2015/03/31 今日は「スウェーデン」よりこんなニュースが届きました!

今夏、IKEAのフラットパック仮設シェルター1万戸が難民キャンプへ


Interior of a Better Shelter prototype
in Kawergosk Refugee Camp,
Erbil, Iraq.
(c)Better Shelter


Assembly of Better Shelter prototype,
Hilawyen Refugee camp,
Dollo Ado, Ethiopia, July 2013.
(c)R. Cox

チェストやテーブル、ソファやベッドなど、大型の家具でも運びやすいよう、フラット(平らな)パッケージに入っているIKEA。箱を開けて、自分で組み立てたりした経験のある人も多いのではないだろうか。

世界の貧困層の生活面向上を目的とする永続的プログラムに資金提供を行う「IKEA Foundation」と、難民保護と難民問題の解決に向けた国際的な活動を担う「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)」がタッグを組み、IKEAのフラットパックで届く、安全で機能的な仮設シェルター(仮設住居)が誕生した。

仮設シェルター「Better Shelter Housing Unit(ベターシェルター・ハウジングユニット)」の開発にはまず、実際にイラクやエチオピアの難民40家族に使用してもらうところから始まる。彼らの声をもとに、シェルターのデザインに改善を重ね、フォルム・機能・品質・サステナビリティ・コスト面をクリア。プロジェクトの中心に難民の家族の存在がある、デモクラティックデザインのシェルターが完成した。

輸送量・重量・価格・安全性・健康面・快適性に配慮されたシェルターは、IKEAらしく、組み立てる際に現地で余分な工具を調達する必要がなく、すぐにでも組み立てを開始できるのが便利。さらに注目すべきポイントは、ソーラーパネルと太陽光発電の照明が、すでにシェルターに装備されているということ。寿命は3年ほど。

大量生産が実現した仮設シェルターはいよいよ今夏、難民キャンプの家族1万戸分が、UNHCRを通じて送られる予定。「シェルターの配備により、人道的危機や自然災害の影響を被る多くの人々の暮らしが、劇的に改善するだろう」とUNHCRのShaun Scales氏が語るように、難民の家族や子供たちが安全に暮らせるようになる大きな一歩となることを願いたい。


Better Shelter
http://www.bettershelter.org/

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
http://www.unhcr.org/ 

IKEA Foundation
http://www.ikeafoundation.org/


北欧ニュース編集員


自分のお家があるという安心感。家に入った瞬間、身も心もほぐれるような空間があるのと、ないのとでは、まったく違いますよね。
しかも、ソーラーパネル付きの太陽光発電のシェルターというのには驚きです!

※来週号はお休みさせていただきます。

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