2015/03/12

【特集】クリーンな環境ではぐくまれた、知られざるフィンランドの高品質な食材たち!

「分とく山」総料理長・野崎氏も驚いた質の高いフィンランドの食材!
フィンランドのクリーンな環境ではぐくまれた、知られざる良質なフードとは?



3月上旬、フィンランド大使館にて、フィンランドの食べ物の魅力を紹介するイベントが行われました。アジア最大級の食品展「Foodex Japan2015」(2015年3月3日~6日)に出展するフィンランド企業が来日。まだ日本で知られていない自慢の食材をアピールしました。

昨年フィンランドを訪れたという日本を代表する料理人、「分とく山」総料理長の野崎洋光さんも駆けつけ、フィンランドでの素敵なエピソードを披露。さらには、フィンランドを代表するシェフ、アルト・ラスタスさんによる、フィンランド食材を使った料理も並びました。

日本ではまだ認知度が低いフィンランド食材ですが、実は、40%以上がフィンランド国外で消費されています。ロシア、スウェーデン、エストニア、ドイツなどが主な輸出先。日本・韓国・中国をはじめとするアジア圏にも市場を広げていきたいと考えているそうです。

とにかく胸を張れるのは、クリーンな水・空気・土に恵まれた北極圏の寒い環境下でつくられたものだということ。さらに、食品製造過程が整っており、食品の研究開発が発達していること。深刻な動物の病気の発生事例もないとか。フィンランドの食品は衛生面・安全面でも安心とのこと。

 
分とく山」総料理長の野崎洋光さん/フィンランドを代表するシェフ、アルト・ラスタスさん

日本料理「分とく山」総料理長の野崎さんは、「お世辞抜きで、すぐまた行きたい国はフィンランド」と、すっかりフィンランドに魅了された様子。水温が低いほうがやはり魚の身がしまっているそうで、特に白身の魚はすばらしいと絶賛。「ヒラメの薄造りが出来るんですよ。昆布締めもいい」と、フィンランドの白身魚は和食にも合うと強調。最も驚いたのは、サーモン。これまでに食べたことがない、日本にはない美味しさでびっくりしたそうです。

また、日本料理といえば「醤油」は欠かせない調味料ですが、現地で料理を披露したときは、醤油をいっさい使わなかったそうです。「ベリーは白和えとか。白樺の樹液はスープやソースに出来る」と、日本のものを持っていかず、現地ですべて調達。

さらに、魚に対してとても神経が細やかで、扱い方に感動したという野崎さん。「60~80年代あたりの、そのままの時代の文化が残っていながら、きれいな水でものが作れる環境は憧れ」といい、『人がご馳走』であることをまさにフィンランドで体感したと、とても刺激的な滞在だったようです。

日本料理を知りつくす野崎さんを唸らせたフィンランド食材。Foodex Japan2015に参加したフィンランド企業が扱う食材を使って、アルト・ラスタス シェフがおいしい料理を披露してくれました。その一部をご紹介します。

●グリーンポテトサラダ
●魚の紙包み焼き ホースラディッシュとKaskein社の乾燥クランベリーとともに
淡水魚はクランベリーソースが合うとか。(濃厚なベリーと魚の組み合わせは初体験!)
Showroom Finland社のライ麦チップ 軽くスモークしたサーモンとKyro社のジンでマリネしたキュウリ添え



●揚げワカサギ ディルマヨネーズで(上画像手前左端)
ムイックというフィンランドでよく食べられる小魚に似ているワカサギを使用。
Vaissi社のキャベツロール Roberts社のコケモモ(リンゴンベリー)ジャム添え(上画像手前中央)
フィンランドのロールキャベツ「キャベツロール」にはお米が入っているのが特徴的。コケモモジャムでいただきます。
Linkosuo社のミニライ麦チップ ひき肉と生クリームのソース(上画像手前右端)
こちら周りの人も思わず「美味しい!」との声多数。ライ麦チップでボリュームが出る上に、アルコールとの相性も◎
Helsinki Millsl社の大麦のマリネ HunajainenSAM社の松風味蜂蜜づけ
●塩味の牛肉とKyro社のライ麦スピリットによる大根サラダ(上画像奥右端)



上画像左に見えるのは、トナカイのサラミ。これまた絶品。とっても優しい味!

Hunajayhtyma社の蜂蜜とコケモモ、ブルーベリーで味付けしたホームメイドチーズ(画像中央)
チーズ好きにはたまらない文句なく美味しいデザートチーズ!ワインにぴったり!(お持ち帰りしたい)



Lignell&Piispanen社のブラックカラントリキュールで味付けした甘いプディング バラの蜂蜜添え
そしてこちらがシェフおすすめのデザート!今回初来日だというラスタス シェフですが、アメリカなど他の国でも披露すると、必ず美味しいと言われる自慢の品。濃厚なのに、ヨーグルトのようなさっぱり感がクセになりそう。

 

左は、Showroom Finland社のライ麦チップ。ムーミンのパッケージも自社でデザイン。Showroom Finland社は他にインテリア製品なども手がけています。

右は、Nordic Koivu社の白樺樹液のドリンク。白樺の樹液は健康に良いとされているそうです。ブルーベリーとリンゴンベリーと割ったものも。さっぱりとした味わい。

【飲み物】
Nordic Koivu社の白樺樹液のアペリティフ 
Stallhagen社のビール
Kyro社の蒸留酒(ライ麦だけを使ったスピリットは世界初!)
Lignell&Piispanen社のリキュール

乾燥ベリーや果汁、ハチミツにライ麦チップというラインナップを見ると、デザートが出てきそうなイメージを持っていましたが、魚や肉とあわせて、調味料として見事に素材を引き立てていました。

アルコール類も有名なものはすでに知られているフィンランドですが、Kyro社のライ麦のみで蒸留したウィスキー、本当に香りが高く、美味しかったです。2012年に5人の友人同士が集まってスタートしたKyro社。試行錯誤の末、ライ麦のみで蒸留した世界初のウィスキーとジンの製造に成功しました。

 
Kyro社のキャッチコピーは「クレイジーなフィンランド人からの、世界一ウマいライ麦スピリッツ」。ただならぬファンキーな香りがしますが、ライ麦スピリッツと柚子果汁を使ったカクテルに驚き。芳醇な香りにうっとり。楽しい仲間たちと誠実に作られたお酒。


あとアルコールは、Stallhagen社のビールも会場で好評でした。2010年、1840年代のビール5本がバルト海に沈んでいた船から発見され、研究を重ね、そのレシピをもとに再現されたという、時代を超えたロマンチックなビール。濃厚で渋い味かと思いきや、すっきりとして飲みやすい。料理との相性も抜群。まんまと料理とお酒を行ったりきたりしてしまう罠にはめられてしまい・・・フィンランド食材の直球の美味しさにすっかり魅了されました。

野崎さんのお話にもありましたが、日本人の口にも、日本食にも合うフィンランド食材。工夫次第では、バリエーションは無限大。まだほぼ日本には入ってきていないものばかり。近いうちに堪能できる日が楽しみです。

【参考】
フィンランドの食品を詳しく知り方は、Food From Finlandのページをチェック!レシピの紹介もあり。
アジア最大級の食品展「Foodex Japan
野崎洋光さんが総料理長をつとめる日本料理店「分とく山
フィンランドを代表するアルト・ラスタス シェフ

取材場所:フィンランド大使館

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