2015/05/20

【特集】マッツ・ミケルセン来日!目の奥の光をも巧みに操る演技に注目「悪党に粛清を」6/27公開

“北欧の至宝”マッツ・ミケルセン初来日!
「デンマークでは手を振るのは女王くらいだよ」と照れつつも、舞台挨拶は終始笑顔!
マッツ舞台挨拶の模様と、主演映画「悪党に粛清を」の見どころをチェック!



映画「悪党に粛清を」の主演マッツ・ミケルセン初来日
茶目っ気たっぷり!終始笑顔で、本作をアピール


来日決定の一報の際、Twitterで「マッツ」がトレンド入りを果たし、舞台挨拶付き「悪党に粛清を」日本最速上映会のチケットは発売開始1分以内で完売。北欧デンマークを代表する国際的演技派俳優マッツ・ミケルセン(以下マッツ)が今月初来日。5月12日、メイン館となる新宿武蔵野館にて、映画「悪党に粛清を」(6月27日公開)の舞台挨拶が行われました。

姿を現したマッツに、会場からあふれんばかりの(黄色い)声が飛び交う中、ハキハキとした通る(意外と高い?)声で、「ハロー!」と会場のファンに挨拶。スッとした立ち姿から感じられるエレガントな雰囲気が印象的。お茶目でサービス精神旺盛なマッツは、ネット上でも「ファンサ神対応」と評判に。

初来日ということで、日本の印象を聞かれたマッツは、ほぼずっとホテルに缶詰状態だったとか。やさしげな眼差しで会場の隅から隅までをじっくりと眺めながら、「日本人はみんなカメラを持っているんだね~」と楽しげ。

寿司を食べたり、歌舞伎を観賞したようで、「デンマークにもパントマイムバレエという似たものがある。セリフがないのでその点はちょっと違うけどね」と嬉しそう。舞台挨拶&上映会の後は、国内で2日間のオフを楽しみ、上海へ向かいました。

メディア向けフォトセッション時には、何度か「こちらに手を振ってくださ~い」という声に、「みんな日本では手を振るのが好きなんだね」と、これまたウケておりました(笑)「デンマークでは手を振るのは女王くらいだよ」と照れつつも、律儀に手を振り返していました。会場からは、「マッツ~!」「かわいいー!」の声。



「悪党に粛清を」は、マッツ演じる元兵士のデンマーク人ジョンが、新天地アメリカに到着したばかりの妻子を殺されたことが引き金となり、そこから想像を絶する復讐劇が始まるという西部劇。悲しみ・憎しみ・怒りが静かに描かれています。

「西部劇というジャンルは、セリフよりも、荒野にたたずむ一人の男が、表情や仕草などで感情を表現するもの」と作品を振り返るマッツ。目の奥にある光をも巧みに操った演技にも注目です。

感情を抑制した演技が多いといわれるマッツ。「取材のときもよく聞かれたけど、デンマークでは普通。きっと文化的なものなんだと思う」と話していました。デンマーク映画は暗くて悲しい映画が多いといわれますが、光と闇にスポットを当て、リアリズムを追い求める作品が目立ちます。

テレビシリーズの「ハンニバル」でレクターを演じていることで、「ハンニバルも感情を抑制した役だけど、少なくとも「悪党に粛清を」の主人公よりは、レクターのほうが楽しい人生を送っていると思うよ(笑)」と自らの役を比較していました。



デンマーク人が西部劇を作ったら?古典的な西部劇へのオマージュ
ドグマ95設立者の一人、クリスチャン・レヴリング監督作品

この映画を手がけたのは、ラース・フォン・トリアー、トマス・ヴィンターベア、セーレン・クラフ=ヤコブセンの4人と設立した「ドグマ95」の一人、デンマークのクリスチャン・レヴリング監督。西部劇といえばアメリカですが、外国による西部劇は世界中でも数多く公開されており、レヴリング監督自身もまた、デンマーク版西部劇を作りたかったそうです。「ジョン・フォード、セルジオ・レオーネ、黒澤明が自分にとってビッグ・ヒーロー」という監督にとって、この作品は「アメリカの古典的な西部劇へのオマージュ」だと語っています。

マッツが西部劇の主役を演じる。これは、スタッフ陣、俳優陣ともに、今映画界で注目されるデンマーク人が古典的な西部劇を描くことにより、映画の新たな道が開拓されることが目的だったのではないかと。(確かに新鮮!)

