HOME > What’s New > 2023年 > 2023年01月17日

【映画】マリメッコ伝説的デザイナーの人生を綴った『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』(3/3公開)




フィンランドのデザインブランド「マリメッコ」の伝説的デザイナー、マイヤ・イソラ(1927-2001)の知られざる人生を描いたドキュメンタリー映画『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』が、3月3日に劇場公開されます。

旅を愛し、旅先で出会った人々、町、自然など、見たもの、感じたものなど、彼女の人生全てをデザインに落とし込み、生み出してきた色彩豊かなデザインやモチーフ、貴重な絵画を、アーカイブ映像で振り返る傑作ドキュメンタリーになっています。



見聞きしたもの全てを力変え、新しいデザインを生み出す。
自由な精神で貪欲に挑戦し続ける熱き人生に目が離せない。


マイヤ・イソラというと、ケシの花がモチーフとなった「ウニッコ」をはじめ、数多くのマリメッコのデザインを手掛けたデザイナー。戦時下を生き抜き、19歳で娘クリスティーナを出産後、母に娘を預けて芸術大学へ進学。初めてのノルウェーへの海外旅行の時に見たあるものをモチーフにしたデザインのファブリックを大学のコンテストに出品したところ、マリメッコ創業者であるアルミ・ラティアに認められ、デザイナーとしての道を歩むことになります(※アルミの目に留まったのはマリメッコの前身であるプリンテックス社の時)。

ヨーロッパからアフリカ、アメリカなど、世界中を旅することを原動力とし、エネルギッシュで大胆、多彩なアイデアを次々と生み出し、マリメッコの成長と共に、デザイナーとしての才能を開花させます。1949年から1987年までの38年間で、マリメッコに提供したデザインは500以上。彼女の創作の源、モチベーションは一体どんなところにあったのでしょうか。





生地いっぱいに広がった大胆なモチーフ、生命を感じるような鮮やかな色彩を生み出してきたマイヤ。彼女の人生に大きな影響を与えたキーワードの一つに、「旅」が挙げられます。さらに、「娘」もまた、彼女を奮い立たせてくれた大きな存在。離れて暮らしていても、マイヤの人生は娘への愛で溢れていました。恋多き女性で、三度の結婚・離婚を繰り返しながら、その「恋」もまた、大きな力に変えていきます。

私たちが知るあのデザインは、どんなタイミングで、どんな背景で生まれたのか。気になるデザインや、知られざる貴重な絵画が生まれた瞬間が鮮やかに描かれた本作。娘クリスティーナ・イソラの証言と、マイヤから送られた手紙、マイヤ本人の日記や当時のアーカイブ映像で、静かに丁寧に綴られています。



マイヤ・イソラの代表的なデザインはいくつか知っていたものの、画家としての彼女の絵画作品を見るのは初めてでした。とにかくアイデアの宝庫、引き出しの多さに驚き。見聞きしたことを、ここまで創作に落とし込めるんだと感動を覚えました。

また、彼女のフットワークの軽さ、自由なマインドにも感銘を受けました。マイヤ・イソラのデザインが長きにわたり、世界中の人々を魅了し続けているのも、本人が体験したことだからこそ説得力があり、それがデザインに反映されているのだと感じました。

花のモチーフは採用しないというアルミ・ラティアの意に反し、マイヤは花のデザインだけを集めた「花シリーズ」を制作。そのデザインを見たアルミは考えを改め、採用。そのうちの一つに、マリメッコのアイコンとなった「Unikko(ウニッコ)」があります。要所要所で登場するアルミ・ラティアとマイヤの会話から感じる、互いの才能をリスペクトしているからこそ生まれる関係性、空気感もまた、本作の魅力になっています。



『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』は、2023年3月3日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開予定!



マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン

監督:レーナ・キルペライネン
出演:マイヤ・イソラ、クリスティーナ・イソラ、エンマ・イソラ
2021年/フィンランド・ドイツ/フィンランド語/100分/カラー・モノクロ/ビスタ/5.1ch/原題:Maija Isola 英題:Maija Isola Master of Colour and Form/字幕翻訳:渡邊一治/字幕協力:坂根シルック
後援:フィンランド大使館
配給:シンカ + kinologue
http://maija-isola.kinologue.com

2023年3月3日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

© 2021 Greenlit Productions and New Docs



(2023年01月17日更新)
このページの先頭へ