ビデオメッセージで登場したフレデリック皇太子
デンマークとデンマークを代表する企業・団体の魅力を紹介する『デンマークパビリオン「Denmark – The Land of Everyday Wonder」』が、東京2020オリンピック・パラリンピック開催期間中〔7月23日(金)~8月8日(日)、8月24日(火)~9月5日(日)〕、東京・代官山にあるデンマーク王国大使館にて開催中!
7月23日の初日に行われた開会セレモニーの様子をお届けします。
ピーター・タクソ・イェンセン駐日デンマーク大使
東京2020のデンマークチームのシャツで登場したピーター・タクソ・イェンセン駐日デンマーク大使は、このイベントを通じて、多くの日本の人にデンマークの文化やデンマークの企業を知ってもらえたらと挨拶しました。
また、デンマークパビリオンの目的について、「SDGsの認知向上をはかり、ブースの企業やデンマークでは、とんな活動が行われているかなどを知ってもらうため」と大使。さらには、「デンマーク選手団に声援を届けるためでもあり、本来ならば会場で直接応援したかったけれど、画面越しでたくさん応援したい。スポンサーに感謝します」と述べました。
デンマーク王室のフレデリック皇太子は、残念ながら来日が叶わず、ビデオメッセージで登場。皇太子が最後に日本を訪れたのは、2017年の国交樹立150周年の時。「日本とは、クオリティ・オブ・ライフ、デザイン、フード、バドミントンが好き(強い)といった共通点があります。オリンピックの決勝が日本とデンマークであることを願います」と笑顔。オリンピック・パラリンピックの成功を祈りつつ、「ありがとうございました」と日本語で締めくくりました。
河野太郎氏
日本からは、日本デンマーク友好議員連盟会長を務める河野太郎氏がオンラインで登場。当初、日比谷公園に作られる予定だったというパビリオンですが、各国、中止や縮小など、変更を余儀なくされました。そんな中でも工夫を凝らし、パビリオンを開催。デンマーク選手団の活躍にエールを送りながら、イベントの成功を祈りました。
さらに、デンマークのジョイ・モーゲンセン文化大臣はビデオメッセージで、「オリンピック・パラリンピックは、スポーツを競うだけのものではなく、互いを知り、違いを理解しあうことで世界を結びつけるもの」と話し、このイベントで、さらに両国の関係が強くなることを願いました。
隈研吾氏
アンデルセン美術館の建築模型
デンマークの多くの建築物を手掛けている建築家の隈研吾氏もまた、オンラインでお祝いの言葉を述べました。隈氏が手掛けたアンデルセン美術館(6/30ソフトオープン)の建築模型もパビリオンに展示されています。「子どもの頃からアンデルセンが好きだった。早く世界中の人に来てもらえたら」と話しました。(隈研吾さんのお話中にブルーインパルスが上空を通過!)
▼関連記事(北欧ニュース:2021/05/11)
隈研吾デザインの「ハンス・クリスチャン・アンデルセン美術館」今夏開館デンマークパビリオンから、デンマーク選手団にエールを送りました!
デンマークパビリオンは、デザイン、ヘルスケア、グリーントランジション(エネルギー)、食品、観光などをテーマに、7つのブースが設けられ、オリンピック・パラリンピック期間中、デンマーク王国大使館が会場となり、一般開放されます。
ランニングイベントの実施やデンマークの伝統的なグルメが販売されるほか、キッズ向けのLEGO®のアトラクションやプログラミング教室も開催。デンマークの国民的キャラクター「ラスムス・クルンプ」も登場します。
デンマークの定番グルメといえば、ホットドッグやデニッシュペストリー。さらには、植物ベースのお肉をデンマーク大手パンメーカー、ラントメネン・ユニベイク社のピタパンに挟んだピタサンド、すべてオーガニック原料の菓子「ローバイト」(6種類)など、人や環境に優しいデンマークならではのグルメも味わうことができます。デンマークのクラフトビール「Mikkeller(ミッケラー)」も!
デンマークパビリオンの会場の設計は、ヨーロッパの幼稚園や博物館のコンペティションで最優秀賞に輝いた実績を持つ建築家、加藤比呂史氏が担当。持続可能性と、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた共通の取り組みに焦点を当てて設計されています。自然光をふんだんに取り入れ、自然との調和を感じる空間。会場はアーケードで覆われているので、雨でも楽しめるようになっています。
さらに、大使館の向かいにあるヒルサイドフォーラムでは、建築展「Japanese influx on Danish Architecture & Design 1950-2020」が開催されています。デンマークの建築やデザインが、どのように日本からインスピレーションを受けてきたかに焦点を当てた内容で、日本の建築様式を取り入れたデンマークの建築物の写真や実物の家具が披露されます。
建築展の初日、こちらでも開会セレモニーが開催されました。ピーター・タクソ・イェンセン駐日デンマーク大使は、来日して2年になるそうですが、日本とデンマークでデザインに共通点を感じることが多いといいます。
建築展のキュレーターを務めた建築家のクリストファー・ハーランドさんによると、比較的孤立した立地、漁業や農業に根ざした国、シンプルなものを好む、過剰に表現しないところなどが両国の共通点だと挙げました。
「1950年代、アルネ・ヤコブセンやハンス・ウェグナーから始まり、現代のデザイナーも、デンマークは日本からたくさんの影響を受けてきた。日本建築の影響は多くのシーンで見ることができます」と大使。なんでも、大使公邸もまた、日本とデンマークの理解によって生まれたデザインだそう。また、この建築展が、2022年に、
Dansk Arkitektur Centerで開催されることにも触れました。
デンマークパビリオンや建築展を通じて、両国の意外な共通点を知ったり、互いの理解を深める良い機会になりそう。お近くの方はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょう。
デンマークパビリオン「Denmark – The Land of Everyday Wonder」期間:2021年7月23日(金)~8月8日(日)/8月24日(火)~9月5日(日)
時間:11:00~18:00
会場:デンマーク王国大使館
東京都渋谷区猿楽町29-6
料金:入場無料(飲食物など一部有料)
https://japan.um.dk/ja/denmark-pavilion※プログラミング教室、LEGO®アトラクション、ラスムス・クルンプの登場は土日のみ。
建築展「Enriched Simplicity(豊かなシンプル)」
Japanese influx on Danish Architecture & Design 1950-2020期間:2021年7月23日(金)~8月8日(日)
時間:11:00~19:00 (7月23日は15:00から一般公開)
会場:
ヒルサイドフォーラム(ヒルサイドテラス内)
東京都渋谷区猿楽町18−8 ヒルサイドテラスF棟
<新型コロナウイルスの対策について>・開放的で換気のよい場所での開催になります(屋外)。
・すべての職員、ボランティア、ゲストにマスクの着用と手指の消毒を行うことを義務付け、入場時には体温を測定。
・パビリオンとヒルサイドフォーラムの両方にて、消毒用アルコールが用意されています。
・混雑時は入場制限を実施し、ソーシャルディスタンスを確保します。