アークティック・ウィンター・ゲーム2016 公式HPスクリーンショットより |
2年に一度、北極圏に住む人々が競いあうスポーツ大会があるのをご存知だろうか?
その名も「アークティック・ウィンター・ゲーム」。偶数年の3月上旬あたりに行われる北極圏の熱きスポーツ大会である。
2014年は米アラスカのフェアバンクスで行われ、9つの地域から2000人以上の選手が出場。アラスカ州(アメリカ)のほか、ヤマル(ロシア)、ノースウエスト準州、ユーコン準州、ヌナビク、ヌナブト準州、北アルバータ州(以上カナダ)、グリーンランド(デンマーク)、サーミ(スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・ロシアにわたる地域)の代表が、20種目の競技に参加した。
気になる種目の内容だが、室内サッカーやバドミントン、バスケットボール、バレーボール、卓球、レスリングや体操といった室内競技のほか、フィギュアスケート、アイスホッケー、スピードスケート、クロスカントリースキー、スノーボードやカーリングといった、おなじみの冬季スポーツ種目も。また、スノーシューでのバイアスロン、北極圏ならではの犬ぞり競争なども白熱する。
なかでも、特筆すべきは「Deneゲーム」。これは、カナダ先住民の文化を今に伝えるもので、「Finger Pull」、「Hand Games」、「Pole Push」、「Stick Pull」、「Snowsnake」という5種類のゲームが含まれる。
たとえば「Stick Pull」は、直径2.5cm、長さ約25cmの棒を互いに向かい合い、同じ手同士で握って引くという非常にシンプルなもの。棒にはたっぷりと油が塗られており、引き合った棒を最後まで持っているほうが勝ち。Deneゲームは、狩りや釣りなどに出かけられない先住民たちの暗く長い冬の楽しみとして、日常の暮らしから生まれたエンターテインメントだったと考えられているという。
ちなみに、前大会2014年米アラスカ州での大会結果は、アラスカ州が金メダル68個、トータル202個のメダルを獲得してトップ。グリーンランドは金メダル23個、サーミは13個だった。
2016年は3月5日~12日まで、グリーンランドの首都ヌークが、ヌナブト準州と共催という形でホストを務める予定。
「アークティック・ウィンター・ゲーム」とは?
http://www.arcticwintergames.org/
「Deneゲーム」とは?
http://www.denegames.ca/
北欧ニュース編集員
北極圏地域のみのスポーツ大会!みなさんご存知でした?
クロスカントリーも“雪上の陸上競技”だと思いますが、スノーシューもまた雪上の短距離走、長距離走ですよね。ものすごい迫力とスピードなのでは?!と想像しています。
手や体、サイズの異なる棒を使ったりした「Deneゲーム」にも興味津々!