2014年6月に東京ビッグサイトで開催された「インテリア ライフスタイル」。以前はGLOBALのゾーンの中で紹介されていた北欧でしたが、その人気と、インテリアのみならず、さまざまなジャンルでトレンドを超えた地位を確立してきた北欧デザイン。ついには、Nordic Lifestyleとして独立。今回もまたさらに充実したランナップで来場者をにぎわせていました。
今回北欧区が注目したのは、この春日本に本格デビューした、約200年の歴史を誇るフィンランド最古のテキスタイルブランド「フィンレイソン(Finlayson)」。初お披露目のアイテムや、今後の日本展開など、いろいろなお話を伺ってきました。
フィンレイソン、本格的に日本上陸!
あの話題の「赤ちゃんセット」の中にも
フィンレイソンは、1820年創業、北欧フィンランド最古のテキスタイルメーカー。寝装品やホームテキスタイルを中心とした質の高いプロダクトで、国内外の人々に愛されてきました。価格帯も手ごろで、フィンランドのどの家庭でも見られるほど、広く一般に浸透しているブランドです。
いま日本をはじめ世界で話題となっている、赤ちゃんがはじめて使う必要なものが国から届くフィンランド独自のシステム「赤ちゃんセット」にも、フィンレイソンの生地が使われた品物が入っているとか。使用してみてそれをまたリピートする家庭も多く、ママからの信頼も絶大。
伝統あるフィンランドのテキスタイルと、
質の高い日本のものづくり技術の融合
フィンレイソンのデザインアトリエは、1951年にフィンランドでスタート。何十年もの間ずっと親しまれている人気のクラシック柄をはじめ、トレンドカラーやモチーフをとらえた豊富なデザインが揃っています。
上画像は1958年にアイニ・ヴァーリがデザインした、フィンレイソンの代表的なパターン「CORONNA(コロナ)」。幾何学的でシンプル。なんと、生地はフィンランド本国から、プロダクトは全てメイド・イン・ジャパン。フィンランドにはないラインナップです。ランチトートバッグやランチクロス、ポーチは、「㈱コッカ」が手がけ、ポーチやバッグ、がまぐちやてぬぐいは、「㈱かまわぬ」、マグカップなどは「レアック・ジャパン㈱」、玄関マットやラグを「アスワン㈱」が担当。数社の日本企業がフィンレイソンのブースで一堂にプロダクトを披露していました。
フィンランドにはない、日本ならではのラインナップも。ファスナーや中の縫い目など、細部にわたるところも非常にクオリティが高く、フィンランド本社からも日本のものづくりの素晴らしさに感動されたそうです。
たとえばポーチ。日本では同じデザインは同じパターンの部分を切り出して揃えてしまいがちですが、そうしてしまうと、その統一感が何か“日本っぽくなりすぎる”ため、あえて揃えないことにしたそうです。すべて切り出した部分でデザインの出方が異なる、一点ものに出会うような感覚で選ぶことができます。
デザインと生地はフィンランドが守ってきた伝統ブランド、フィンレイソン。そして、その生地使って日本企業がそれぞれの技術を駆使してプロダクトに仕上げるという、「フィンランド×日本」の融合。
ちなみに、手前の植物柄は、「RIIKINKUKKO(リーキンクッコ:クジャク)」。クジャクがリズミカルに動きまわる、絵画のように美しい秋の庭を表現しています。その左隣にあるピンク系のポーチの柄は、「VALMU(ヴァルム)」。フィンランド語でポピーのこと。ピンクやブルー、淡いパステル系の色もあり、バッグからポーチ、がまぐち、てぬぐい、ラグやカーテンにいたるまで、幅広くなじむデザイン。奥にある象の絵柄は、「ELEFANTTI(エレファンティ)」。1969年、フィンレイソンと芸術デザイン大学が共催したデザインコンペで、ライナ・コスケラが発表したもの。白×黒、白×黄、白×赤のほか、カラーバリエも豊富。
「TAIMI(タイミ:小さな植物)」シリーズ。 1961年、アイニ・ヴァーリによるデザイン。 |
ブースの様子。 |
2020年東京五輪に向けてますます注目される日本
進化し続ける「北欧×日本」は世界へ羽ばたくのか?
フィンレイソンはハイエンドではなく、ミドルエンド。特別なギフトといったものではなく、自分用、ふだんづかい用として幅広い層に手にとってもらいたい。そんな願いもあってポーチも1000円台~3000円台。
2020年で、ちょうど200周年を迎えるフィンレイソン。
東京五輪を迎える日本で、海外からの旅行客にも、北欧フィンランドの生地を使ったメイド・イン・ジャパンに注目されることも期待できそう。
日本国内で北欧デザインが注目され、さまざまなブランドが紹介される中で、ぞくぞくと生まれつつある「北欧×日本」のコラボプロダクト。互いを尊敬しあい、刺激を受け、うまくとけあって、また新たな文化として誕生している傾向は、今後も続いていきそうな予感。
●ブランドに関するお問い合わせ先●
株式会社アンドフィーカ
http://andfika.co.jp/
●各商品に関するお問い合わせ先●
株式会社コッカ
http://kokka-fabric.com/
株式会社かまわぬ
http://www.kamawanu.co.jp/
レアック・ジャパン株式会社
http://www.reacjapan.com/
アスワン株式会社
http://www.aswan.co.jp/
株式会社ピーオーエス
http://www.posjapan.co.jp/
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Interior Lifestyle Tokyo
インテリア ライフスタイル
会期:2014年6月4日(水)~6日(金)
会場:東京ビッグサイト
西1・2・3・4ホール アトリウム
http://www.interior-lifestyle.com/
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