本日は2月に公開されるノルウェー映画『ロスバンド』をご紹介！
ノルウェー映画でこれまでにご紹介させていただいた作品には、音楽を通じて描かれたものが多い印象があります。『イエスタデイ』（2016年）、『ロード・オブ・カオス』（2021年）、あと、フィンランド映画になりますが、フィンランドののどかな田舎村出身のメタルバンドがノルウェーの巨大メタルフェスを目指す『ヘヴィ･トリップ／俺たち崖っぷち北欧メタル！』（2019年）などが公開されました。
今回は、年齢もバラバラ、それぞれ日々の暮らしの中で悩みを抱える、個性豊かな4人が、ロック大会に出場するためにノルウェー北部の街、トロムソに向かう音楽ロードムービーです。
ノルウェー・トロムソで行われるアマチュアのロック大会の決勝に出ることになったドラム担当のグリムと親友でギター兼ボーカルのアクセル。嬉しい知らせではあっても、グリムはまだまだ実力不足のバンドに不安を隠せません。
毎日練習に励む2人ですが、バンドには致命的な問題がありました。それは、アクセルの「音痴」。
村ではギターの実力者であっても、アクセルの音痴が気になって仕方ないグリム。でも、前向きでいつでも明るく自分を引っ張ってくれる一生懸命な親友を傷つけたくないと、なかなか言い出せないままでいました。
グリム（ドラム）：家庭内別居中で喧嘩の多い両親、そして親友アクセルの音痴に思い悩む。
アクセル（ギター／ボーカル）：憧れのマドンナに夢中！ギターの実力は抜群、だけど音痴（気づいていない）。
トロムソの大会に出るためにクリアしなければならない問題はまだありました。ボーカル問題に加え、ベースもいなければ、トロムソまで行く車、運転してくれる人もいません。
村でベーシスト募集のオーディションを開催するも、やってきたのは9歳のチェロ少女ティルダ一人のみ。戸惑いながらも、彼女のチェロを聞いた二人は大興奮。仲間に入れて、「ロスバンド」を結成。さらには、村の名ドライバーと呼ばれているマッティンに運転してもらえることになり、彼らの大冒険が始まります。
しかし、道中、さまざまな問題が大浮上。年齢も悩みもそれぞれ異なる4人。果たして、無事トロムソにたどり着き、念願のロック大会に出場できるのでしょうか？
ティルダ（チェロ）：家でも学校でも居場所がなく寂しい毎日。最年少にして冷静沈着、度胸は満点。
マッティン（ドライバー／？）：父親はレーサーにさせたいが、本人は別の夢を抱いている。
トロムソまでの運転を引き受けたマッティン役のヨナス・ホフ・オフテブロ（Jonas Hoff Oftebro）は、芸能一家に生まれたノルウェーを代表する注目の若手俳優。映画『THE WAVE ザ・ウェイブ』、テレビシリーズ『ラグナロク』などに出演。本作ではキーマンの一人で、優しさと愛嬌あふれる表情が魅力的でした。
兄は、国際的に活躍する俳優ヤーコブ・オフテブロ。『コン・ティキ』や『獣は月夜に夢を見る』、『トム・オブ・フィンランド』など、ノルウェーの他、デンマークやスウェーデン、フィンランドの映画やテレビ作品にも出演しています。
本作を手掛けたクリスティアン・ロー監督は、子どもや家族を描いた作品を得意とする映画監督。若者の視線で語り、彼らの心情や言動をていねいに、魅力的に描いた作品づくりで知られています。また、子ども向けの短編作品でも数多くの賞を受賞。本作も、ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門（4歳以上が対象）に選出されている話題作となっています。
それぞれの居場所を探しながら、抱えたモヤモヤさえも包み込んでくれるノルウェーの壮大な自然をバックに、「ロスバンド」の夢を乗せた車は南から北へと縦断。新しい一歩を踏み出す勇気、誰かと一緒なら怖くない。キラキラとした4人の笑顔に会いに行ってみてください。
グリムとアクセルのキュートな無造作クルクル天然パーマにも目が離せなくなる！？『ロスバンド』は、2月11日（金）より、新宿シネマカリテ他にて公開！
ロスバンド
監督：クリスティアン・ロー
出演：ターゲ・ホグネス、ヤコブ・ディールード、ティリル・マリエ・ホイスタ・バルゲル、ヨナス・ホフ・オフテブロ他
原題：LOS BANDO ／ノルウェー・スウェーデン／2018年／94分／カラー／ノルウェー語・スウェーデン語／シネマスコープ／5.1ch／映倫PG-12
後援：ノルウェー大使館
配給：カルチュアルライフ
宣伝：VALERIA
https://www.culturallife.jp/losbando
FILMBIN AS © 2018 ALLE RETTGHETER FORBEHOLDT
2月11日（金）より、新宿シネマカリテ他にて公開！
