2009/06/24

スウェーデンイベント@「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009」大特集!


「SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2009」
期間:2009年6月4日~14日
会場:表参道ヒルズ・ラフォーレミュージアム原宿ほか

SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2009
◆ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009◆

http://www.shortshorts.org/2009/

2009年6月4日~14日まで表参道ヒルズやラフォーレミュージアム原宿などで開催された「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2009」。
今年で11回目を迎え、世界各国から一同に集まった短編作品だらけの映画祭は、米国アカデミー賞公認短編映画祭でもあるんです。インターナショナル部門、アジアインターナショナル部門、そしてジャパン部門の3つのコンペ部門の優秀賞からグランプリが選ばれ、次年度のアカデミー賞短編部門ノミネート候補作品となります。
今年は過去最多、3600本以上の応募が集まり、コンペでは、厳選された22ヶ国、77作品が一挙に上映されました!

そんな盛り上がりをみせた第11回目ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009で、今年フィーチャーされたのが「スウェーデン」の作品たち。4日のオープニング日に、表参道ヒルズにてスウェーデンイベントが盛大に行われました。

LiLiCoさんと別所さん

ストックホルム出身、18歳に来日して以来、「王様のブランチ」などで映画コメンテーターとして大活躍のLiLiCoさんをゲストに、映画祭代表の別所哲也氏とスウェーデンのショートフィルムの魅力についてたっぷり語ってくれました。

「スウェーデンの方いらっしゃいますー?あっ!いたっ!hejhej!」と嬉しそうに手を振っていたフレンドリーなLiLiCoさん。スウェーデン大使館の方々でした。

◆イベント特別上映作品はどれも個性あふれる5作品◆

①「Money,Money,Money,(1976年)」(ミュージックビデオ By ABBA)

Money, Money, Money,by ABBAまずは、誰もが一度は耳にしたことのある名曲ABBAの「Money,Money,Money,」のミュージックビデオ。今では音楽+ミュージックビデオは当たり前のような時代ですが、ABBAはアメリカのMTVが1981年に始まる以前、すでに多くのミュージックビデオを作っていたんだそうです。
その作品の多くを手がけたのが、現代スウェーデンを代表する映画監督のラッセ・ハルストレム氏。ミュージックビデオの先駆けともいわれるABBAのミュージックビデオ2本が「スウェーデンプログラム」として映画祭期間内に紹介されました。そのうちのひとつ「Money,Money,Money,」がスウェーデンイベントで上映されました。

【北欧区】もちろん曲は知っていましたが、ミュージックビデオをじっくり全部見たのは初めてでした!1976年という時代に作られた映像は、インパクトありましたね。光と影や印象づける“繰り返し”のような映像技が巧みに使われていて引き込まれてしまいました。

Tile M for Murder(“M”の殺人予告)②「Tile M for Murder(“M”の殺人予告)(2008年)」(コメディ)

“Scrabble(スクラブル)”っていうゲームをご存知ですか?
アルファベットのコマで上手に単語を作り、得点を競うボードゲームです。ある暑い夏の午後、とある夫婦がゲームを開始。“なんでこんなゲームを妻とやってるんだ俺は?”と不満ながらにゲームを進める夫。いちいち嫌味っぽい妻に徐々にうっとうしさを覚え、ついに妻を“消そう”と考えます。
たまたま自分がボード上に並べた単語が、現実になることがわかった夫。「雷」という言葉が出来たとたん、晴れていた空が突如、雷鳴とどろく雷雨となって現実のものとなりました。黄色いカーテンが豪快に揺れ動き、部屋の中はまるで嵐のよう。喜ぶ夫。しかし動じない妻。夫婦同士の戦いもヒートアップしていきます。そして夫はついに恐ろしい言葉を作ることができました。「窒息」。すると、窒息に追いやられたのは・・・。

【北欧区】たった8分なのに、この手に汗握る展開に脱帽!別所さんもLiLiCoさんも「あのあと、あの夫婦どうなったんだろーー??」って気になりまくってました。
別所さんは、ハリウッド映画のように、起承転結がくっきりはっきりしているものもいいけど、スウェーデン映画や、ヨーロッパ映画なんかは、作品が終わった後、あの後どうなったと思う??といったように、人それぞれに違う解釈とエンディングがあって、それを楽しむという感じだよね、とおっしゃっていました。映画がコミュニケーションツールのひとつになるって、素敵ですよね!

