2016/07/19

【特集】小海フィンランド夏至祭2016会場レポート!

第15回小海フィンランド夏至祭
日程:2016年6月25日(土)
会場:長野県南佐久郡小海町 松原湖湖畔特設会場



2016年6月25日、小海フィンランド協会/こうみ塾主催のもと、長野県南佐久郡小海町松原湖の湖畔特設会場(旧フィンランドビレッジ)にて、今年で15回目となるフィンランド夏至祭が開催されました。

フィンランドの夏至は、Juhannus(ユハンヌス)と呼ばれ、毎年6月の第4土曜に行われるのですが、今年の小海町の夏至祭はフィンランドの夏至と同日の日程で初めて開催されることになりました。


準備前の会場にはさっそく白樺を担いだフィンランド人が!

フィンランドのサウナではヴィヒタと呼ばれる白樺の枝葉の束で、サウナ内で温まった身体をバシバシと叩いて血行を良くする習慣があるのですが、こんなに大きなヴィヒタを!?と思っていたら、「Juhannus koivu」(夏至の白樺)として、会場ステージの両脇にあるポール用の装飾として使用されるものでした。フィンランドの家庭では、夏至の時期に家の入り口に装飾することもあるようです。日本のお正月のしめ縄に近いかもしれません。



もちろん本場フィンランドサウナ体験も!
日本サウナ・スパ協会の協力のもと、昨年に引き続きサウナコタ(サウナ小屋)と、今年は日本初のサウナトースター(サウナカー)が登場しました。(去年活躍したテントサウナは更衣室として使用されていました)

フィンランドサウナには欠かせないヴィヒタも手作り。敷地に生えている白樺の木を直接刈り取り、フレッシュなヴィヒタが楽しめるのも、小海の夏至祭ならでは。


ヴィヒタを作っていたスタッフさんのネイルが、マリメッコ、フィンランド国旗、ムーミン!


取材にきていたローカルテレビに、フィンランド人の参加者がフィンランドの夏至についてインタビューを受けていたり、サウナの楽しみ方を伝授している光景も。

フィンランド人の多くが所有するサウナ付きのサマーコテージは湖畔にあり、サウナの後は湖に飛び込んでクールダウンするというのは、フィンランドという国を紹介する中でよくみられる光景。ここ松原湖は、目の前が湖という絶好のサウナロケーション。

日本人のレポーターさんは寒い寒いと大騒ぎする中、フィンランド人は平気でドボンとつかり、顔まで潜っていて、とても気持ちよさそうでした。ほかの日本人の参加者も次々と湖に入り、本場のフィンランドサウナさながらの体験を楽しまれていました。


夏至を象徴するかがり火のコッコ。今年は湖畔側に設置されていました。



今年はその場所に設置されたことにより、夕暮れのコッコの点火後、湖でクールダウンしながらコッコを眺められるという、新しい鑑賞スタイルが登場しました!(その中にはもちろんフィンランド人も!笑)これは本場のフィンランドでもなかなかできない楽しみ方だと思います。



昨年同様、モルック大会、カンテレ演奏会、フィンランド文化講演会のほか、絵本ピクニックやヒンメリワークショップなども開催されました。

スノーコレクティブさん主催の絵本ピクニックでは、北欧5ヶ国の絵本を自由に手に取ることができ、普段お目にかかることのないアイスランド語の絵本などもありました。日本語に翻訳されたもの、原書そのままのものと様々なバリエーションがあり、参加者のお子さんたちも北欧の文化に触れる良い機会となったのではないでしょうか。



フィンランドの伝統装飾ヒンメリの手芸作家Branchさんはわざわざ仙台からいらしていたそうで、ヒンメリの材料に使われる麦わらも仙台産。ワークショップの所用時間は90分ほどでしたが、わらを扱う際のカサカサという音や優しいわらの自然素材が心地よく、参加者の方々も思いのほか集中して、あっという間に時間が過ぎてしまったとお話されていました。



モルックは、フィンランド発祥の誰でも参加できるスポーツ。ここでも、老若男女、国籍問わず、ゲームを楽しむ姿が見られました。今年はトーナメント方式で、大会後は表彰式が行われ、上位入賞者だけでなく参加者全員に景品のプレゼントがありました。



フィンランドの民族楽器カンテレ演奏会は、日本でカンテレ第一人者として活躍される、はざた雅子さんが登場。フィンランド民謡だけでなく、日本の曲も演奏されました。日本の琴にも似たカンテレの繊細な音色で参加者を魅了しました。

最後は、北欧ラボによるフィンランド文化講演会。「白夜の国のフィンランドの今」というタイトルで、フィンランドの基本情報だけでなく、夏の時期のフィンランドの“今”、そして、フィンランドが国として“今”どのようなことが起こっているのかを、映像や写真を交えながら紹介しました。特に動画は、フィンランドの今を象徴する旬のものを各種機関にご協力いただきました。

今年5月に日本で公開されたマリメッコの創業者アルミ・ラティアの半生を描いた『ファブリックの女王』、フィンランド初のスタートアップの祭典Slushのアジア版Slush Asiaのダイジェスト、フィンランド政府観光局が作成したフィンランド人の乙女たちが夏至の夜を舞台に繰り広げる神秘的なひとときを切り取った「白夜のフィンランド」などは、参加者の方々も食い入るようにスクリーンを見つめていました。(協力:パンドラ + kinologue, Slush Asia,Visit Finland)



途中雨が降ったりと不安定な天候の中、参加者は最後まで熱心に聞き入っていたようで、フィンランドについての興味の高さが年々上がってきていることを感じました。

そんなあいにくの雨、本場のフィンランド人にとっては、「フィンランドの夏の天気は雨が降ったりやんだりなんて当たり前のこと。これはまさにとてもフィンランドらしい夏至の雰囲気」とのこと。 雨を気にせず、むしろ受け入れて夏の季節をめいっぱい楽しむ――。2016年の小海町のフィンランド夏至祭は、そんなフィンランド的な夏至の過ごし方を体験することができたのでした。


文/情報提供:北欧ラボ
フィンランドをはじめ、北欧の文化を創る『人』にフォーカスし、コミュニケーションを通じて活きた情報を発信。 北欧諸国の文化を研究し、北欧に関連した組織や個人の情報発信、タイアップイベントの開催、登壇、寄稿、取材業務を行う。小海町フィンランド夏至祭では、一昨年から「ムーミンの話」や「北欧トレンドレポート」などを講演している。http://hokuolab.tumblr.com/

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