世界が注目する言葉「ヒュッゲ(HYGGE)」。最近いろんなところで、ヒュッゲをテーマにした商品からイベントなども登場。ヒュッゲにまつわる著書も多数出版されており、今年初めに書籍紹介と共に、お年玉プレゼントとして『HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』(シグナ・ヨハンセン著 日本文芸社)のプレゼントを実施したところ、かなりの反響がありました。
本書で「ヒュッゲ」とは、デンマークやノルウェーの「心地のよい雰囲気」というニュアンスを伝える言葉、「仲間との絆」や「思いやり」を意味するものだといいます。
「ヒュッゲ」という言葉が気になっていた、どういうものか知りたかったため、この本を手にとった、というメッセージが多数届きました。
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本書は、ノルウェー生まれのシグナ・ヨハンセンさんが、幼い頃に過ごしたノルウェーでの暮らしから紐解いたヒュッゲな暮らしについて解説。現在はイギリスを拠点に、食やレストラン関連の本を多数手がけるシグナさん。「ヒュッゲ」という形のないものを、とてもわかりやすく、いろんな角度から教えてくれる本書は、「ヒュッゲ」を暮らしの中に今まさに取り入れてみたい初心者にぴったり。
シグナさんにとっては、幼いころから当たり前だった「ヒュッゲ」。どうしてこのテーマで書こうと思ったのか、きっかけは何だったのか。また、最も外せない一番ヒュッゲを感じることは何なのか。さらには、日本でヒュッゲだなと感じたエピソードも披露。
ハネムーンで来日していた、幸せいっぱいのシグナさんに話を聞きました!
「ヒュッゲ」のルーツは、ノルウェーの古い言葉
――どうして今、『HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』を書こうと思ったのですか?きっかけは?
シグナさん:
ノルウェーとデンマークの言葉はとてもよく似ていて、北欧の中でも文化的なつながりが多く、「ヒュッゲ」は今はデンマーク語として広まっているかもしれませんが、もともとは古いノルウェー語から来ているんです。「To Be」とか「To Think」、「今の状態であること」、「存在すること」、「考えること」。瞑想とか仏教的な考え方に通ずるものがあり、日本にもとても似たような文化があるなと感じています。
私の両親は(本の表紙にもなっている)ノルウェー西部のベルゲン生まれ。今を楽しむこと、ポジティブに生きていくという考え方を大切にしていました。私は人間学を専攻していて、自分自身の文化的背景や人類学的なことに興味を持っていたということもあり、「ヒュッゲ」について書いてみようと思ったんです。
――現在イギリスにお住まいですよね。大学を卒業後にノルウェーを出て、外から母国を見てみて、あらためて感じたり、気づいたりしたことはありますか?
シグナさん:
はい、外に出てみて初めて気づくことはありました。当たり前だと思っていたので、その特異な文化に感謝する気持ちがそれまではあまりなかったと思います。
――「ヒュッゲ」は日本ではデンマークのイメージがありますが、ノルウェーでも使うんですね!本の中で、フィンランドやスウェーデンには特にそういった言葉はないけれど、その感覚や精神は共通する部分があるとおっしゃっています。アイスランドにもヒュッゲな精神はありますか?
シグナさん:
アイスランドにも「ヒュッゲ」といった言葉はないようですが、自然とのつながりを大切にしていますし、他の北欧4カ国と文化的に共通していると思います。実は、アイスランド語は何千年も前の古いノルウェー語のような感じなんですよ。気をつけて聞いてみないとわからないけれど、じっくり聞いてみると理解できるんです。
――ヒュッゲは幸福度に関与していると思いますか?
シグナさん:
そうですね。アメリカやイギリスは個人が重視される社会ですが、北欧は社会やコミュニティを大切にする文化、ヒュッゲの文化が根付いており、教育や経済システム、家族、子育て、ヘルスケア、保険制度、福祉などを、社会的に作り上げます。北欧の人がいつも笑顔かはわからないけれど、非常に満たされているという精神状態にあると思います。それはきっと、美しいものを見て、感謝して、生活の中に取り入れることを大切にしているからです。
どんなところでも、どんな人生でも、「ヒュッゲ」を見つけることができる
――日本人は「こうでなければならない」とか、立場や人の目を気にする国民性もあり、とてもストレスを感じている人が多いです。本では、「無理せず、自分らしく、正直に生きること」がヒュッゲだったり、ちょっとした意識や気持ちの持って行き方でヒュッゲを取り入れられるということに、救われた人がいるのではないかと思います。シグナさんはどんなことにヒュッゲを感じますか?一番ヒュッゲを感じることは何ですか?
シグナさん:
料理は私にとって喜びです。最もヒュッゲを感じます。おいしい食べ物やおいしい飲み物を囲んで、それをみんなで一緒に楽しむというのが現代的な「ヒュッゲ」の解釈ですよね。でも、ただ単に食べる、飲むだけでなく、一歩引いて、日常の喧騒から自分自身を離して見ることも大切です。日本では桜のシーズンなど、季節の移り変わりを楽しんでいますよね。シンプルに美しいものを愛でて感謝する。これはお金をたくさんかけることなく、誰にでも楽しめることだと思います。
――3度目の来日というシグナさんですが、日本でヒュッゲを感じたことはありますか?「これはヒュッゲだ」と思ったことは、どんなことですか?
シグナさん:
これは例がたくさんありますよ。たとえば、京都に行ったときですが、朝の早い時間の「誰もいないお寺」。場所と時間を選んだら、とても気持ち良く過ごせます。
食文化もそうですね。日本には、「いただきます」とか「ごちそうさま」といった、食べ物があることを当たり前と思わず、感謝する気持ちを表す言葉がありますよね。
また、上高地でハイキングをしたんですが、自然をたっぷりと楽しんだ後のおいしい食事や温泉!とってもヒュッゲなひとときでした。(わかるわかるわかる!と周りから共感の嵐)
あと今回、各地でいろんな人に話しかけてもらえました。ちょっとしたコミュニケーションがとても心地よかったです。たとえば、庭師の方が寄ってきて、とてもフレンドリーに説明してくれました。そうやってオープンな心で周りのことに興味を持ったり、外国から来た人にも気を配ったりしているところがヒュッゲだと思います。
――まだまだ「ヒュッゲ」を知らない、でも気になる!という読者の皆さんにメッセージを!
シグナさん:
日本には「ヒュッゲ」を表す言葉はないかもしれないけれど、すでに日本の人の中にはヒュッゲのコンセプトが根付いていると思います。北欧の人が日本に来たときに、北欧と似ているところがたくさんあると言うのも、それはきっと日本にヒュッゲを感じる部分がたくさんあるからだと思います。
世界には世界各国それぞれのヒュッゲの形があると思います。ちょっと見方を変えて、小さなことにも気づき、心地よさや幸せを感じる。これはまさにヒュッゲ。どんなところでも、どんな人生でも、ヒュッゲを見つけることができます。
――Tusen takk!! ありがとうございました。
▼ブログ記事では、シグナさんの日本での旅や、北欧で1都市だけ選ぶならここ!など、楽しいヒュッゲなこぼれ話を掲載。
https://ameblo.jp/hokuwalk/entry-12386527201.html
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小さなことからはじめる、心地よい時間のつくりかた
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