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【展覧会レポート】人が集う場所になる5つの法則とは?建築家、隈研吾氏の大規模個展開催中(9/26迄)




日本を代表する建築家の一人、隈研吾氏の大規模な個展「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのの5原則」」が東京国立近代美術館にて開催中です。

東京2020オリンピック・パラリンピックのメイン会場の「国立競技場」の設計に参画するなど、現代日本を代表する建築家の一人である隈研吾氏。これまでに20カ国以上で建築を設計し、フィンランドの国際木の建築賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。

また、デンマーク・オーデンセのハンス・クリスチャン・アンデルセン美術館やイッタラ表参道 ストア&カフェの内装デザインも担当するなど、北欧ともご縁のある隈研吾氏。展覧会では、世界各国に点在する隈氏の作品の中から公共性の高い68件の建築を、時系列ではなく、隈氏が考える5原則「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」に分類。国内外の作品を建築模型や写真、部分の原寸模型などにより紹介しています。

さらに、映像作品や、前庭に展示されているトレーラーハウスを合わせた、計74件の作品を通じて、隈氏の世界を表現。章解説や作品解説はすべて同氏によるもので、展示デザインは、隈研吾建築都市設計事務所が手掛けました。第一線で活躍するアーティストによる映像作品にも注目。TOYAMAキラリを360度VRで体感できる(参加には整理券が必要。詳細は美術館ウェブサイトまで)など、隈建築をさまざまな観点から見ることができるよう工夫されています。

タイトルに「(ネコ)」が付いているのは、隈氏が、「都市についてなにかを提案するとしたら、高度経済成長期のように都市を上から見るのではなくて下から見るべき」と着目したのがネコだったから。これからの都市づくり、建築は、ネコがキーマンになる!?ネコの視点から都市での生活を見直す「東京計画2020(ニャンニャン) ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則」(Takramとの協働)のリサーチプロジェクトの展示も非常に興味深いものになっています。コロナ禍という時代の中で開催される展覧会は、新しい公共性、未来の都市のあり方について考えさせられる内容です。

緻密なリサーチと地域の人々との対話を大切にし、その土地と一体化し、まるで以前から存在していたかのように溶け込んでいる建築デザインが印象的。国内はもちろん、フランスや中国など、海外の公共施設を多数手掛けている隈氏。コロナが落ち着いたらぜひ、隈氏の建築めぐりの旅へ行ってみてはいかがでしょう。

会場展示作品一部
<序論>

国立競技場(2019)
設計のプロセスにおいて大量につくられたスタディ模型の中から、約40点を厳選して展示。展覧会としては世界初公開。

<5原則>
■孔 / Hole

陽澄湖観光交通センター(2018)

■粒子 / Particles

サニーヒルズジャパン(2013)

スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店(2011)

国立競技場(2019)

■やわらかい / Softness

高輪ゲートウェイ駅(2020)
海と陸をつなぐ山手線の新駅。地域に開かれ、地域の広場となる開放的で明るい駅舎にするため、膜構造の大屋根を採用。

「国立競技場(2019)」の、選手や関係者以外は見ることができないエリアにある大型の提灯のようなランプシェードも隈氏によるデザイン。手前に見えるのは「中国美術学院民芸博物館(2013)」。

大気汚染物質を吸着する機能を持つ布「Breath」。このインスタレーション「Breath/ng(2018)」で、揮発性有機化合物を1年間で乗用車9万台分吸着することができます。

■斜め / Oblique

TOYAMAキラリ(2015)
斜めにたちあがる吹き抜け空間が特徴。会場では、そこにドローンを飛ばして撮影した最新技術の360度VR体験ができます。
※360度VRの体験には整理券が必要。詳細は美術館ウェブサイトまで。

■時間 / Time

CLT PARK HARUMI(2019)(手前)

<東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則>

Takramとの協働により、ネコの視点から都市生活を見直すリサーチプロジェクト「東京計画2020(ニャンニャン) ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則」の神楽坂でのフィールドワークやGPS測定を実施し、そのリサーチの成果を3DCGやプロジェクションマッピングを用いて展示されています。

<エントランスホール>

浮庵 / Floating Tea House(2007)
ヘリウムガスのバルーンと、世界最軽量の布といわれる天使の羽根のような質感を持つ新素材スーパーオーガンジーを組み合わせた茶室。

<前庭>

住箱(2016)
アウトドアメーカー「スノーピーク」とのコラボレーションで実現した木のトレーラーハウス。



隈研吾展 新しい公共性をつくるためのの5原則
会期 : 2021年6月18日(金)~9月26日(日)
会場 : 東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
開館時間:10:00~17:00/金土 10:00~21:00(入館は閉館30分前まで)
※当面の間、金・土曜日の開場時間は 10:00~20:00(最終入場19:30まで)
休館日:月曜日(8月9日、30日、9月20日は開館)、8月10日(火)、9月21日(火)
※混雑緩和のため、オンラインでの事前予約をお勧めしています。
▼オンラインでのチケット購入・日時予約 >>こちら
特設サイト:https://kumakengo2020.jp/



(2022年04月22日更新)
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