2016/10/06

【特集】日本で漫画家になる夢を実現させた話題の北欧女子、オーサ・イェークストロム インタビュー

北欧女子目線で日本での不思議体験を綴った漫画が大人気!
ご近所北欧諸国でも気になることがある?その不思議とは?



子供の頃、テレビアニメ『セーラームーン』を見て衝撃を受け、漫画『犬夜叉』や『らんま1/2』、『ワンピース』といった日本の漫画の世界を知り、漫画家になることを決意したスウェーデン出身のオーサ・イェークストロムさん。2011年に東京へ移住し、北欧女子目線で日本での不思議体験を漫画にして話題となり、2015年に『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(KADOKAWA)を出版。日本で念願の漫画家デビューを飾りました。

9月に開催されたスウェーデン映画祭2016前夜祭のザリガニパーティーのトークゲストとして登壇されたオーサさんに、母国スウェーデンのことや、日本でやってみたいこと、他北欧諸国の不思議を聞いてみました。どうやら、お隣フィンランド自慢の“あれ”について、ちょっとツッコミたいことがあるようです。


スウェーデン映画祭2016前夜祭ザリガニパーティーでのトークの様子



■体験したこと、行ってみたことは漫画のネタに


――日本のアニメや漫画に強く影響を受けたというオーサさんですが、世界的に人気がありますよね。北欧ではアニメキャラのコスプレも人気があると聞きますが、スウェーデンでも人気がありますか?

オーサ:スウェーデンでもとても人気ですよ。国営放送のテレビ局で大きな番組もあったりして、盛り上がっています。何かを創作する、手で作るという作業が楽しいですよね。中でもゲームキャラクターはとても人気があります。私も昨年、初めてセーラームーンのコスプレをしました。

――昨年は、スウェーデンで手がけた漫画『さよならセプテンバー』(全3巻)が夏に、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』が9月に発表され、台湾でもリリースされました。さらにこの夏出版された『北欧女子オーサのニッポンの再発見ローカル旅』では、日本各地でいろんなことにチャレンジされていましたが、漫画以外で、今後日本でやってみたいこと、チャレンジしてみたいことはありますか?

オーサ:昨年は本当に忙しかったです。スウェーデンではこんなスピードで本は出版しません(笑)今年、念願のフジロックにやっと行けました!すごくよかったです!日本では今、(ウサギだらけの)ウサギ島(大久野島)や直島、札幌以外の北海道の郊外に行ってみたいですね。ウサギカフェやフクロウカフェといった日本ならではのユニークスポットにも興味があります。

漫画以外で・・・うーん、、結局、体験したこと全て、漫画のネタとして考えてしまいますね(笑)

■少しずつ日本人の好みがわかってきた

――スウェーデンではザリガニパーティーは夏の風物詩といわれますが、オーサさんも母国でご家族とされますか?日本での経験は?

オーサ:今年の夏は3週間ほどスウェーデンに帰国していました。ザリガニパーティーもやりましたよ!スウェーデン料理はやっぱり時々恋しくなります。日本ではクリスマスパーティーはやったけど、ザリガニパーティーは(スウェーデン映画祭2016前夜祭で)初めて!

帰国中、8年間スウェーデンに住んでいる日本人のお友達と話が合って、共感しまくりでした。長く外国に住んでいると、母国に帰ってもなんだか宙ぶらりんな感覚になります。日本ではスウェーデン人は美女やイケメンが多いと言われますよね。母国にいる頃は、別になんとも思っていなかったけれど、今回帰ったときは、「・・・そう言われてみれば、そうかな?」と、日本人の好みがわかったり・・・日本の感覚に近づいてきたのかな?(笑)

■フィンランド人の「あれ」に対する情熱が不思議

――他の北欧4ヶ国でよく行くところはありますか?

オーサ:アイスランドはまだ行ったことがないです。ノルウェーも国境付近、デンマークには買い物に行ったりします。フィンランドのヘルシンキには船で1日のみ。でも、日曜だったのでお店がほぼ閉まっていました(笑)デンマークはスウェーデン語が通じますが、スウェーデン人にはデンマーク語はわかりづらい。ノルウェーとスウェーデンは通じます。でも、言葉は一緒なのに、まったく逆の意味のものがあって。「Rolig」は、ノルウェー語では「静か」、スウェーデン語では「楽しい」という意味なんですよ。

――お店がほぼお休みのヘルシンキ・・・残念でした。。他北欧諸国にはどんな印象を持っていますか?不思議なところ、これはヘンだと思うところは?

オーサ:フィンランドは・・・サウナに対する思いがすごい(冷静に語るオーサさんの語り口調に筆者爆笑)。暑いのを長く我慢して入っているのはなぜ?そこまでやらなくても?って不思議です。あと、フィンランド人はとても静かなのが好きです。会話の間が空いてしまっても大丈夫。でも、なんだかシリアスな雰囲気になって緊張してしまうので、スウェーデン人はもっとしゃべりたい、朗らかな雰囲気にしたいと思ってしまいますね(笑)

――では最後に、オーサさんがおすすめしたい、お気に入りのスウェーデンの場所を教えてください!

オーサ:ストックホルムの古い街が好きです。ゴットランド島の街並みはとてもキレイです。ご存知のとおり、映画『魔女の宅急便』のインスピレーションになった場所ですよね。ここは昔そのままだから、本当にいい!おすすめです。



日本で漫画家となり、「本まで出せて、夢が叶って本当に嬉しい」と前夜祭トークでも喜びを口にしていたオーサさん。4頭身ほどの可愛らしい漫画イラストのイメージが強かったのですが、もちろんあのテンションは漫画(笑)終始にこやかに、穏やかに、流暢な日本語でお話してくださいました。

お話にも出てきたウサギ島などを訪れたエピソードも本になる日があるかも?!今後のオーサ・イェークストロムさんの活動にも目が離せません!


【オーサ・イェークストロム】
スウェーデン出身。アニメ『セーラームーン』と漫画『犬夜叉』を知って漫画家になることを決意。スウェーデンではイラストレーター・漫画家として活動後、2011年に東京へ移住。一番好きなアニメは『少女革命ウテナ』、一番好きな漫画は『ナナ』。近著は『北欧女子オーサのニッポンの再発見ローカル旅』(KADOKAWA)。http://ameblo.jp/hokuoujoshi/

 

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