様。昨年も商品供給ができなくなるということはなかったとのことです。
レ・クリントならではの温かい光と美しい陰影は、1枚のシートを手で折りあげるハンドメイドならでは。1人前になるには数年かかるという折り職人。ショールームは、30年や40年続けているデンマーク・オーデンセの工房で働くシェード折り職人たちの姿や想いも伝わってきました。
LE KLINT(レ・クリント)
https://www.leklint.jp/
石井佳苗 Kanae Ishii
https://www.instagram.com/kanaeishii_lc/
オンライン講座『Heima Home Design Lesson』
https://www.heimalesson.com/
取材場所&協力:スキャンデックスショールーム