Music for One Apartment and Six Drummers(アパートの一室、6人のドラマー)③「Music for One Apartment and Six Drummers(アパートの一室、6人のドラマー)(2001年)」(ドラマ)

舞台はストックホルム郊外の閑静な住宅地。老夫婦が犬の散歩に出かけた後、車から若い男女6人がアパートに向かって入っていきます。老夫婦の家に入り込んだ6人が始めたのは・・・家のあらゆるものを楽器にしてビートを奏でているではありませんか!?しかも、シラ~ッとした顔でノリノリでやってのける6人。まず向かったのはキッチン、そして時計を確認しつつ次はバスルームに移動。そして寝室に移り、最後はリビング。初めの頃はきちんと片付けていたにもかかわらず、徐々にやりたい放題。部屋はグチャグチャ、気分はノリノリで絶好調なときに、玄関のドアがガチャリと開いて・・・。

【北欧区】えーーーっ!そこで終わり?どうなっちゃったの?6人vs老夫婦・・・。それとも知り合い??6人の華麗かつ細かい音出しが素晴らしくウケるドラマー技に感動しつつも、老夫婦が帰ってきちゃったらどうするんだよー!とこちらまで焦りつつ。。あまりのやりたい放題ぶりに、なんだか最後の方はこちらまで気持ちよくなってきましたよ(笑)!

Instead of Abracatabra(Photo by David Grehn(c)Direktorn & Fabrikorn)④「Instead of Abracatabra(2008年)」(コメディ)

とある一軒家に住む親子3人。25歳になる息子トマスは定職もなく、父親は早くキチンと仕事をしてほしいと毎日ヤキモキ。当の息子トマスは“マジシャン”になる夢以外選択肢はない様子。
自分のマジックで母親にケガを負わせてしまったトマスは病院で看護士で隣人のモニカに出会い、一目ぼれ。マジシャン(自称)だというトマスに、モニカは自分の子供の誕生日会でマジックショーを披露してほしいと頼みます。美人のモニカに頼まれ、テンションあがりまくりのトマス。失敗だらけのトマスだったが、子供の前でなんとかマジック成功。調子に乗って、次は父親の誕生日会でマジックショーをすると、ついウソを言ってしまいます。息子のいい加減なウソに怒り心頭の父でしたが、パーティーの後定職を探すという約束のもと、開催に至りました。いつも以上にノリノリのトマス。奇妙なダンスから始まり、出てきたのは剣と箱。箱に男性が入る、剣を刺す・・・。トマスが披露した奇怪なマジックとは一体?!

【北欧区】もーですね、これね、大ウケでした!本当に、こんな短い作品なのに、笑いのツボ押されまくりで、隣の方や前の方、私の声でうるさかったかもしれません(失礼しました)!!
トマスとモニカの二人の行方は・・・?トマスはマジシャンを辞めて本当に定職についたのか・・・?気になるポイント満載の作品でした。

カンチガイ系自称マジシャンのトマスが、呪文やまじないをかける時に「シメ~イ!」って使うんですが、別所さんもLiLiCoさんも「あれ、明日からみんな使うんじゃない?シメ~イ(笑)」って大ウケでしたよ。トマスのなんとも応援したくなるような、天然で無邪気で残念すぎるキャラ(イケメンなんですけどね!)に、ハラハラドキドキが止まらないお父さんの対照的なこと!お父さんの親ならではの表情も絶妙でした。「表情が奏でるセリフ。心のセリフだね」と別所さんも絶賛。親子関係も恋愛も、“世界共通”なんだね!と。オモシロイ中に、いろんな要素がギッシリ詰まっていた作品でした!

Good Advice(ボクのアドバイス)⑤「Good Advice(ボクのアドバイス)(2009年)」(ドラマ)

10歳の少年ラスムスはちっとも話を聞いてくれない両親に愛想をつかし、家出を決心。その前に、生まれてくる弟に人生のアドバイスを残そうとします。録音用テープレコーダーとマイクを肌身離さず持ち歩き、父親・母親・友だちに対してどう接すればよいか、上手に生き抜くための処世術をテープに吹き込んでいきます。
ついに家出の時。両親はラスムスがいないことに気づき、大慌てで警察とともに捜索します。ラスムスを探しながら残されたテープを車内で聴き、ガックリと肩を落とす両親。もう少し彼のことをわかってあげていれば・・・。彼のためだと思っていたのに・・・。
夜中になってもラスムスの行方はわからないまま。青白い顔で両親は車に乗り込み、テープを聞いて
みたら、なんとまだ続きがあって・・・。

