先日、通信販売大手フェリシモさんの2023年のチョコレートカタログに掲載される新作チョコレートの発表会に参加してきました。
フェリシモさんは、皆さんもご存知のとおり、おしゃれなファッションや雑貨などのイメージが強いかもしれませんが、実は、食品の取り扱いも充実。その中で、チョコレートに関しても、毎年、情熱のラインナップを揃え、多くのチョコレートファンを魅了しています。
本日は、発表会で披露された新作チョコレートをはじめ、世界のチョコレートの最新トレンドについて、また、新作カタログに掲載されている気になる北欧チョコレートブランドもご紹介します。
フェリシモのチョコレートカタログ『幸福(しあわせ)のチョコレート』、2023年のテーマは、「行きたい国はチョコで行く!」。カカオの産地や素材別ではなく、国別でチョコレートを紹介しているのが特徴。それも、“世界中のウルトラレア&スーパープレミアム”のチョコレートが集結しているとのこと。
そんなフェリシモ自慢のチョコレートを、愛と情熱で紹介してくれたのが、今年でこの道26年目になる“チョコレートバイヤーみり”こと木野内美里さん(以下、みりさん)。世界のショコラティエたちに呼びかけてセレクトする海外のローカルチョコレートは、どれも激レアでスペシャルなものばかり。
コロナ禍で海外へ足を運ぶことができずにいた中で、動けるようになった今年、懸命に声をかけ、集めたところ、なんと、今シーズンの取り扱いが35の国と地域から96ブランド・165点と、過去最多だったそうです。そのうち、「日本初上陸」は11ブランド・27点、「フェリシモ限定」が132点。日本初上陸の中には、現在流通が困難なウクライナの珍しいチョコレートもウェブ限定で登場しています。
リビウハンドメイドチョコレート(ウクライナ)※ウェブ限定
ちなみに、みりさんは食品部に属するフェリシモ社員で、たまたま配属になった先がチョコレートだったとか。そこから、“チョコのフェリシモ”と言ってもらいたいという強い思いで、ここまで走ってきたのだそう。
これまでに、誰も知らない、世界のスーパースターによる、250ブランド以上、約2500種を紹介してきたみりさん。ブランドの中には、出世したチョコレートもあるし、ローカルでずっと地道にやっているブランドもあるそう。
世界中のお店のものがネットで手軽に買えるようになった時代でも、例えば、神戸だけで知っているローカルなお菓子屋さんがあるように、そういったところを紹介できたらと、とことんローカルに絞ってきました。
「世界のローカルには天才がいる」と、みりさん。なぜ天才たちはローカルでチョコレートを作るのかというと、「家族の時間ができるから。僕のチョコレートが欲しかったら、向こうからやってくるからね」と言うそうです。ネット販売、流通の発達により、世界の果てまで「カカオ」が届くようになった今、便利な都市部などに店を構えたり、住む必要がないとのこと。
また、カカオ豆からチョコバーまで、すべての工程を手掛けるビーントゥバーがすでに巨大ムーブメントなのですが、小さく扱いやすい石臼の登場をはじめとする機械の小型化により、スタートアップ企業として、どこでも誰でもチョコレート作りを始めることができるようになったことも背景にあるようです。
世界のチョコレート業界のトレンドとしては、まず、カラーを派手に使ったペイントチョコ。人工的な着色料ではなく、全てナチュラル。あと、日本では馴染み深い素材ですが、世界ではココナッツを使うのがちょっと流行りなのだそう。
“チョコレートバイヤーみり”こと木野内美里さん
そんな世界のチョコレートを自信を持って紹介する『幸福のチョコレート』は、すべてのチョコレートにLOVE&THANKS基金が付く「スマイル ガーナプロジェクト」を実施しています。
これは、大好きなチョコレートで、カカオ産地農園での児童労働をなくす活動を支援するプロジェクトで、食べる人、作る人がみんな幸せになれるようにと、児童労働の解放や教育現場の改善に取り組むNPO法人ACEさんの活動を支えています。
ガーナを含む西アフリカ諸国では、カカオ農園で数十万人の子どもが働き、からだに負担のかかる労働に従事しているそうです。誰もが学校へ行って、教育を受けられるように、『幸福のチョコレート』の販売金額の1%がLOVE&THANKS基金となっています。
みりさんは、この活動に参加していることについて、自身が関わっている『幸福のチョコレート』に基金が付けられるようになったこと、誰かの役に立てるようになったことに、「夢が叶ったと思った」と話していました。
チョコレートの世界に入る人は、新規参入しやすいため、若い人が多く、ベンチャー、一代目が多いそう。また、児童労働のない農園のカカオを使うのはもちろん、普段から色んなことを調べて勉強している人が多く、情報に対して敏感。プラスチックは使わない、白い砂糖は環境にも身体にもタブーなど、とにかく共通して意識が高い傾向にあるそうです。
こだわりのチョコを作る人には、社会全体が良くなるようにという思いでチョコレート作りをしている人が多いという、みりさんのお話には大共感。「世界にポジティブな変化をもたらすこと」がミッションだと話していた
フィンランドのチョコレート「GOODIO(グーディオ)」の創業者のユッカ・ペルトラさんを思い出しました。
一粒一粒、想いが詰まったチョコレートたちは、実に深い、魅惑の世界。それでは、新作発表会で紹介されたチョコレートをピックアップしてお届け!北欧・バルトのチョコレートブランドも10ブランドあり!リストアップしてみました。
