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【映画】等身大の10代の少女たちの葛藤を描いたフィンランドの青春映画『ガール・ピクチャー』(4/7公開)




この春、ティーンエイジャー3人の女の子によるエネルギーに満ち溢れたフィンランド発の青春映画『ガール・ピクチャー』が公開されます。

『ガール・ピクチャー』は、ティーンが抱える性についてや人間関係の悩み、未来への不安を、リアルに真っすぐに描いた作品。子どもと大人のちょうど狭間、17歳から18歳に差し掛かる3人の少女の物語です。

男の人と一緒にいても何も感じない自分は、みんなと違うのではと悩むロンコ、家庭の事情から自分の感情をコントロールすることが難しく、精神的に不安定で孤独を感じているミンミ、そして、欧州選手権という大きな大会の選考が懸かった試合を前にプレッシャーと不安に襲われるフィギュアスケート選手のエマ。三者三様、異なる悩みを内に秘めています。



ロンコは負けじと理想の出会いを求めて積極的にパーティーに繰り出しては、未知の性的快感を求め、冒険に出ていきます。ミンミはそんなロンコに付き合ってやってきたパーティーで、スランプに陥り大事な試合が気になって動画ばかりチェックしているフィギュアスケート選手のエマと出会い、お互いの人生を揺るがすような運命の恋に落ちることに。



大人の女性としての一歩を踏み出し始めた、10代のごくわずかな多感なな時期を切り取り、少女たちの日常を鮮やかに捉えたのは、ニューヨークで映画を学んだアッリ・ハーパサロ監督。原題は『Tytöt tytöt tytöt』で、「女の子たち、女の子たち、女の子たち」という意味。これは、女の子たちが何か悪いことをした時に、指を横に振って、「ほらほら、あなたたち、ダメよ。今度は何をしでかしたの?」という風に使われるとか。監督は、この題名をつけることで、そのフレーズを新しいトーンに変えたいと考えたそうです。もっと楽しいトーンになるように、もっと彼女たちが自由を感じるようにと名付けられました。今回が2作目の長編映画になります。

本作は、第38回サンダンス映画祭でワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞、第95回アカデミー賞(R)国際長編映画賞部門フィンランド代表に選出。また、つい先日、3月下旬に開催されたフィンランド最高峰の映画賞「Jussi」の授賞式にて、本作『ガール・ピクチャー』が最優秀作品賞をはじめ、脚本賞、監督賞、編集賞、ブライトスポット賞の5冠に輝きました。(今回から女優・男優の区別がなくなり、主演賞、助演賞になったそうです)







ティーンならでは好奇心、興味、悩み。なんとかして正当化しようとする自分、気にいらないと表に出てしまう態度。毎日やるべきことがあるから逃げ出したいけど出来ない、置いてけぼりを食らっているような妄想、マンネリと焦り。

子どもと大人の狭間で、まだ実は親に甘えたいのに、寂しいのに寂しいと声に出して言えない気持ちのやり場。他人と比べて嫉妬したり、素直になれず、本当はそんなこと思ってないのに口に出してしまうなど、ティーン特有のアップダウンや複雑に絡まった心の内を見事に表現している作品になっています。



ありのままの自分と向き合い、失敗しながらも誰かと寄り添い、それぞれ悩みは違えど、一緒にいるだけで癒やされたり、勇気をもらったりして、自由を獲得する方法を学んでいく。フィンランドが舞台になった少女たちの作品ですが、世界中に共通するかけがえのない“青春”という時代に、今から突入するティーンをはじめ、彼らをそばで見守る大人たちも含め、ぜひこの春見てもらいたい一本です。

『ガール・ピクチャー』は、2023年4月7日(金)より、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開!



ガール・ピクチャー

監督:アッリ・ハーパサロ
脚本:イロナ・アハティ、ダニエラ・ハクリネン
出演:アーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノ
2022 年/フィンランド/100 分/カラー/スタンダード/5.1ch/原題:Tytöt tytöt tytöt /PG12/日本語字幕:松永昌子
配給:アンプラグド
https://unpfilm.com/girlpicture/

(C) 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved

2023年4月7日(金)より、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開



(2023年04月05日更新)
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