撮影地は南アフリカ。カメラアングルには気を使ったそうで、西部劇なのに「ちょっとカメラをずらすと、動物たちが映ってしまう」という大変長閑な風景が広がっていたようです。

美しい広大な自然をバックに、ゆったりとしたカメラワーク、光と影を駆使し、凛とした空気が流れる・・・まさに、北欧デンマーク映画に見るポイント。

不穏な空気が漂う街なのに、一つひとつの動作がとても丁寧に描かれているのもまたデンマークらしさを感じます。はっきりと照らすのではなく、あえて間接照明のように照らし、美しく静かな仕草や動きこそが、余計に、心の奥底に芽生えた憎しみや怒りを表しているかのよう。



主人公ジョンを演じるマッツはもちろん、
ジョンの兄ピーターやその他俳優陣にも注目!

ジョンの兄ピーターを演じるのは、スウェーデン人俳優ミカエル・パーシュブラント。アカデミー賞外国語映画賞を受賞したスサンネ・ビア監督作「未来を生きる君たちへ」(10)の主演アントンを演じ、スウェーデンの人気スターでありながら、デンマーク映画にも数多く出演。昨年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014で上映されたデンマーク映画「愛する人へ」では、苦悩するシンガーソングライターを演じ、渋い歌声を披露しています。

この兄役がまたカッコイイ。冒頭でマッツ&ミカエルが演じる兄弟に、正面からカメラがググーっと寄るシーンがあるんですが、その二人の絵になること!二人のまとうエレガントな美しさ。あれは一体何なんでしょう?(笑)心をわしづかみにされること間違いなし。

公開中のスサンネ・ビア監督作「真夜中のゆりかご」(15)と同様、「悪党に粛清を」もまた、脚本(監督と共同脚本)アナス・トーマス・イェンセンと、製作シセ・グラム・ヨルゲンセンの「未来を生きる君たちへ」(10)を手がけたコンビが参加。レヴリング監督をはじめ、マッツ・ミケルセンと、まさに今をときめくデンマーク映画の才能が結集した作品といえます。

また驚きは、フランス代表の元プロサッカー選手のエリック・カントナが出演しています。引退後は俳優として活躍。カントナの演技にも注目してみてください。

最後に見どころを聞かれたマッツは、「セルジオ・レオーネや黒澤明といった巨匠たちにインスパイアされている。たとえば黒澤明監督の「七人の侍」は、僕自身とても好きな映画。あれはサムライ映画というより、歴史的な“西部劇”だと思って見ていた。ネタバレになってはいけないので、皆さんで見てほしいのだけど、とにかく、とても美しい映画。「悪党に粛清を」、ぜひ楽しんでください」と、最後まで笑顔でアピールしていました。

2014年カンヌ国際映画祭に正式出品され大絶賛。世界中の映画祭で熱狂をもたらしたウェスタン・ノワール「悪党に粛清を」は、6/27(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開!

 【ストーリー】
1870年代アメリカ―。デンマークから新天地アメリカへ渡った元兵士のジョン(マッツ・ミケルセン)は、開拓地で非情にも妻子を殺されてしまう。犯人を追いつめ射殺したジョンだったが、犯人が悪名高いデラルー大佐の弟だったことから怒りを買う。更にその情婦で声を失ったマデリン(エヴァ・グリーン)も巻き込み、それぞれの孤独で壮絶な復讐がはじまる…。


悪党に粛清を
出演:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン(「300スリーハンドレッド 帝国の進撃」)、ジェフリー・ディーン・モーガン(「レッド・ドーン」)
監督:クリスチャン・レヴリング
配給:クロックワークス/東北新社 Presented by スターチャンネル
HP:http://akutou-shukusei.com/
2014年/デンマーク・イギリス・南アフリカ/シネマスコープ/カラー/93分/原題:The Salvation/R15+
(c)2014 Zentropa Entertainments33 ApS, Denmark, Black Creek Films Limited, United Kingdom & Spier Productions (PTY), Limited, South Africa
6/27(土) 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

参考記事:
【マッツ・ミケルセン情報】超豪華プレゼントも!映画「悪党に粛清を」公開記念パネル展開催中!
【5/12】初来日!マッツ・ミケルセン主演「悪党に粛清を」舞台挨拶付き日本最速上映会開催!

【マッツ・ミケルセン初来日舞台挨拶フォトギャラリー】

   

   

   

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