3は、マレーシアのチョコレート。カカオも作れて、製造までしっかりとインフラが整っているアジアにも熱い視線が注がれています。7は、マルタのオリーブを使ったチョコレート。硬めの紙で出来たパッケージが可愛い。
1.デヴォンポート レモネード(ニュージーランド)/2.ライラ ガリバー<ココナツボール>(スロバキア)/3.チョコレートコンシェルジュ ボンボンアソートニュー<テタレ>(マレーシア)/4.ジャック ラビット カラフルタブレット(南アフリカ)/5.ロワ LOVE&THANKS(塩キャラメルミルク)(フランス)/6.メゾンギャンゲ フランボワーズピスタチオ(フランス)/7.チョコレートディストリクト マルタディスカバリーボックス<オリーブ>(マルタ)/8.オステリアン リコリスキャラメル(スウェーデン)/9.リビウハンドメイドチョコレート ヘーゼルナッツミルク(ウクライナ)※ウェブ限定
■2023年カタログ『幸福のチョコレート』 みりさんの推しチョコは?カタログの先頭に持ってくるチョコレートにはいつも悩むという、みりさん。今回は、ニュージーランドの「デヴォンポート」が選ばれました。
ニュージーランドやオーストラリアには独自の文化があり、チョコレートもそう。試食させていただいた「デヴォンポート」の「レモネード」は、レモネードをホワイトチョコに練り込んだガナッシュをダークチョコに閉じ込めたもので、夏限定のチョコレートだそう。南半球では今の季節である夏のチョコレートをあえて食べていただきたいとトップバッターに持ってきました。
9粒のチョコレートの中で、最初に口にしたチョコということで印象深く、また、レモン系に弱い筆者は一発目からやられました。美味しい!
みりさんによると、競争率の高いフェリシモで、1つのブランドから4~5種のチョコレートが紹介されていたら、それは、“みりさんの推しブランド”で間違いないそうです。見た目もとってもキュート!日本初上陸です。
デヴォンポート ニュージーランドセレクション(ニュージーランド)
流通が困難なウクライナのチョコレート「リビウハンドメイドチョコレート」も紹介されました。店内には写真映えする素敵なカフェがあります。現在、空襲警報が鳴ると防空壕へ身を隠すといった状態が続いているそうですが、なんとか普通に仕事を続けられているとのこと。「できるだけ長く仕事をしたい」というのが今の願いだそう。(安心してチョコレートを作れる日が来ますように)
いろんな思いが詰まったウクライナの「リビウハンドメイドチョコレート」は、ウクライナからポーランド、ベルギーのアントワープまで陸路で繋ぎ、ヨーロッパ諸国の空港から飛行機で、はるばる日本に届けてもらえるとのこと!ぜひ注目してみてください。
また、新作チョコ発表会で披露されたチョコレートのうち、唯一北欧から紹介されていたのが、スウェーデンの「オステリアン」。休暇で訪れたスコーネ村に魅了された夫婦が、廃校になった建物をチョコレートアトリエに。地元の素材にこだわったチョコレートが特徴です。
試食したのは、北欧界隈ではおなじみのリコリスを使った「リコリスキャラメル」のチョコ。キャラメルでリコリスの独特なクセが和らぐため、リコリスが苦手な人でもこれは行けるのでは!?余韻を楽しみたい一品。
廃校になった建物をチョコレートアトリエに。スコーネ地方にある「オステリアン」
■2023年カタログ『幸福のチョコレート』 北欧&バルトラインナップフィンランドジョイフォーフード(トゥルク)
https://www.joy4food.fi/アンナ スクラーテヘダス(ヘルシンキ)
https://www.annansuklaatehdas.fi/チヨコ(ヘルシンキ)
https://chjoko.com/ノルウェー
セバスチャン ブルーノ(オスロ)
https://sebastienbruno.no/スウェーデンパーランス(ストックホルム)
https://parlanskonfektyr.se/シルヴァン マロン(ヨーテボリ)
https://sylvainmarron.se/オステリアン(スコーネ地方)
https://www.osterlenchoklad.se/
エストニア
チョコララ(タリン)
https://chocolala.ee/en/ショコ*コー(タリン)
https://chocokoo.ee/en/
ラトビア
プーレ(プーレ)
https://purechocolate.lv/en/試食させていただいたチョコレートは、どれも個性と愛が詰まっていました。特に驚いたのは、フランスの「ロワ LOVE&THANKS」の塩キャラメルミルク。2~3ミリの厚さの正方形のタブレットチョコだったんですけど、口に入れた瞬間の存在感といったら!濃厚なキャラメルチョコが広がり、その余韻に酔いしれていると、最後に塩でピリリ。すっきりと引き締めて終了。後味が意外なほどにさっぱり。あまりにもドラマチック!満足度の高い、印象に残ったチョコでした。
チョコレート職人さんたちによると、近場に配送することも多く、意外と忙しかったとのことで、コロナによる影響はそこまで酷くなかったという人も比較的多かったようです。常連さんたちは、おうち時間が多く、身動きが取れなかったコロナによるストレスも、甘いチョコレートが癒してくれると話していたそうで、チョコレートの売れ行きも良かったとか。
この他にもフェリシモが紹介する、こだわりの世界のチョコレートがいっぱい!ぜひ2023年のカタログでチェックしてみてくださいね。
幸福のチョコレートhttps://www.felissimo.co.jp/choco/