民間人の死刑は1905年に廃止され、終身刑も1971年に廃止されているというノルウェー。現在の最高刑は、最長で禁錮21年だという。
昨年7月、ノルウェー・オスロでの連続爆破、さらにはウトヤ島のサマーキャンプを襲った銃乱射事件で77人を殺害し、テロと殺人の罪に問われていたアンネシュ・ベーリング・ブレイビク被告に、今年8月24日、ノルウェーの最高刑である禁錮21年の有罪判決が下された。
2009年より、反テロリズム法の最高刑が禁錮30年と定められたものの、この新しい法律が決まって以来、いまだ実行されていない。
場合によっては刑期の延長もあり得るというが、ノルウェー国外からは、この判決は「軽いのでは」という声があがっている。
オスロ大学の刑法学のStigen教授は、「ノルウェーの文化を反映している」と述べている。ノルウェーの司法制度の目的は、最終的には、「犯罪者が社会復帰できるようにすること」なのだという。
今回のブレイビク被告の判決が軽いと思っているノルウェー人はさほど多くはなく、めったに出ることのない最高刑が下されたというのは、社会にかなり大きな衝撃とメッセージを与えたに違いないとStigen教授。
ブレイビク被告の判決が下された後、Verdens Gang誌が実施したアンケートによると、ブレイビク被告は「一生自由の身とならないだろう」と確信しているノルウェー人が約62%もいたことがわかった。
21年以上も刑務所に入ったことのある囚人は、ノルウェーでは現在まで存在しない。
21年以内に出所する可能性もある。ブレイビク被告の今後に、ノルウェーはじめ、全世界が注目している。
北欧ニュース編集員
こちらのニュースは大きく取り上げられていましたので、先月末、判決を聞いている方も多いと思います。責任能力があるということで、オスロ司法裁判所はブレイビク被告に禁錮21年の有罪判決を下しました。
Twitterなどを眺めていても、「21年って軽いんじゃ?」という声が多数見られました。
「これまでで最も経済的負担が大きい、コストのかかる囚人」と伝えているノルウェーメディアも。
というのも、ブレイビク被告に届いた手紙などをひとつ一つ監視・観察する人を新たに採用する必要などもあり、なにかと経費がかかるようです。