2010/12/27

HIRAMEKI DESIGN × FINLAND vol.6 @新宿リビングセンターOZONE

HIRAMEKI DESIGN × FINLAND
期間:2010年10月29日(金)~11月7日(日)
会場:リビングデザインセンターOZONE(東京・新宿)
キュレーター:ハッリ・コスキネン&イルッカ・スッパネン

 

 
 

   

 

6回にわけてシリーズでお届けしたHIRAMEKI  DESIGN × FINLAND。
今回で最終回。引き続きリビングデザインセンターOZONE1階のギャラリー1より、
vol.6はヘルシンキを拠点とするデザインエージェンシーCREADESIGN(クレアデザイン)
デザイナーさん、そしてヘルシンキの街にある“あの作品この作品”を手がけたという
クレアデザインの歴史と作品たちをご紹介します。


   
             

 

   

 

実はギャラリー1に入った時から気になっていたこちらの作品。

「これは一体なんですか?」

「フィンランドに古くから伝わる伝統工芸品よ。Himmeli(ヒンメリ)っていうの」


笑顔で答えてくれたのは、服飾デザイナーのAnnele Valkama(アンネレ・ヴァルカマ)さん。

クリスマスデコレーションとして家族みんなでヒンメリを作り、食卓の上へ吊るしていたそうです。昔と比べ、最近では作る人が減ったといわれているヒンメリ。アンネレさんのアプローチで伝統的なヒンメリがモダンなデザインへと変身しました。

Polku(ポルク)という名前のこの作品。意味は「通り道」。港のクレーン車と大都市の荒廃した道端の風景が強いインスピレーションとなっているのだそう。

       
       
       

 

こちらもフィンランドの伝統工芸品ヒンメリにインスピレーションを得たもの。Vaakaan(ヴァーカーン)、「水平に」という意味なのだそう。

日本のちょうちんのように、折りたたみ可能で収納も簡単。

「シルエットも見てみてね」とアンネレさん。

ご覧のように、とても美しく、日本人の私にとってはどこかノスタルジー、「和」を感じました。

日本の和室にもぴったり合いそうなモビールですね。

   
     

 

       
       
     

 

こちらがとっても笑顔の素敵なアンネレさん。

Hiramekiでお会いしたデザイナーさんはモノトーンでシックな装いの方が多かったのですが、これがまた、シャープでかっこいいんですよね。

このPolkuとVaakaanに使われている素材は、葦(あし)と麻糸のみ。

作るきっかけとなったのは・・・?

「私は港に住んでいて、海が目の前なんだけど、そこらじゅうに葦(あし)が生えていたから作ろうと思いついたのよ」

「そこに葦があったから」という、なんともシンプルな発想。

「私は今までにいろんなモノを作ってきたけど、もう何かを量産したり・・・例えば新たにゴミを作ってしまうようなモノは作りたくないのよ」とアンネレさん。

元々自然にあったもの、生えていた葦を使ってデザインしたエコな作品。長年デザインを手がけていて辿り着いた答えが、PolkuとVaakaanなのかもしれません。

       
       

 

お話の内容から、デザイナー歴が長いとお見受けしたアンネレさん。

「ちょっと待っててね」とiPadを持ってきて、クレアデザインが手がけた作品をたっぷりと見せてくれました。(iPad便利ですね~)

こちらの作品は、クレアデザイン創設者兼CEO、工業デザイナーで教授でもあるHannu Kähönen(ハンヌ・カホネン)さんの作品「2Fチェア(トゥー・フェイス)」。

素材は白樺の合板。異なる2色が現れるように表と裏、両面開く事ができる折りたたみ椅子。ドイツのIF賞を受賞しています。

   

 


     
       
       

 

   

 

こちらはクレアデザインのパンフレット。ヘルシンキの街を描いた手書きのイラストがなんともユニークで、これがすごい!

ヘルシンキの街を歩いていると、クレアデザインがデザインしたアイテムにじゃんじゃん出逢っちゃうんです。

まずはヘルシンキに来たら乗るトラム。低床式トラムは1996~1999年にデザイン。さらにバスにも乗ったりしますよね。「スマイリング・スカラ」低床車両バスも2000年にデザイン。また、ヘルシンキは海も近くにあります。スオメンリンナ島行きフェリーは1999年にデザイン。

そしてさらに、美しいヘルシンキにするために毎日大活躍の公共の場にあるゴミ箱。新しいゴミ箱は2009~2010年にデザインされたものなのだそうです。

なんといっても驚きなのは、「鍵」。ほとんどのフィンランド人の家で使われているアブロイ社の鍵もそう。Abloy(R)PROTEC DfAキーはクレアデザインが2003年にデザインしたもの。

       
       
       

 

フィンランドの、ヘルシンキの歴史とともに歩んでいるクレアデザインの数々の作品にただただ驚くばかり。Hiramekiの締めとして最後に出逢えてよかったです。アンネレさん、ありがとうございました。

ギャラリー1をあとにして、舞い戻ってきたHiramekiエントランス。感動と興奮がおさまらない。

派手な色はない、静かな佇まいの中にも、フィンランドのあたたかさ、そしてデザインへの熱いパワーをひしひしと感じたイベントでした。

   

 


     
       
       
  最終回vol.6、お届けいたしました!
いかがでしたでしょうか?
vol.1~vol.6まで、長きにわたり、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Hiramekiに行った方も、行ってない方も楽しめる内容であったら嬉しいです。
それではまた、他の北欧イベントの特集でお会いしましょう!
   

 

 

 

 

 

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