5月14日から25日までカンヌにて開催されていた「第67回カンヌ映画祭」。
北欧からの出品もあり、今年は2作品が賞を受賞。
まずは、スウェーデンのRuben OSTLUND監督作品である「TURIST」(スウェーデン/2014年/118分)が、「ある視点部門」で審査員賞を受賞した。
「TURIST」は、冬の休暇をアルプスで過ごすスウェーデン一家の話。スキー場のレストランでの食事中に雪崩が発生、楽しい休暇は一転する。なんとか被害は免れたものの、家族を置いて逃げようとした父親の薄情な行動に、事故後、家族間に不穏な空気が漂ってしまう。果たして父親は信頼を取り戻すことができるのか?
現代の家族の中の父親のあり方をダイレクトに投げかけるコメディ作品。
もう1作品は、ノルウェーのHallvar WITZO監督による作品が、短編コンペ部門で特別賞を受賞。2010年に創設されたという短編コンペ部門には、今年9作の作品がノミネートされ、パルムドールに1作品、特別賞として2作品が選出。そのうちの1作品が、ノルウェーの「JA VI ELSKER (YES WE LOVE)」(ノルウェー/2013年/15分)だった。4世代それぞれを取り巻く問題が、ノルウェーの独立記念日に4つの別々の場所で展開していくというストーリー。
今年の最高賞、パルムドールには、トルコ出身のヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品の「Winter Sleep」(トルコ・フランス・ドイツ/2014年/196分)が選ばれた。
「今年はトルコ映画100周年なので、嬉しい偶然」と監督。
日本人監督作品としては、学生映画を集めたシネフォンダシオン部門で、女優・桃井かおりが演じている平柳敦子監督の短編作品「Oh Lucy!」(日本・シンガポール・米国/2014年/22分)が第2位に選出された。
コペンティション部門にノミネートされていた河瀬直美監督の「2つ目の窓」や、短編コンペ部門でノミネートされていた東京芸術大学の佐藤雅彦教授らで製作した「八芳園」は残念ながら賞を逃した。
カンヌ映画祭
http://www.festival-cannes.com/
北欧ニュース編集員
日本人監督作品もいくつかノミネートされていたので期待が膨らんでいたのですが、惜しくも受賞とはなりませんでしたね。
北欧からはひっそりと(!)2作品で賞を獲得!
北欧短編は本当に質の高い作品が多いと思いますので、もっと日本でも観ることができたらいいですね!
スウェーデンの「TURIST」、お父さんの気まずい感じ&奮闘ぶりがどんな風に描かれているのか!?
うーん、興味津々です。