シリア難民申請数マップイメージ |
シリアから大量の難民が押し寄せているヨーロッパ諸国。積極的に受け入れを発表したドイツやスウェーデンを筆頭に、ヨーロッパ各国に続々と到着する難民たちを受け入れたとしても、その後の彼らはどうなるのか。生活支援の問題にも焦点が当てられている。
シリアでは約300万人もの子供たちが戦争を理由に学校に通うことができなくなってしまった。
ノルウェー政府は、「教育は子供たちの未来にとって必要不可欠なもの」として、戦争で学校に通えない子供たちに、革新的な技術を使って教育を受けることができる機会を設けることを発表。
シリアの子供たちが読み方を学習することで、精神面も健康な状態にする役目を果たすことができるスマートフォンのアプリケーションを開発するという。このプロジェクトは、ノルウェーと国際的なパートナーとの協力で開発すべく、国際コンペの形を取って進めるとのこと。
新しいデジタルソリューションの開発により、たとえ子供たちがどこにいようとも、教育を受けられることができる。それを目的としたアプリ開発コンペである。アプリケーションはアラビア語で、ゲームをベースとした自宅用学習ツール。来年2016年前半には開発されたいくつかのアプリケーションの中から最適なものをテストしていく予定。
幸い、スマートフォンを使用しているシリア難民の割合が高い上に、子供たちの親世代は良い教育を受けている人が多いという。親たちにとっても、学校に通えない子供たちの学習をサポートすることができる学習アプリは大きな希望となるに違いない。
▼学習アプリケーション開発国際コンペ詳細
http://www.norad.no/eduapp4syria
▼シリア難民申請数マップ(2011年4月~2015年8月)
トータルで441,246名(2015年10月5日現在)
(うち、スウェーデン69,427、デンマーク13,230、ノルウェー5,210、フィンランド760、アイスランド19)
http://data.unhcr.org/syrianrefugees/asylum.php
北欧ニュース編集員
現在、北欧各国各紙によると、スウェーデンとノルウェー、アイスランドは自らシリア難民を受け入れる方針。
特にスウェーデンは定住もOKと柔軟に対応しており、ドイツとともにかなり積極的に受け入れているようです。
政府内では党により意見が分かれたりしているようですが、「スウェーデンの未来にとって良いことである」という姿勢。
デンマークは受け入れは困難と流入を阻止しており、フィンランドは一時的な場所は用意できても消極的。
フィンランドでも賛否あるようですが、国全体の深刻な景気悪化も影響しているようです。一方、シリア難民の中には、フィンランドに到着したものの「寒すぎる」「人がいない」など、結局フィンランドを出て、スウェーデン南部に帰っていく難民もいるとの報道も。スウェーデンは受け皿として、長い歴史があることも大きな理由のようです。
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