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【デザイン】コロナ禍でもぶれることのない安定したものづくり。浮き彫りになったレ・クリントの“強み”とは?




来年2023年、デンマークを代表する王室御用達の照明ブランド「レ・クリント」が創業80周年を迎えます。

コロナの影響で、日本でも家で過ごす時間が増えたことをきっかけに、おうち時間をより快適なものにしようと、室内インテリアに注目が集まりました。そんな中、普段、当たり前のように室内を明るく照らしてくれる「照明」に着目する人も多かったようです。

長く暗い冬の時間を室内で過ごす北欧の人々は、あかりの使い方の達人。家の中に、心地よいと感じるあかりを取り入れるのは、想像以上に大切なことのよう。

部屋の中で意外と存在感を放つ照明。素敵な照明を探すべく、レ・クリントに興味を持つ人が日本国内で増えているそう。そんなレ・クリントの照明は、北欧映画のインテリアにもさりげなく登場していますが、近年、日本のTVドラマなどでも採用されている模様。皆さんもどこかで見かけたことがあるかもしれません。

どこか懐かしく、ホッとした印象を持つレ・クリントの照明。日本の折り紙にインスピレーションを得て生まれたという有名な話があります。独自の技術を駆使した“折り”が生み出す陰影が美しいシェードとして知られています。

昨年2021年に誕生して50周年を迎えたサイナスラインをはじめ、ずっと支持され続けているデザインがいくつかあります。なぜ、このように人々に長く愛され続けているのでしょうか。

コロナ禍でも揺るがず、あらためて浮き彫りになったレ・クリントの“強み”とは?レ・クリントの2023年発売予定の新作とともに、あらためて紐解いていきます。


昨年の2021年で、誕生して50周年を迎えたサイナスライン(昨年の展示より)


レ・クリントの展示会では、2023年発売予定の新作だけでなく、伝統からモダンまでの幅広いラインナップ、約80種のアイテムが披露されていました。

2023年日本発売予定の新作2種!
「プリヴェッロ」と「ドーナツ プラス」


「プリヴェッロ」は、フランス語で「折り」を意味する「PLI」と、イタリア語で「上下の重なり」を意味する「LEVELLO」を融合した造語。デザイナーのクリスチャン・トロエルスは、前世紀の伝統的なシャンデリアからインスピレーションを得たといいます。

レ・クリントの特徴となる伝統の折りはそのままに、まるでインスタレーションのような使い方ができるアートなデザイン。シェードの素材はペーパーのみ。優しく漏れる光がとても心地良い上品なデザイン。環境への意識が高いヨーロッパでは、紙素材に回帰する動きが活発化しているそうです。(4サイズ展開)


2023年日本発売予定の「プリヴェッロ」


「ドーナツ プラス」(写真下中央)は、レ・クリントの照明の中でも、最も細かな折りが入っているのが特徴的。ドーナツ型のシェードの上下に取り付けられたブラスのプレートが反射することで、温かみのある光を生み出しています。従来のシルバーに、新色のブラスが仲間入り。


2023年日本発売予定の「ドーナツ プラス」


今、日本で注目度の高い壁面設置タイプ!
デザインが誕生して70周年のブラケットランプ


デンマークでは定番のアイテムで、レ・クリントの代名詞の一つともいえる壁付けタイプの照明、ブラケットランプ。1952年にエリック・ハンセンが自邸のためにデザインしたもので、木製の伸縮アームが特徴的。北欧では、寝室やリビングの壁面に設置されるなど、多くの家庭で愛用されています。



1943年の創業当初から、デザインや技術のDNAを守り続けながらも、現代人の暮らしに寄りそうあかりを生み出し続けるレ・クリント。この数年にわたるコロナ禍でも、新作を生み出し続けていたのですが、コロナやロシアの影響などをものともせず、安定したものづくりを行っています。

その理由は、小さな部品や自社で使う道具さえも、ほぼ全てデンマークの自社工房で作っているため。さまざまな外的要因で、生産の変更や縮小、停止を余儀なくされるといった話もある中で、レ・クリントの場合は、部品からほぼ全てのものを自社で作っているので、外からの影響を受けることなく、安定した供給を行うことができました。



場合によっては、何か足りないものがあっても、職人が使う道具や、製品の完成に関わる照明の小さなパーツを作ることができる上に、照明のシェードの折りの型を入れる職人、シェードの折り職人などがいるため、自社で完成することができます。このことは、レ・クリントにとって、大変大きな強みといえます。

普段、表に名前が出ないような職人さんが、それぞれ誇りを持って自身の役割を全うしている。そんな彼らの姿を想像しながら、レ・クリントの照明に触れてみると、より親近感が沸いてくるのではないでしょうか。

気になった人は、ぜひ、レ・クリントの照明をご覧になってみてはいかがでしょう。


東京の松屋(レ・クリントを扱うスキャンデックスの親会社)向けの荷物が!積荷の木箱にMATSUYAの文字。貴重な当時の写真パネルです。


LE KLINT(レ・クリント)
https://www.leklint.jp/

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(2022年11月22日更新)
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