2019/09/04

【特集】日本×デンマーク!文化や精神を分かち合うプロダクト インテリア ライフスタイル(後編)

後編は、デンマークブランドに着目!
過去から現在へ、現在から未来へ。
時代を繋ぐプロダクトたちが登場!



7月17日から19日まで、東京ビッグサイトにて開催されたインテリア・デザインの国際見本市「インテリア ライフスタイル」。今年は、26カ国・地域から770 社(日本609社、海外161社)が出展し、3日間で計21,597名が来場。世界各国からデザイン性の高いテーブルウエア、食品、ジュエリー、家具、環境や社会を考慮したアイテムなど、暮らしに彩りを与えるインテリアプロダクトが集結しました。

特集記事前編では、フィンランドとデンマークの新ブランドや新アイテムを中心にお届けしました。後編では、デンマークのデザイナーと日本のメーカーの素敵な絆から生まれたプロダクトのお話や、デンマークで誕生したてホヤホヤの、デンマーク×日本の最新ブランドをご紹介します。




■ホルムガード(デンマーク)
1825年創業。伝統と歴史のあるデンマークの王室御用達ガラスブランド「ホルムガード」。フラワーベース「Cado vase(カドーベース)」(花が生けてあるガラス器)は、日本のプロダクトデザイナー柴田文江氏によるもので、約200年もの歴史の中で、ホルムガードが日本人、アジア人としても初めてコラボレーションした作品。「桜」をガラスの世界に反映し、「華道」からインスピレーションを得たデザイン。フランス語の「贈り物(Cadeaux)」という意味も込められているとか。マウスブローのクリアなガラス器とプラムカラーのガラス器は、重ねても、セパレートで使っても美しい出で立ち。今年のデンマーク・デザイン賞にノミネートされました。
http://www.holmegaard.com/(ホルムガード)
http://design-ss.com/(柴田文江)



■ビヨン・ヴィンブラッド(デンマーク)

1950年代から半世紀にわたり、陶器やグラフィック、舞台芸術、本の装丁、ポスターなど、様々なジャンルで活躍したデンマークの国民的アーティスト、Bjørn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド:1918-2006)。彼の味わい深い絵柄がインテリアコレクションとなって、ファンを魅了しています。飾るもので変化を楽しめるフラワーベースやフラワーポットが可愛い(アジサイを飾ると、まるでアフロヘアーのように見えたり……)!ビヨン・ヴィンブラッドは70年代に高島屋の包装紙のデザインを手がけたことも。
http://www.bjornwiinblad-denmark.com/



■カイ・ボイスン デンマーク(デンマーク)
デンマークデザインの巨匠、カイ・ボイスン。カイ・ボイスンが1951年に手がけた名作、モンキーの木製おもちゃは、デザインアイコンとしてあまりにも有名ですが、木製の動物のほかにも、テーブルセットやキッチングッズ、インテリアなども展開しています。今回、高さ10センチほどの「モンキーミニ」が登場(木にぶら下がっている)。また、くちばしにシルバーを施したバードシリーズの「Songbird Georg(ソングバード ジョージ)」もお目見え。かつてジョージ・ジェンセンのところで修業をしていたというカイ・ボイスン。当時のオマージュとして登場した模様。美しいダークグリーンとシルバーのディテールは、当時のシルバージュエリーからインスピレーションを受けているそうです。モンキーもバードも、なんとも愛嬌のある表情が魅力。
https://www.kaybojesen-denmark.com/


デンマーク大使館でも使用されているカトラリーセット「Grand Prix」

■カイ・ボイスン カトラリー(デンマーク)
銀細工師であったカイ・ボイスンは、木製玩具のモンキーなどが誕生する10年以上も前に、カトラリーシリーズを作り上げていました。世界で称賛される美しいカイ・ボイスンのカトラリーはなんと、新潟県燕市にある株式会社大泉物産が製造を担当。大泉物産とカイ・ボイスンを繋いだのは、デザイナーのオーレ・パルスビー。カイ・ボイスンがカトラリーシリーズの製造先を探していたところ、パルスビーが大泉物産を紹介したことがはじまりでした。

初めはシルバーで作っていましたが、銀不足となり、ステンレスで製造することになります。銀で表現出来ていた曲線がステンレスでは難しいということで、ステンレス用のデザインに変更することもありましたが、技術向上により、かつてステンレスでは表現するのが難しかった曲線を、ステンレスで再現することが可能になりました。品質の良さ、人々の心を掴むシンプルで美しいステンレス製のカトラリーは、北欧をはじめ、世界各国で愛され続け、デンマーク王室御用達としても知られています。
http://www.kay-bojesen.jp


カトラリーセット「Grand Prix」の28アイテムのシリーズに新しく加わるのは、バターナイフ(2019年10月頃発売予定)

▼大泉物産とカイ・ボイスンを繋いだ重要人物、デザイナーのオーレ・パルスビー。日本を愛したチャーミングなデザイナー、オーレ・パルスビーのエピソードをブログにて公開。こちらもぜひご覧ください!



■SyuRo(日本)
空間ディスプレイや生活雑貨などの企画・ディレクションを手がける宇南山加子氏が立ち上げたブランド「Syuro」。町工場が多く残る東京・台東区にショップをオープン。日本の伝統や職人技、使い続けることのできるアイテムを提案しています。国内外のインテリア見本市などにも出展し、パリやミラノ、2014年にはスウェーデンで展示会を開催。現在、北欧でも徐々にファンを増やしているという注目のジャパンブランドです。
http://www.syuro.info./

▼Syuro代表の宇南山氏も参加!日本×デンマークブランド「MOTARASU(モタラス)」誕生
今年2月のストックホルム・ファニチャー・フェアにて、ブランド「MOTARASU」がローンチ。MOTARASUとは、「~をもたらす」と使う日本語から生まれました。日本の素材、ものづくりやその精神と、デンマークデザインから生まれたブランドで、デンマークと日本のデザイナーが参加。Syuro代表の宇南山氏も、MOTARASU向けに、トレイ「UNION」とサラダサーバー「WA」のデザインを手がけました。ちなみに「MOTARASU」は、今年のデンマーク・デザイン賞「Upcoming of the Year」にノミネートされました。
https://motarasu.com/



インテリア ライフスタイル(Interior Lifestyle Tokyo)※終了しました
日程:2019年7月17日(水)~19日(金)
時間:10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会場:東京ビッグサイト 西1・2 ・3・4ホール+アトリウム
http://www.interior-lifestyle.com

<来年は6月開催に戻ります>  
会期:2020年6月3日(水)~5日(金)
会場:東京ビッグサイト 青海展示棟

▼前編はこちら!
【特集】定番もアニバーサリーアイテムも!最新北欧デザイン探訪!インテリア ライフスタイル(前編)

▼日本を愛したチャーミングなデザイナー、オーレ・パルスビーのエピソードはブログにてご紹介!>>こちらから

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