アイスランドに1942年から現在まで続く、「主婦の学校（The School of Housewives）」と呼ばれる男女共学の小さな家政学校があります。
元々、若い女性を良い主婦に育成するために誕生した学校ですが、1975年に名称を「家政学校」に変更。1990年代には男子学生を受け入れ、男女共学になりました。そして今では、性別に関係なく、「自分のことは自分で面倒を見られる人間になりたい」という学生が、自立した人間として、今を生きるための知恵と技術を求めて集まってきているといいます。
『〈主婦〉の学校』は、ジェンダーギャップ（男女平等）指数ランキングが12年連続1位というアイスランドにある、男女共学の家政学校「主婦の学校」にフォーカスしたドキュメンタリー。調理、栄養学、洗濯（アイロンがけ）、掃除、裁縫（衣服の修理法）、編み物、織物、刺繍、消火器の使い方といった、家事の基本や生活に役立つことを学ぶ「主婦の学校」を通じて、今、私たちが知るべき大切なこととは何かを問いかけてくる映画です。
■主婦の学校
1学期定員24名、寮での共同生活を送りながら生活全般の家事を実践的に学ぶことができる小さな学校。1997年から男子学生も受け入れて男女共学に。今では、主婦になるために行くわけではなく、「自分のことは自分で面倒を見られる人間になりたい」など、性別に関わりなく、今を生きるための知恵と技術を求めて学生たちが集まる。
生きていくために、必要なことを学び、
かけがえのない、大切なものを得られる。
舞台は、1942年に創立され、現在でも続くアイスランドの首都レイキャビクの中心部にある男女共学の家政学校「主婦の学校」。白く美しい建物、清潔感のある台所やインテリア、上品な雰囲気を醸し出すこの学校には、アイスランド全土から、様々な期待を胸に学生が集まってきます。
ここは学位のためでなく、学びたくて行く学校。良い点を取るためではなく、必要なことを、人生を学びにいくところ。学びたい人が自分のために行く学校ということ。彼らの多くは寮で共同生活を送りながら、1学期（3ヶ月）の間、あらゆる家事や手仕事を基本から学んでいきます。
手仕事を学びたい、将来使える技能を学びたい。洋服に開いた穴の直し方を知っていたら環境にも良いよねと、18～23歳くらいまでの生徒がワクワクしながら入学。卒業生も登場し、当時の経験をシェアしてくれます。
初歩的な料理からおもてなし料理、伝統料理の調理法、裁縫、編み物、刺繍、テーブルマナー、アイロンがけ、消火器の使い方まで、まさにその日から使える、生きていく技術や知識を身に付け、環境やモノの大切さも同時に学べる場所。
生徒さんや卒業生の話の中で印象的だったのが、この学校では、技術だけでなく、人としての振る舞いやコミュニケーションを学び、自分に自信を持つことができたということ。
例えば、玄関でのお客さんの出迎え方、機織りが得意な母親が自分の作品を見て褒めてくれた言葉が今でも大きな力になっていること、初めての男子生徒として入学し、校長にかけてもらった言葉が今でも苦難を乗り越えられる支えになっていることなど、それぞれの人生の中で大きな影響を与えていることがわかります。
初めは見知らぬ人たちと、1部屋3～4人の寮暮らし。徐々に打ち解けていき、一つのチームのようになっていく姿にほっこり（体重は増えていくらしい）。目標に向かって、みんなで励まし合い、一緒に過ごすことにより、仲間に対しての配慮、社会的マナーも自然に身に付けていっているようでした。
また、学校は地域に開かれており、学校開放日には、作ったお菓子やケーキを販売して、お金の勉強にも。さらに、余ったケーキは、食品ロスにならないように、ホームレスの施設に届けることで食べ物を無駄にせず、地域にも育ててもらっていることを学びます。金曜日は余ったものを食べる日になっているとか。
コロナの影響で家で過ごす時間が増え、暮らしの在り方を考えるようになったという人も多い中で、自分の手で毎日の生活を紡ぎ出す喜びや大切さを届けてくれる、今を生きる私たちに必要なメッセージが込められている作品です。
アイスランド映画『〈主婦〉の学校』は、10月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開！
〈主婦〉の学校
監督・脚本・編集：ステファニア・トルス
2020年/アイスランド/アイスランド語/ドキュメンタリー/78分/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/DCP/原題：Húsmæðraskólinn/英題：The School of Housewives
後援：アイスランド大使館
提供・配給：kinologue
http://kinologue.com/housewives/
© Mús & Kött 2020
2021年10月16日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
生きていくために、必要なことを学び、
かけがえのない、大切なものを得られる。
舞台は、1942年に創立され、現在でも続くアイスランドの首都レイキャビクの中心部にある男女共学の家政学校「主婦の学校」。白く美しい建物、清潔感のある台所やインテリア、上品な雰囲気を醸し出すこの学校には、アイスランド全土から、様々な期待を胸に学生が集まってきます。
ここは学位のためでなく、学びたくて行く学校。良い点を取るためではなく、必要なことを、人生を学びにいくところ。学びたい人が自分のために行く学校ということ。彼らの多くは寮で共同生活を送りながら、1学期（3ヶ月）の間、あらゆる家事や手仕事を基本から学んでいきます。
手仕事を学びたい、将来使える技能を学びたい。洋服に開いた穴の直し方を知っていたら環境にも良いよねと、18～23歳くらいまでの生徒がワクワクしながら入学。卒業生も登場し、当時の経験をシェアしてくれます。
初歩的な料理からおもてなし料理、伝統料理の調理法、裁縫、編み物、刺繍、テーブルマナー、アイロンがけ、消火器の使い方まで、まさにその日から使える、生きていく技術や知識を身に付け、環境やモノの大切さも同時に学べる場所。
生徒さんや卒業生の話の中で印象的だったのが、この学校では、技術だけでなく、人としての振る舞いやコミュニケーションを学び、自分に自信を持つことができたということ。
例えば、玄関でのお客さんの出迎え方、機織りが得意な母親が自分の作品を見て褒めてくれた言葉が今でも大きな力になっていること、初めての男子生徒として入学し、校長にかけてもらった言葉が今でも苦難を乗り越えられる支えになっていることなど、それぞれの人生の中で大きな影響を与えていることがわかります。
初めは見知らぬ人たちと、1部屋3～4人の寮暮らし。徐々に打ち解けていき、一つのチームのようになっていく姿にほっこり（体重は増えていくらしい）。目標に向かって、みんなで励まし合い、一緒に過ごすことにより、仲間に対しての配慮、社会的マナーも自然に身に付けていっているようでした。
また、学校は地域に開かれており、学校開放日には、作ったお菓子やケーキを販売して、お金の勉強にも。さらに、余ったケーキは、食品ロスにならないように、ホームレスの施設に届けることで食べ物を無駄にせず、地域にも育ててもらっていることを学びます。金曜日は余ったものを食べる日になっているとか。
コロナの影響で家で過ごす時間が増え、暮らしの在り方を考えるようになったという人も多い中で、自分の手で毎日の生活を紡ぎ出す喜びや大切さを届けてくれる、今を生きる私たちに必要なメッセージが込められている作品です。
アイスランド映画『〈主婦〉の学校』は、10月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開！
〈主婦〉の学校
監督・脚本・編集：ステファニア・トルス
2020年/アイスランド/アイスランド語/ドキュメンタリー/78分/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/DCP/原題：Húsmæðraskólinn/英題：The School of Housewives
後援：アイスランド大使館
提供・配給：kinologue
http://kinologue.com/housewives/
© Mús & Kött 2020
2021年10月16日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
