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たくさんの美味しいものが登場する食欲の秋に、北欧5ヶ国を代表するスターシェフたちがデンマーク大使公邸に集結。北欧5ヶ国の在日大使館が協力し、しかも料理というジャンルのイベントを開催するのは世界でも珍しい試みということで、北欧区としても注目していたイベントでした。北欧料理といっても、歴史も違えばそれぞれ文化も異なります。北欧5ヶ国が提言するニュー・ノルディック料理とは一体どんなものなのでしょうか?日本との共通点も意外とありそうです。
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まず、食品調査機関「Nofima」のディレクターで、ノルディックフードの歴史や知識などに長けたアイナー・リスヴィック氏(一番左)が、北欧料理がどのように世界で注目を浴びていったかという経緯を話してくださいました。
大きなきっかけとなったのは、世界最高の料理の一人と言われ、多大な影響力を持つスペインの フェラン・アドリア氏の発言。北欧について、「未開拓の宝の宝庫」と呼び、北欧料理は「純粋でシンプルで新鮮であり、素材そのままを感じさせる新しい料理」だと話したそうです。
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それでは、北欧の「新しい料理」とは一体どんなものなのでしょうか?北欧5ヶ国のスターシェフたちに伺ってみましょう。
こちらはノーベル晩餐会のメニューも手がけるスウェーデンのマーリン・セーデシュトロムシェフの料理。スウェーデンの「北の地域」を詰め込んだ一皿で、トナカイのタルタル、シロマスの卵、ジュニパーベリーやウォッカで風味を出し、ミョウガ、フライドオニオンを上に散らしています。
初来日で、すっかり日本料理に魅了されたというマーリンシェフ。「日本の料理は食材を無駄にせず、それぞれを生かすような使い方をしていることに感銘を受けました。漬物や発酵食品が興味深かったですね」と話していました。
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隣は、デンマークのトーステン・シュミットシェフの料理。
秋という季節感を出した一皿で、マッシュルーム、ブイヨン、ワイルドハーブなどで野性的な味に仕上げたそうです。鶏の卵が使われていますが、「これが野生の鶏の卵だと尚良いですね」と素材へのこだわりを話してくれました。
また、「自分たちの向かうところ、信念がずれてはならない。しっかり持っていなければ誰かのコピーになってしまう」と熱く語ってくれたトーステンシェフ。すっかり日本が気に入ってしまったというシェフは11月に再来日する予定だとか。
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アイノ・アアルトデザインのプレートに盛り付けられたのは、フィンランドのアンット・メラスニエミシェフの料理。
角切りにしてソテーした、外はカリカリ、中は柔らかな食感が楽しめるアーキペラゴブレッドに、スズキ、ネギ、ハーブを使い、酸味も加えた一皿。青ネギの風味が日本酒にも合いそうな一品です。
毎回日本に来るたび、面白い食材に出逢うというアンットシェフ。日本と北欧のキッチンには多くの共通点があると語り、「素材そのものや、その形状を生かして、美しく盛り付けるという点が似ていますね」と語っていました。
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ロイヤル・コペンハーゲンの皿に盛り付けられたこちらの料理は、アイスランドのハーコン・マウル・オルヴァルソンシェフの料理。
北欧らしい食材をふんだんに使っています。燻製して火を通したイワナ、マスタード、キュウリなどを使い、マイルドで自然な香りのする一皿に仕上げました。後で登場した嬉しいデザートはクリームにベリーのソースが乗ったもの。
興味の沸いた日本の食材は?と尋ねられたハーコンシェフは、「アイスランドは海が近いのに、海藻類を十分に生かしきれていないので、ぜひ積極的に取り入れてみたい」と話していました。
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ホタテの貝のプレートで出てきたのは、2009年ボキューズドール優勝など、若くして輝かしい実績を持つノルウェーのガイル・シャイエシェフの料理。
ノルウェー北部でとれたホタテをグリルし、カリフラワーのクリーム、ヘーゼルナッツのナッティな香りでホタテの味を引き立たせました。シンプルながら、食感と香りがたまらない、その計算しつくされたバランスに感動を覚えた一品。
ガイルシェフもまた、「懐石料理のように、美しく盛り付けたり。日本と北欧の料理はとても似ている点が多いと思います」と、両国の共通する部分を感じていました。 |
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会場エントランス付近には、なんと今年オープンしたばかりの話題のノルウェーカフェ&バー「 Fuglen Tokyo」より、オリジナルカクテルが登場。
今回のイベントのために作られた特別なカクテルで、濃厚なノルウェー産ブルーベリージュースとデンマーク産アクアヴィットを使った一杯。ベリーと蒸留酒アクアヴィットという北欧を代表するもの同士のコラボカクテルです。 |
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(左から)アイスランドのハーコン・マウル・オルヴァルソン、デンマークのトーステン・シュミット、スウェーデンのマーリン・セーデシュトロム、フィンランドのアンット・メラスニエミ、ノルウェーのガイル・シャイエの5人のスターシェフたち。 |
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スペシャルゲストとして、トーステンシェフと19日のディナーでコンビを組んだ「NARISAWA」の成澤由浩シェフ、そしてガイルシェフと組んだレフェルヴェソンスの生江史伸シェフも登場。
成澤シェフは十数年前に北欧を訪れ、コペンハーゲンのNomaにも行ったことがあるとか。「北欧は日本に近い食文化。互いに刺激合うことができたら嬉しい」と話していました。
ついこの夏、デンマークを中心に北欧を訪れたばかりという生江シェフは、北欧5ヶ国のシェフについて、「非常にインテリジェント。技術だけでなく、料理の中にある意味を探すことに長けていると思います」と印象を語り、「(北欧のシェフたちは)海外で自分たちが学んだことを自国に持ち帰り、自分たちの土地に根ざすような形でハイブリッドして料理を作っているという印象があります」と話し、今回のイベント、そして今後の展開を楽しみにしているといった様子。
17日の晩、関係者で向かったある店で「ぬかづけ」を食べた5人のシェフたち。新鮮な味に興味津々のシェフたちは、厨房の「ぬか床」を全員で見せてもらい、「母国に帰ったらすぐに作ってみたい!」と声を揃えたとか。数年後、もしかすると北欧で日本の「NUKA」がブームになっているかも・・・?
日本と北欧。互いにインスパイアされた次代の新しい料理に期待です。
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ノルディック・スターシェフ・イン・ジャパン 北欧 5ヶ国 在日大使館 プレスイベント デンマーク大使館 アイナー・リスヴィック フェラン・アドリア マーリン・セーデシュトロム トーステン・シュミット アンット・メラスニエミ ハーコン・マウル・オルヴァルソン ガイル・シャイエ Fuglen Tokyo 成澤由浩 生江史伸