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【映画】パパが女性に!監督の実体験を基に描いた『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』(12/24公開)




本日はこちらの映画をご紹介!

実父が女性になったという、マルー・ライマン監督本人の実体験に基づく物語『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』が、クリスマスイヴの12月24日(金)より劇場公開されます。

ライマン監督はオランダ出身の監督ですが、コペンハーゲン大学で学んだ経歴があり、同作は全編デンマーク語のデンマーク映画となっています。監督は、女優として活動したのち、数多くの短編作品を発表。『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』は、彼女の初となる長編作。デンマーク・アカデミー賞で9部門にノミネートされ、メイクアップ賞、児童青少年映画賞を受賞した話題作です。

多様性、LGBTQを取り上げた作品は主に、トランスジェンダー当事者自身の視点で描かれる作品が多く見られますが、この作品は、“当事者の娘の視点”で描かれているのが特徴で、最大の見どころとなっています。身近な家族である娘の立場から、トランスジェンダーの父親はどう映っているのか、どんな心理状態なのか。思春期に大きな出来事に直面する少女の胸の内に注目です。



主人公は、デンマーク郊外で暮らすエマ。地元のサッカークラブで活躍する、サッカー大好きな11歳の女の子。パパとテレビでサッカー観戦するのも楽しみの一つ。家族は、パパとママ、姉との4人暮らし。さらにはワンコも迎え、絵に描いたような幸せな家庭で充実した日々を送っていました。

しかし、ある日突然、両親から離婚すると告げられ、エマの日常が一変します。離婚の理由は、“パパが女性として生きていきたいから”。人知れず悩んできたパパの気持ちを懸命に理解しようとするも、なかなか現実を受け入れられず、混乱するエマ。一体どうすれば……?





そんな大好きなパパを受け入れようとするエマ役を好演したのは、この作品が映画デビューとなるカヤ・トフト・ローホルト。撮影当時、彼女はまだ10歳。多感な時期に両親の離婚とパパからトランスジェンダーであることを打ち明けられるという難しい役柄を見事に演じ切りました。

エマとは対照的に、パパと楽しくガールズトークをしたりと、比較的すんなりと受け入れている様子の姉との温度差にも注目。エマの正直で隠せない気持ちの行きどころなど、カヤ・トフト・ローホルトの芯のある少女の演技は見逃せません。



パパのトマス/アウネーテ役に扮したのは、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)や、『ヒトラーの忘れもの』(15)などで存在感を示す実力派俳優のミケル・ボー・フルスゴー。『ヒトラーの忘れもの』では冷徹な大尉の役で、氷のような冷たさを感じた演技を見せましたが、今回のアウネーテは上品さを醸し出しつつ、どこに行ってもフレンドリーでオープンマインドな人物を好演しています。

この映画は、1990年代後半が舞台になっているので、色々懐かしい感じがする部分を見つけてみるのも楽しい(インテリアも温かみのあるナチュラルな雰囲気)。エマやチームメイトからは、当時、子どもたちの憧れだった有名なサッカー選手の名前も登場するので、サッカーファンは反応してしまうかも?(ワンコの名前にも注目)

見た目も身体も、男性から女性に変わってしまったパパだけれど、大好きであることには変わらない。一つひとつ、これまでの大切な思い出を辿りながら、エマの感情の持っていきどころに悩む姿に心打たれてしまう。この冬にぴったりの珠玉の家族の物語です。お見逃しなく!



パーフェクト・ノーマル・ファミリー
監督・脚本:マルー・ライマン
出演:カヤ・トフト・ローホルト、ミケル・ボー・フルスゴー、リーモア・ランテ、ニール・ランホルト
2020/デンマーク/デンマーク語・英語/ビスタ/カラー/5.1ch/97分/PG12
原題:EN HELT ALMINDELIG FAMILIE
英題:A PERFECTLY NORMAL FAMILY
日本語字幕:中沢志乃
配給:エスパース・サロウ
http://pnf.espace-sarou.com/

© 2019 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

2021年12月24日(金)より、新宿シネマカリテ他全国順次公開



(2021年12月07日更新)
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