【北欧区】ちょっとレトロな風景、家具やインテリア、車や空気感など、とってもおしゃれな感じの作品。なんでも、テープレコーダーを使いたいという監督の意向で、こういったレトロな時代背景にしたんだそうですよ。
ポッチャリしているラスムス君がとってもキュート。子供心に感じるポイント、子供目線の可愛い訴え(でも子供からしたら必死!なんとなく記憶があります(笑))といったものが、絶妙に表現されていました。

◆別所さん「朝食って、お国柄が見えるよね」◆

「食卓の音って、日本の朝食風景にも独特な音があって。映画で改めて食事シーンを見たりすると、日本ってこうやって世界に映ってるんだ、ってわかる」と別所さん。LiLiCoさんも音が大好きだそうです。早朝に近所のイタリアンレストランで、ワインボトルを割っている音がするんだそうですが、その音が大好き!なんだそうです。早起きしたんだなぁーとか、何か得した気分になるんだそうですよ。
ソーセージを焼くシーンでもスウェーデンの食卓の“音”が感じられました。分厚くて美味しそうなソーセージを見て、別所さんは「ハムかと思った!」らしいです。それにしても、ソーセージの焼ける音に、お腹がグゥゥと鳴った人は私だけじゃなかったはず!

Andreas Tibblin監督◆「Good Advice」を手がけたAndreas Tibblin監督が来日!◆

スウェーデンイベント当日、Tibblin監督から貴重なお話をお聞きすることができました。さすがに「ちょっと時差ボケ」という監督でしたが、真面目な表情のままジョーク炸裂!LiLiCoさんとスウェーデン語でお話に花が咲いていました。「(今話した内容を)訳さなかったら、みんなイヤだよね~?」と会場をからかうお茶目なLiLiCoさん。

「この作品は監督自身の経験から?」という質問に、なんとTibblin監督、ラスムス君のように長男ではなく末っ子。家出はもちろん経験済み(やっぱり!)だそうですが、なんとご両親に家出をしたことを気づいてもらえず・・・という、なんとも切ない経験がおありだとか。
監督の心を反映しているこの作品を、ぜひご両親に見てもらいたいそうですが、只今ご両親は旅行中。見せたいのにまだ見てもらえてないのだそう。監督の哀愁ぶりに、私自身かなりツボでした(監督スミマセン)。。ご両親、ぜひ見てくださいね!

スウェーデン・トークに夢中のLiLiCoさん◆イベント時間が過ぎても、まだまだ足りない!◆

LiLiCoさんと別所さんのお話は、ますますヒートアップ!正直、場所を替えて飲みながらお話の続きを聞きたかったほど(笑)。
18歳までスウェーデンにいたLiLiCoさんならではの地元トークはさすがでした。LiLiCoさんの美容トークまで飛び出し、キレイな小麦色の肌が話題に。LiLiCoさんは「健康的に見られたいから」ということで、スウェーデンにいた頃も、友だちと一緒に競い合って、太陽が出ていたら少しでも日に当たって焼こうとしていたとか。

別所さんは作品にも出てきたスウェーデンの部屋が気になった様子。「黄色いカーテンや赤い壁の部屋など、本当にカラフル。北欧は冬とかずっと外が暗いから、少しでも明るい気持ちにするために室内をカラフルにするのかな」と話していました。
LiLiCoさんは「冬は2~3時間しか明るくないし、逆に夏の夜はずーっと薄明るいから常に眠たかった」など、経験者ならではのお話をしてくれました。

時間が過ぎてもスウェーデン絡みの話をまだまだしたくてたまらない!といった感じの元気でチャーミングなLiLiCoさん。本当に貴重なお話、ありがとうございました。
LiLiCoさんと別所さんでショートフィルムを一緒に作ろうというトークも飛び出し、もしかしたら近いうちにお二人のコラボ作品が見られる日も近いかもしれませんね!

来年もどんなショート作品がやってくるか、楽しみですね!北欧作品ウェルカム!!
ぜひみなさんも足を運んでみてください。
http://www.shortshorts.org/2009/

S.O.S by ABBA◆スウェーデンプログラムで上映された作品はこちらでチェック!◆
1分クリップも見れます♪
http://www.shortshorts.org/2009/ja/ssff/film/sweden.html

「S.O.S(1975年)」(ミュージックビデオ By ABBA)
「Lies(ウソ)(2008年)」(アニメーション)
「KARINS FACE(母の面影)(1986年)」(ドキュメンタリー)
「Pokerface(ポーカーフェイス)(2008年)」(ドラマ)Pokerface(ポーカーフェイス)
「Dream Scape(ドリーム・フェギアスケート)(2007年)」
(エクスペリメンタル)

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