トーベと過ごしたクル-ヴハルの小屋 photo by Juho Kuva |
来年2017年も北欧ではアニバーサリーイヤーを祝ういくつかの行事が予定されている。
今年は、日本とアイスランドで外交関係樹立60周年の年だったが、来年は日本とデンマークの外交関係樹立150周年を迎える。
また、フィンランドでは、国が独立100周年を迎える記念の年となり、日本でも、世界を魅了するフィンランドのデザインに着目した「フィンランド・デザイン展」が、1月14日より福岡から全国5会場で巡回する。
100周年といえば、フィンランドを代表するこのアーティストも2017年で生誕100周年を迎える。
戦後活躍した、フィンランドのグラフィック・アーティストのキーマンともいえる、トゥーリッキ・ピエティラ(1917-2009)。彼女の生誕100周年を記念して、2月28日の「カレワラの日」より、アテネウム美術館の3つのホールを埋め尽くした展覧会が開催されるという。
ムーミンの物語の原作者、パートナーのトーベ・ヤンソンとの合作を含む、トゥーリッキが手がけたほぼ全ての作品がアテネウム美術館に寄贈されており、展覧会では、1933年から1985年までの彼女による多彩な約170作品が紹介される予定。
およそ1400点以上におよぶ作品の中でも特に、さまざまな印刷技術に高い関心を示したトゥーリッキ。印刷には、技術はもちろん、精神力と、多くの実験を行っていることがわかるという。
また、本展は、トゥーリッキのアンフォルメル(※)作品にもフォーカス。
ヘルシンキのウッランリナ地区の同じ建物内に別々のスタジオを持ちながら、トーベと共通の関心事だった旅行や、約25年間、毎夏過ごしたクルーヴハルという小さな島の小屋での暮らしのことなどにも触れている。
「トゥーリッキ・ピエティラ展」は、2017年2月28日から4月9日まで、アテネウム美術館にて開催予定。
※1950年代、フランスを中心にヨーロッパで盛んだった抽象絵画などの美術の動向。
▼関連記事
トーベとトゥーリッキ(トゥーティは愛称)の工夫をする力、発明する力、どんなことがあっても、ユーモアで乗り切っていく二人に感動したと監督。
『【特集】「ハル、孤独の島」「トーベとトゥーティの欧州旅行」のリーッカ・タンネル監督インタビュー!』 (2014年2月)
http://www.hokuwalk.com/Spe/page/page_id/022014022600015001/
2014年には同じアテネウム美術館にてトーベ・ヤンソン展開催。
『フィンランド史に残る展覧会に!「トーベ・ヤンソン展」』(2014年9月17日)
http://www.hokuwalk.com/Topic/page/page_id/022014091700015001/
北欧ニュース編集員
ムーミンの物語に登場するトゥーティッキのモデルとして知られ、トーベ・ヤンソンのパートナーという印象が強いトゥーリッキですが、フィンランドでは著名なグラフィック・アーティストの一人。
1950年頃に在籍していたパリのフェルナン・レジェ芸術アカデミーでトーベ・ヤンソンと出会いました。
知られざる彼女の作品や人生が紐解かれる展覧会になりそうですね。
(日本にもやってくるかな?)
<ごあいさつ>
今年最後の北欧ニュースとなりました!
2016年も一年間、ありがとうございました。
年明けは、中旬頃より配信の予定です。
2017年はどんなニュースが?!楽しみにしていてくださいね。
それでは、みなさま、また1月にお会いしましょう♪