2008/12/09 今日は「フィンランド」よりこんなニュースが届きました!

アラビア、135年の歴史を語る


Rauno Traskelin

Rauno Traskelin

フィンランド国内はもちろん、今では世界中で愛されている陶器メーカー「Arabia(アラビア)」。
1世紀以上もの間、フィンランドの食卓で当たり前のように登場してきたコーヒーカップや皿の歴史をひも解くアラビア社作品展「Arabia 135」がフィンランドのデザインミュージアムにて開催されている。

1873年、ヘルシンキを拠点にスタートしたアラビア社。初めての商品はなんと、スウェーデンの老舗陶器メーカーとして知られるRorstrandのモデルの“コピー”だったという。しかし、やがてアラビアとしての独自のカラーを築きあげていき、国外のエキシビジョンなどで名前を知られるようになってきた。

1890年半ば頃、アーティストやデザイナー達とのコラボレーションを始めるようになる。
20世紀初頭は、アラビアのプロダクトはディナー用食器類や、デコレーションを施したオブジェなど、装飾的な要素が入ったものが特徴的だった。

1930年ごろ、スウェーデン仕込みのKurt Ekholmが工房のアートディレクターに就いたのをきっかけに、アラビアは次から次へと製造できるデザインに着目していくようになる。
戦後、Ekholmから引き継いだのがKaj Franck。Franckの機能主義者的な考え方が、アラビアのプロダクトに“実用的なデザイン”を取り入れるという革命をもたらした。
1950年代のちょうどその頃、フィンランド国内と国外両方からの評判が高まってきたという。

今回のアラビア社作品展「Arabia 135」では、アラビア社がスタートしてからの歴史が手に取るようにわかる人気テーブルウェアや装飾モデルといった作品が盛り込まれている。
日本や広東、シンガポールなど、アジアの影響を受けた植物や花のモチーフが印象的な初期のプロダクトから、Kaj Frackがデザインした名品KiltaやTeemaをはじめ、Paratiisi、Valencia、Ruska、Liekki、Arctica、Oloといった近年の作品まで、アラビアが生みだしたこれまでのコレクションが勢ぞろい。

また「Arabia 135」では、Friedl Holzer-Kjellberg、Toini Muona、Michael Schilkin、Birger Kaipiainen、Rut Bryk、Kyllikki Salmenhaara、Raija Tuumi、Aune Siimes、Liisa Hallamaa、Annikki Hovisaari、Sakari Vapaavuori、Oiva Toikka、Helja Liukko-Sundstrom、Kati Tuominen、Kristina Riskaといった、アラビアと関わりの深いデザイナーたちも紹介されている。

「Arabia 135」は2009年1月25日まで。


北欧ニュース編集員


135年の歴史を誇るアラビア社。コピーからのスタートだったというのは驚きです!
今では、手がけたデザイナーさんの個性もちゃんとありつつ、アラビアの食器!ってわかってしまう感じではないでしょうか?知らない方もきっと、見たことありますよっ♪
たとえば映画「かもめ食堂」をご覧になった方は、食堂に使われている“名脇役”の食器などにも目がいってしまったのでは?!
シンプルな美しさ、使いやすさ、心まで和ませてくれる雰囲気、人それぞれの生活にすんなり入っていってしまう親しみやすさなんかが、長く愛される秘訣なのでしょうか☆

※次号は月半ばになります。

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