鹿児島市立美術館を皮切りにスタートした「リサ・ラーソン展」が、5月17日より、東京・松屋銀座にて開催。2024年の夏まで全国を巡回します。
「リサ・ラーソン展」は、2014年以来、国内で4回目。本展では、スウェーデンを代表する陶芸家、リサ・ラーソンの代名詞とも言われる、可愛らしい動物や静謐な人物像の陶芸作品に加え、これまでに日本では紹介されなかった珍しい一点ものの作品のほか、ガラスやブロンズといった異素材の作品、スケッチ画、これまでの活動の記録など、約250点が披露されます。
今回のテーマは、「既に知られているリサ・ラーソン」と「まだ知られていないリサ・ラーソン」。
「既に知られているリサ・ラーソン」では、代名詞ともいえる愛らしい動物や子どもたちの彫像や、かつて所属していたグスタフスベリ社で制作された作品を展示。「まだ知られていないリサ・ラーソン」では、 グスタフスベリ社やリサ個人の工房で制作された一点ものの作品が紹介されます。これらの彫像、陶板、器の多くは、展覧会だけでなく、出版物にも登場することのなかったレアで希少な作品群です。さらには、ガラスやブロンズなどの異素材を使ったものや、リサが学生時代に制作した陶芸作品、当時の写真や出版物などの資料なども展示される予定。
また、リサの制作活動に大きな影響を与えてきた夫グンナル・ラーソン(1925-2020)による作品も展示されます。グンナルは、モダニズムの画家であり版画家。70年余りにわたって築かれた二人のアーティスト精神、関係性、対話を感じることができる内容になっています。
展覧会は、1章から9章まであり、名作のフィギュアから初期の学生時代のリサ・ラーソン、希少なユニークピース、新しい素材に挑戦した作品など、これまでにないリサ・ラーソンの様々な表情の作品を見る機会になりそうです。
松屋銀座での「リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界 — クラシックな名作とともに Lisa Larson : Seen and Unseen」は、5月17日から6月5日まで開催予定。お楽しみの展覧会限定グッズもお見逃しなく!
リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界 — クラシックな名作とともに
Lisa Larson : Seen and Unseen会期:2023年5月17日(水)~6月5日(月)会期中無休
会場:松屋銀座 8階イベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)
時間:10時~20時 日曜は19時30分まで ※最終日は17時閉場。入場は閉場の30分前まで
入場料:一般・大学生1500円(1200円)、高校生・中学生700円(500円)、小学生300円(200円)、ペア券(一般・大学生の2名入場可)2,500円(2,000円)
※未就学児無料。すべて税込。()は前売り料金
※前売券はアソビュー!、ローソンチケットにて4月21日から5月16日まで販売予定
詳細:
https://www.matsuya.com/ginza/events/2023/0421/lisa-larson/▼ギャラリーツアー
日時:5月17日(水)~20日(土)14:00~15:00
内容:企画担当者による作品解説
参加費:無料(但し、展覧会の入場券が必要)
▼巡回先予定
2023年7月8日~8月27日 秋田・アトリオン
2023年9月9日~11月19日 北海道立帯広美術館
2024年3月2日~5月26日 滋賀県陶芸の森陶芸館
2024年6月8日~8月25日 岐阜県現代陶芸美術館
※日程・会場は変更になる場合あり
<出品作品を一部ご紹介>シリーズ生産向けのデザインモデルを数多く手掛けてきたリサ・ラーソンですが、少量の生産だったために希少価値が高く、コレクターたちが探し求めているような作品が登場。
ハリネズミ/危機に瀕した動物たちシリーズ 製造1979年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
シロクマ/大きな動物園シリーズ 製造1958 - 1970年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
リサがグスタフスベリ社で仕事をしていた1954年から1980年にかけて繰り返し作品に用いられたのが、力強い筆さばきの装飾。スタッフォードシャー・ドッグをイメージして制作した「ペアのプードル」はその一例。
ペアのプードル 製造1964 - 1968年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
グスタフスベリの工房で制作した小さな円形のピースを持つオセロのようなボードゲームや一点もののレリーフ、筆で描いた一連の円形デザインが描かれたスケッチなども披露されます。
ボードゲーム「ターン・ザ・ウィンド」(ユニークピース) 1960年代 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
これまでに目にする機会の少なかった原型作品やユニークピース、シリーズ作品の中でも他では見られない希少な作品群を紹介。
座る 1 歳の子ども(ユニークピース) 1980年代 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
戦士(ユニークピース) 2001年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
素材の透明感や重量感を取り入れることができたガラス制作と並行して、ブロンズ塑像もデザインしたリサ。ガラスと同様、ブロンズもまた新しい芸術的挑戦でした。
偉大なる舟乗り 製造1978年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
リサは、1952年に画家であり版画家のグンナル・ラーソンと結婚。2020年に亡くなるまで、二人は芸術家同士の親密な対話を保ち続けました。グンナルはリサにとって最も大切な批評家であり、その芸術家としての判断にはいつも信頼をおいていたそうです。グンナルもリサからインスピレーションを得ており、粘土を用いて彫刻やレリーフ、器を制作しています。
花器(ユニークピース) 1960年代初頭 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
女性の顔のレリーフ(ユニークピース) 1980年代 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
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